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「三条の告白、澪の沈黙」
文化祭の準備のさなか。
青羽と澪の関係に緊張が走る中、三条が再び澪に告白する。
「俺、まだ好きなんだ。青羽より、ずっと前から。
お前が“好きって何か分からない”って言ってた頃から、ずっとだ」
澪は言葉を返さなかった。
何かを考えている。ではなく、
“考えようとしていること”に自分が追いついていない顔だった。
三条は笑った。
「その顔が好きなんだよ。何もわかってないのに、一生懸命な顔。
俺は、お前の“わからなさ”ごと、好きなんだ」
だが、澪の口から返ってきたのは、たったひと言。
「……ごめん」