File_02 協力
カゲル
「こっちの方から妖気の反応があるらしい」
もえか
「あの、、妖気って何ですか?」
カゲル
「妖怪が放ってるオーラみたいなものだ。その妖気が強いところに妖怪がいる」
もえか
「全くわからないんですけど、、」
カゲル
「俺も妖気を探知するのは苦手だ。だからちょっとした協力者がいるがな」
もえか
「協力者、、?」
私はカゲルさんの発言に疑問を持ちつつも、カゲルさんの後をしっかりついていった
私の心の中は、蒼依のことでいっぱいだった
危ない目に合っていないか、とても不安だった
カゲル
「おい!この先だぞ!」
もえか
「っ!はい!」
バサッ!
もえか
「蒼依!」
カゲル
「これはまずい!」
カゲルさんは素早く刀を抜き、前に走り出した
その方向には倒れている蒼依と体が灰色の坊さんのようなものがいた
カゲル
「その子から離れろ!」
ムニュン
カゲル
「っ!?切れない、、?」
カゲルさんは坊さんに刀を振り下ろしたが、なぜかはじかれてしまった
そして、その坊さんはカゲルさんに杖を振り下ろす
カゲル
「くっ、、先に安全確保だ!」
カゲルさんはよろけながらも、蒼依を抱きかかえ、こっちに走ってきた
もえか
「カゲルさん!大丈夫ですか、、?」
カゲル
「なんとかな。だが、こいつは厄介な相手だ」
もえか
「そうなんですか、、?」
カゲル
「あぁ。こいつはこんにゃく坊主。体がこんにゃくでできてる妖怪だ」
もえか
「だからカゲルさんの刀で切れない、、」
カゲル
「あぁ。だが、何か攻略法があるはずだ。お前はその少女をしっかり守っとけ」
もえか
「あの!蒼依はどういう状態ですか、、?」
カゲル
「蒼依?あぁ、その少女か。そいつはこんにゃく坊主に少し生気を吸われてるかもしれない」
もえか
「生気?」
カゲル
「あぁ。妖怪は人間の生気を吸うことで強くなる。人間は生気を吸われるといつか死んでしまう」
もえか
「え、、」
カゲル
「だが、安心しろ。そいつはまだ死んじゃいない」
もえか
「よかった、、」
カゲル
「だが、あいつに近づけるな。俺も近づけさせないようにするが、万が一のことがあったらしっかり守れよ!」
もえか
「はい!」
カゲルさんは私にそう言うと、こんにゃく坊主の方へ走って行った
もえか
「蒼依、、」
私は蒼依の手を握る
今の私はとても不安そうな顔をしているだろう
だが、未知の状況に立たされて、親友が目を覚ましていないとなるととても不安だ
もえか
「カゲルさん、、大丈夫かな、、」
カゲルさんはこんにゃく坊主に攻撃を仕掛けているが、全てはじかれてしまっている
完全に防戦一方というやつだろう
もえか
「どうしよう、、私に何かできないかな、、」
私は一生懸命、頭を働かせる
そして、手に持っているお札を見る
もえか
「これだ!」
私は静かに蒼依を地面に倒し、カゲルさんの元へ走る
もえか
「カゲルさん!」
カゲル
「なっ!?お前、何してんだ!?」
もえか
「いいことを思いつきました!これを使うんです!」
そう言って私はお札を見せる
カゲル
「っ!そういうことか、、だが、お前の身に危険が、、」
もえか
「大丈夫です!親友があんな状況に立たされてるのに、何もしないのは、、不甲斐ないです!」
カゲル
「…わかった。だったら俺の指示に従え!」
もえか
「はいっ!」
カゲルさんはこんにゃく坊主と距離を取り、私の方に近づく
カゲル
「お前はあいつの後ろから回り込め。俺がおとりになる」
もえか
「はい。これをあいつに貼ればいいんですか?」
カゲル
「あぁ。そしたらあいつは除霊される」
もえか
「除霊、、」
カゲル
「それが俺らの仕事の討伐にあたるものだ。なかなかに大変な仕事だが、覚悟はあるんだよな?」
もえか
「もちろんです!」
カゲル
「よし、じゃあ行くぞ!」
カゲルさんは一気にこんにゃく坊主との距離を詰める
そして、刀を使い、斬撃を繰り返し繰り出す
もえか
(すごく早い、、これがカゲルさんの実力、、)
私はこんにゃく坊主に気が付かれないように、後ろに回り込む
覚悟はあると言ったが、バレないかどうか心臓がバクバクしている
もえか
(私がやるって決めたんだ。ここで怖気づいてどうする!)
私は足に力を入れ、一気に走る
そして、こんにゃく坊主と距離を詰める
ただ距離を詰めただけでも息が上がっており、自分の体力のなさを悔やむ
カゲル
「今だ!」
カゲルさんは私の存在に気が付いたのか、合図を送ってくれる
私はその合図に合わせるように、お札をこんにゃく坊主に貼る
こんにゃく坊主
「ごぎゃあああ!」
こんにゃく坊主はお札が貼られるのと同時に、青い炎に包まれ、その場から消失した
もえか
「はぁ、、はぁ、、たお、、した、、?」
カゲル
「よくやったな。お前の発想がなかったら倒せなかった」
私は突然の出来事で、体に力が入らない
そして、そのまま意識が朦朧としてきた
カゲル
「おい、大丈夫か?」
その言葉を皮切りに、私は意識が無くなった
ーーーーーーー
もえか
「ん、、あれ、、ここは、、」
私は目を覚ます
目の前には茶色の天井が広がっており、状況を呑み込めない
カゲル
「お、起きたか」
もえか
「っ!?」
私は驚き、声のした方向を見る
そこには椅子に座り、コーヒーを飲んでいるカゲルさんの姿があった
カゲル
「お前、こんにゃく坊主を倒した後からずっと寝てたぞ」
もえか
「そうだったんですね、、」
カゲル
「まぁ、突然の出来事だったからな。疲れがピークに達したんだろう」
もえか
「わざわざありがとうございます、、って蒼依は!?」
カゲル
「安心しろ。まだ眠ってる」
そう言ってカゲルさんは私の横を指さす
そこには寝息を立てて眠っている蒼依の姿があった
カゲル
「生気を少し吸われてはいるが、命に別状はない」
もえか
「よかったぁ、、」
私はその場で安堵のため息をつく
ずっと、蒼依が無事かどうかが気になっていたのだ
カゲル
「お前ら、本当に仲がいいんだな」
もえか
「はい、小さいころからの友達です」
カゲル
「だが、今度から興味半分で心霊スポットに近づくなよ。また今回みたいなことになるぞ」
もえか
「あの、、その件なんですが、、」
私は小さく手を挙げながら言う
もえか
「私を、カゲルさんの助手にしてくれませんか、、?」
どうも!麻袋です!今回、怪異探偵カゲルの2話を書きました!
とても難しかったですが、自分の中ではいい作品を書くことができました
今回の設定ですが、もえかの友人である雲雀蒼依の設定を公開します!
雲雀蒼依
女子高校生
とても活発で、外で遊ぶことが好き
様々なことに興味を持ち、やりたいと思ったことは必ずする
外見は金髪ショートで、よくギャルっぽいと言われるが本人は全くギャルではない
雲雀蒼依は間嶋もえかとは反対になるような感じでイメージしました
性格が反対の二人が仲良くしてる、私がとても好きなシチュエーションです笑
設定に関しては細かいのを書くと長くなってしまうので、ざっくりとしたものを書いていきます!
それでは、次回の小説で会いましょう!