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その23
「どゆこと?」
「〝もうそう〟ってなに? 〝じったいか〟ってなに?」
「あたしらってなんなん?」
霧の向こうにある校舎の視聴覚室では、教室に入りきれないほど集まっていた多くのロクデナシが王女の言葉にざわついていた。
戸惑っているロクデナシもいれば怒っているロクデナシも、混乱しているロクデナシも――さらには泣き出しそうなロクデナシもいる。
誰もが教室正面の大ディスプレイに映し出された〝れま〟による王宮謁見室からの中継に衝撃を受けている。
そんなロクデナシたちの最前列中央で校長室から用意した椅子に座っているひとりのロクデナシが吐き捨てるようにつぶやく。
「私たちが、あいつによって生み出された存在だと? よりによってあいつの妄想が実体化したものだと?」
となりで派手なメイクと改造制服のロクデナシが声を掛ける。
「どーする? 〝あいり〟」
「……」
校長椅子のロクデナシ〝あいり〟は答えず、目から血が出るような視線を画面の王女に向けている。
やがてなにかに気付いたかのような、あるいは決意したかのような表情を浮かべてポケットからスマホを取り出す。




