熱いぞ!イケ部活動記!
【あらすじ必読。注意事項あります】
またまた知り合いから、声劇台本がほしいと言われて書き下ろしました。
今回はしっかり30分以内に収めることを意識して書いたのでコメディです。
とにかくむさ苦しさと、馬鹿らしさ。
でも愛らしさを忘れずに。
こんなにも男しか出てこないものも面白いかなと思って書いてみました。
クスッと笑っていただけたら嬉しいです。
佐伯
3年。イケ部64期部長。
ナルシストだけどなんだか残念。無駄にイケボ。
焼きそば大好き。冷静クールを装っているが、熱い心、ちょっと馬鹿な高校生感が抜けきれていない。イケメン。滲み出る厨二病。
霜月
3年。イケ部64期副部長。
下の名前は遥。
佐伯とはツーカーの仲。もはやなんか怪しくまで見える関係。本人たちに自覚は無し。
トップの隣に立つ敬語キャラを演じている。やっぱりそこはかとない厨二病感。イケメン。
山田
1年。帰宅部。
なんかわからないけど、入学式で「君、冴えないな」と佐伯からイケ部勧誘を受けた。
なんかわからないけど、気づいたら部員だった。
常識人というか、ツッコミ役。ピュアブラック。
田崎
2年。サッカー部。
暑苦しい。声でかい。うるさい。純粋。素直。良いやつ。
剛元
2年。調理部。
本名剛元奏。オネエ感が強いけど真相はわからない。男らしい苗字と、このキャラのギャップをいじられつつ、名前で呼ばれたがる。実は1番男らしいかもしれない…。女友達いっぱい。
岩井
2年。将棋部。
基本着物姿。オタク口調なところがある。典型的勘違い男。将棋部には岩井しか所属していない。
阿部
2年。映画研究部。
地味な文化部の中でも特に地味。どんな活動をしているのかさえ疑問。学校の女子からは放課後AVを見ているのではと噂されていることを知らない。根暗オタク。喋り出すと止まらない。
女子
さぁ、誰のお相手だったのか…。
タイトルコール男全員で
「熱いぞ!イケ部活動記!!」
熱いBGM
曲調変わり少ししたらセリフスタート
佐伯「そろったか」
霜月「約1名、遅れているようですね」
佐伯「まあいい。…これより、8月21日第64期四季高校イケ部の活動を開始する」
霜月「出席を取ります、まず2年サッカー部田崎」
田崎「はいっ!はいはいはいっ!」
霜月「うるさい、聞こえてます。…次、2年将棋部岩井」
岩井「そろそろ、王手がかかるところです」
霜月「次、映画研究部阿部」
阿部「は、はいち」
霜月「噛むな。次、調理部剛元」
剛元「ちょっとぉ、剛元ってよばなぁいで~、かなでちゃんって呼んでよぉ」
霜月「そして3年、」
剛元「無視!?」
霜月「部長の佐伯…。私が副部長の3年霜月です」
佐伯「1年の帰宅部、山田が遅刻か」
霜月「気の緩みでしょうか」
佐伯「まぁいい、始めておこう。今日このクソ暑い夏休み期間中に皆に集まってもらったのは他でもない。理由はわかるな?田崎」
田崎「いや!わっかんねーっす!なんすか!?」
佐伯「…はぁ。剛元」
剛元「かなでちゃんね!!そうねぇ、私に会いたかったからでしょ!」
佐伯「岩井」
岩井「夏祭り、ですね?部長」
佐伯「そうだ。夏祭りだ。我が部の活動目的、それはーー」
山田「すみません!遅れました!!」
佐伯「帰宅部山田か、おそーー」
田崎「おい!山田!遅いぞ!先輩方を待たせている!!君は帰宅部だそうだが、運動部において遅刻はあってはならないこ」
霜月「うるさいです、田崎。山田、席に着きなさい」
山田「す、すみません、バスの遅延で…。失礼します」
佐伯「山田、ペナルティとして、この部の活動目的を述べよ」
山田「あ、はいっ!えっと、我がイケ部はこの四季高校で申請が降りていない部活動で…」
佐伯「”秘密裏”で活動している、だ」
山田「冴えない、モテない、ダメな男子生徒が集い」
剛元「自分で言ってて辛くないのかしら」
山田「イケメンを目指す部活…、すなわちモテたいだけの集団、ですよね?」
佐伯「色々語弊のある言い方だが、まあいい。今日は我々イケ部として大切な活動を行う。霜月」
霜月「はい、来週の土曜日。四季神社にて夏祭りが開催されることは皆んな知っていると思います」
田崎「もちろんっすよ!!」
剛元「わたあめ、焼きそば、チョコバナナ♡とってもたのしみぃ」
佐伯「甘い!甘すぎるぞ!お前ら!わたあめに、チョコバナナ…そんな甘味に舌鼓を打つ暇は我々には無いっ!」
阿部「焼きそばはいいんでしょうか…」
岩井「焼きそばは佐伯部長の好物です」
霜月「そして、今年は町が総力を上げ、大花火大会が開催されます」
山田「え!?そうなんですか!?」
佐伯「暑い夏…、宵に光る提灯の灯り。空腹にささやく焼きそばの匂い。そして、夜空に打ち上がる満天の花火!!こんなノスタルジーを感じるシチュエーションが他にあるだろうか!」
田崎「青春だ!!」
佐伯「そう、まさしく青春。だがしかぁしっ!!まことに残念なことに、我々は皆、非リア充だっ…」
山田以外「あああっ…」
山田「そりゃそういう集まりですし!?」
佐伯「我々はいかに自分をイケメンに見せ、女子からきゃーきゃー言われ、リア充権を獲得するかの訓練をしている。だが今年に入り、成果をあげ退部して行った人間は1人もいないっ!そう、誰一人としてだ!」
霜月「これはこの部創立以来、初めてのこと。由々しき事態なのです」
佐伯「この深刻な問題を打破すべく、まず初めに活動報告から始めてもらう」
霜月「まず、将棋部岩井。先程王手がかかりそうと言っていましたね?詳しく」
岩井「ええ、この将棋部岩井。日頃から独り部室で将棋をさしているのですが、毎日部室の前を通り過ぎる可憐な女子がいるのです」
剛元「まあ!素敵な出会い」
岩井「彼女が部室の前を横切るたび、私はこう…フッ。(きもい)っと微笑みかけるのです」
田崎「おお、やるな!」
佐伯「彼女の反応は」
岩井「毎度、照れたように顔を背け、走って去ってゆきます。もうすでに私のことが好きだと思われます」
佐伯「なるほど」
山田「あ、いや、それって怖がられてるだけなんじゃ…」
霜月「次、調理部剛元」
剛元「あたしは、美味しく作れたお料理をみんなに食べてもらってるわ~」
佐伯「近頃は、家事もこなせる男子、スパダリが求められているからな。いいぞ剛元」
剛元「かなでちゃんって呼んで!」
山田「あ、あの、剛元先輩ってどちらなんですか…?」
剛元「んー?かなでちゃんはねー、女の子も男の子もだーーいすき!山田、あんたでもいいのよ?」
山田「あ、えっと、僕は女の子の方がいいかなぁって」
剛元「あ、そう」
霜月「サッカー部、田崎」
田崎「俺っすか!?俺は毎日サッカーやってるっす!サッカーはモテるはずなんす!なので!モテてます!!」
霜月「次…、映画研究部阿部」
阿部「ぼ、僕は映画のイケメンを観てイケてるセリフやイケてる動作を研究してきました」
佐伯「続けて」
阿部「まず、第一に映画のヒーローは皆んな、皆んな…」
山田「皆んな…?」
阿部「イケメンです!」
全員「あああ…」
阿部「全員、顔面が整っていました」
佐伯「それを言ったら元も子もないだろう」
剛元「そうねぇ」
山田「え、で、でも、部長も副部長も僕からみたらイケメンに見えますが、どうしてダメなんでしょうか」
佐伯「…山田」
山田「は、はいっ!」
霜月「山田には伝えていなかったね。僕たち3年は数度、この部を退部したことがある」
岩井「さよう。お二方は我々とは違い、モテない…わけでは無いのだ」
山田「えっと、つまり、今まで色んな女の子と付き合ってはきたものの、すぐに別れちゃうってことですか?」
田崎「ハッキリ言うな~」
山田「でもどうして」
佐伯「…つまり、顔…だけでは真のイケメンとは言えない。ということではないか」
山田「内面に壊滅的欠陥があるということですね」
佐伯霜月「ぐっはぁ…」
剛元「あなた結構ピュアブラックね」
佐伯「まあ、その話は後だ。阿部、他にも何かイケメン情報を仕入れているのではないか?」
阿部「あ、は、はい。まず、動作ですが、女子をきゅんとさせる方法には純度低めのSが必要だと感じました」
霜月「純度低め…?」
阿部「はい。純度高めのSは、つまりアブノーマルS。そこまでを女子は求めていません。あくまで純度の低いSです」
岩井「なるほど、純度の高いSは警察沙汰になる可能性があります」
山田「その純度低めのSって、例えばどんなことですか」
阿部「はい。代表格にまず、壁ドン」
全員「壁ドン」
阿部「気に入った女子を壁に追いやり、右手を相手の顔の横へドンッ!」
全員「ドンッ…」
佐伯「他には」
阿部「はい、そしてそのままゆっくり顔を耳元によせ、つぶやくのです『俺に、惚れろ』」
全員「おぉぉー」
霜月「ですが、やはりキャラ付け的にハマる男とそうじゃない男がいるのでは」
山田「そ、そうですよね!僕にはそんなこととてもっ」
阿部「もちろん、そんな方向けに懇願系うるうる手法もあります(メガネくいっ)」
山田「き、聞かせてください」
阿部「まず、壁に追いやるのは先程と同じ。次に腕で逃げ道を無くすのではなく、ゆっくりと、両手で相手の手を握るのです」
山田「お、おお」
阿部「そしてゆっくり、うるんだ瞳で顔を覗き込み、セリフを『僕じゃ…ダメ?』
全員「……」
剛元「…っぷ。あっはっはっはっ」
田崎「おい!真剣な話中に爆笑とはなんだ!」
剛元「いや、だって!面白いじゃない。ちょ、ちょっとあんたやってみなさいよ笑」
田崎「やるって何をだ」
剛元「今阿部がやってたやつよ!ほら、山田を女の子だとおもって!」
山田「ええ!?」
田崎「仕方ない。山田そこに立て」
山田「こ、こうですか…?」
田崎「うむ。んっんん!まず、ゆっくり近づき」
山田「ちかいちかいちかいちかい」
田崎「ゆっくり手を取り握り込む」
山田「うわぁぁぁああだぁ」
田崎「顔を覗き込み」
山田「ひいいあああ」
田崎「セリフ…」
山田「ひっひっふー」
田崎「僕じゃ、ダメぇ…?(大真面目にかわいくでもきもい)」
山田「うっひゃぁぁぁぁああ」
剛元「あっひゃひゃひゃひゃひゃっ!!あーーだめ!お腹痛い!!!あひゃひゃひゃひゃ!」
霜月「田崎はこっちじゃないでしょう」
佐伯「向き不向きはあるわけだ」
山田「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
阿部「お疲れ様」
岩井「しかし、阿部殿。私もどちらかというとその二つの手法は合わない気がします。何か他に良い案はないだろうか」
阿部「は、はい。岩井さんみたいなタイプにおすすめなのは、ギャップ…ではないでしょうか」
岩井「ほう、つまりどんな?」
阿部「いつも和服を纏い、近寄り難い言葉遣いな岩井さんですが」
岩井「え、近寄り難い…?」
阿部「そんな阿部さんが、実はバンドマンだったらどうでしょうか」
剛元「なるほど!汗で濡れた髪を振り回し、ギター片手に、歌ってたらイチコロね!」
佐伯「岩井、歌ってみろ」
岩井「そ、そういうことなら一曲。最近の有名どころは押さえています」
田崎「さすが岩井!」
岩井「(最近のイケてるバンド曲を歌う。めちゃくちゃ音痴。Pretenderのサビとかオススメ)」
全員「………」
岩井「どうであろうか?」
霜月「歌は逆効果になりそうですね」
阿部「で、では、バスケットなどのスポーツをしてみてはいかがでしょう?」
山田「やっぱりスポーツはモテ度高いですもんね!」
岩井「だめだ。幼少の頃から運動は何一つだめで何度か死にかけている」
全員「ああ……」
田崎「ん!?しかし阿部!俺はサッカー部所属だが一向に彼女ができない!!なぜだ!?」
阿部「お、おそらく先輩は…暑苦しい…のではないでしょうか…」
田崎「暑苦しい!?」
阿部「あと、少しデリカシーが足りないのかと…」
田崎「がーーーーん」
霜月「声の大きい男はモテないという情報が入っています」
田崎「がーーーーーん」
山田「たぶん、怖いんだと思いますよ?」
田崎「がーーーん」
剛元「私はすきよー?」
田崎「がーーーーーーん」
佐伯「やめてやれ」
山田「ところで、部長。今日の活動テーマはつまり、あと1週間のうちに彼女を作り、夏祭りはリア充しよう。ということですよね?」
佐伯「そのとおりだ山田」
剛元「でも難しいんじゃなぁーい?あと1週間なんて。こっちから告白しないと」
佐伯「そうだ。難しい」
霜月「そこでです。今回は彼女を作ることを目的とせず、女子と2人で祭りに行くことを目的にしたいと思います」
岩井「なるほど、あくまで一緒に行く約束をするということですね」
田崎「それなら、いけるかもっす」
山田「でもいきなり誘ってOKもらえるでしょうか…」
阿部「先輩方、山田くんに見せてあげてはいかがでしょう。部長、副部長の技を」
山田「わ、技?」
佐伯「仕方ない。これは俺が高校3年間で身につけた技だ」
山田「おお…」
佐伯「霜月、来い」
霜月「良いでしょう」
佐伯「まず、このアイテムが必須だ」
山田「そ、それはっ」
佐伯「そう…祭りのチラシだ。これを持ち、狙った女子の後ろを歩き、そして追い越す。その追い越した瞬間に、このチラシをさりげなく!落とす!」
全員「おお!」
佐伯「そして、女子はチラシを拾い言うだろう!」
霜月「あ、あのっ!これ…落としましたよ…?(めちゃくちゃかわいい)」
田崎「可愛い!!」
佐伯「その声に振り返り、ゆっくり手元を見る!『ああ、ごめん。ありがとう……あ、』」
霜月「どう、されました…?はい、どうぞ」
佐伯「ああ、ありがとう。そうだ…、もしよければこの日、俺と一緒にここへ行かないか?」
霜月「え…?」
佐伯「ああ、いや、別に深い意味はないんだ。けど、君と行けたら楽しいかなって思った」
霜月「あ、ありがとうございます///」
佐伯「ごめん、困らせたかな。返事はまた今度でいいよ。拾ってくれてありがとう。じゃ」
霜月「あっ……」
佐伯「そして!!2日後、また偶然を装い彼女に近づく!!『はるかちゃん』」
山田「はるかちゃん???」
岩井「霜月副部長の下の名前です」
剛元「かわいい名前なのよ」
山田「かわいい」
霜月「あ、佐伯くん…。」
佐伯「一昨日のこと覚えてる?」
霜月「うん…」
佐伯「俺ははるかちゃんと一緒に行きたいんだけど。どう?」
霜月「わ、私でいいの?」
佐伯「はるかちゃんがいいな」
霜月「た、楽しみにしてるね?」
佐伯「ほんと!?ありがとうっ!!」
阿部「出たっ…!!部長の満点無邪気スマイルッ…!」
佐伯「はるかちゃん、ちょっといい?」
霜月「ん?」
岩井「部長が副部長に歩み寄っていく…!」
田崎「こ、これはまさか!!」
佐伯「…ハァァ(息多めから)俺も、楽しみにしてる(いけぼぉぉ)」
阿部「耳つぶだぁぁぁっ!!!」
剛元「やだっ!いけぼっ!!」
山田「先輩さすがです!!」
霜月「う、うん(テレッ)」
女子たち「きやぁぁぁぁぁ~(黄色い声)」
山田「え!?なに!?なに!!」
岩井「時々、何故か女子が湧くのです」
田崎「さすが、先輩方!モテモテだなっ!」
山田「……あ、あの先輩たちがモテない理由ってもしかして…」
剛元「シッー!!それ言っちゃだめ!あの2人気づいてないんだからっ!」
山田「需要が違うんですね…」
剛元「調理部の女の子たち、ここのこと薔薇部って言ってたわ」
山田「ああ…」
佐伯「うん、今回の演習も中々の出来であった。霜月どうだった」
霜月「はい、いつもの2割マシ、耳つぶがイケボだったと思います。その調子でいけばほとんどの女子はイケるかと」
佐伯「そうだな」
山田「ああ…」
佐伯「では、俺の技も盗みつつ、皆次の集合は夏祭り当日だ!それまでに必ず女子を誘い出し、ボッチ花火を免れるのだっ!」
全員「はい!」
霜月「検討を祈ります」
山田「大丈夫なんだろうか…」
間
BGM祭りの音楽
佐伯「そろったか…」
霜月「全員時間通りです」
佐伯「うむ。打ち合わせどおり、誘った女子との待ち合わせは30分後となっている。それまでに状況報告を頼む」
岩井「私は、いつも部室を通りかかる可憐な女子を誘いました。恥ずかしがってすぐ去ってしまいましたが、きっと照れながらも来てくれるでしょう」
佐伯「なるほど」
田崎「俺は、サッカー部のマネージャーを誘いました!ドライな先輩でしたが、来てくれると信じているっす!」
佐伯「そうか」
剛元「んーー、私は何人か誘っちゃったわね~。結構みんな乗り気だったけど、2人きりになれるかはわからないわ~」
佐伯「プレイボーイか」
阿部「ぼ、ぼくは、クラスの女子の下駄箱に手紙を入れてきました…。読んでくれてたらいいのですが…」
佐伯「渋いな…。山田は?」
山田「ぼ、僕はクラスメイトの、女子を、昨日の部活帰りに誘いました…。来てくれるかは…」
佐伯「なるほど」
霜月「佐伯部長、その片手にあるのはなんですか」
佐伯「焼きそばだ」
霜月「歯に青のりが付いても知りませんからね」
佐伯「なっ!!付いてるか!?イーーー」
霜月「歯には付いては無いですが、口元に鰹節が」
佐伯「どこだっ!?」
霜月「ここです。はい、取れました」
佐伯「ありがとう」
女子たち「きやぁぁぁぁぁ!(黄色い声)」
山田「ま、またこの声」
岩井「こんなところにまで湧いたか」
剛元「そりゃ、こんな2人の間に割って入る、勇気のある女の子いないわよね」
田崎「今の霜月先輩の技は、なんというのだろうか…」
阿部「秘技、お弁当ついてるよ…とかですかね」
霜月「さ、皆さん。時間が迫ってきました。各々各ポジションに着いてください」
佐伯「みな、しばしの解散だ。散れ!!」
全員「はいっ!!」
祭りのSEフェードアウト
間
山田「はぁ…。約束の時間を15分も過ぎてる…。やっぱりダメだったかな。仕方ない、一人でまわろう」
田崎「山田!」
山田「あ、田崎先輩!あれ、先輩、お相手の方は…」
田崎「まだ来ていない!遅刻だろうか…。女子の遅刻の場合はあまり責めずにわたあめでも買って待っていようかと思ってだな」
山田「あ、ああ…。それでわたあめを」
田崎「ん?あの物陰で肩を震わせているのは…」
山田「あーー、岩井先輩…ですね」
田崎「おーーい!岩井!!そっちはどんな感じだ!」
岩井「うっ、うううう、うぇっ…うえええ」
山田「ご、号泣…!?」
岩井「おんぁ、いいあん、うっう、おないいいっ…うぇおっ(嗚咽)」
山田「なんて??」
田崎「岩井の相手も遅刻か!泣くな岩井!!そんなだらしなくいろんな汁を垂れ流しては、女子が来た時引かれてしまうぞ!」
岩井「おっおおえ、うううええええええええっ。………そうだなっ!」
山田「情緒っ!!!」
剛元「あらぁぁ~?3人ともここでなーーにやってんのよ!!」
山田「剛元先輩!」
剛元「かなでちゃんね!!まったくもう」
田崎「剛元は複数人誘ったのだから、やはり既に一人くらいとは一緒か?」
剛元「それがねぇー。今の今までみんなといたんだけど、みーーーんな、彼氏が来ちゃったからバラけちゃって、今は私ひとりなの」
岩井「か、彼氏持ちを誘っていただと」
山田「剛元先輩って本当に彼女ほしいんだろうか…」
佐伯「お前たち、ここで何をしている」
山田「あ!部長!と、副部長も!」
霜月「どうして集まっているんです」
岩井「たまたまです」
山田「佐伯部長、その手に持ってる焼きそば…何個目ですか」
佐伯「3個目だ。いろんな店のものを食べ比べている」
山田「満喫してますね…」
田崎「あれ…先輩たちもまだ一人ですか?」
霜月「い、いえ。そんな」
佐伯「き、きっと遅れているのだろう」
山田「ですよね!先輩たちが振られるはず無いですよね!」
佐伯霜月「ガタガタガタガタガタッ」
剛元「んーー、でも、もうすぐ花火の時間だし、みんなでそっち行かなーい?」
田崎「そうだなっ!女子もそっちを探しにくるはずだっ!」
間
山田「ん??あの項垂れた後ろ姿って」
岩井「体育座りで座ってる浴衣姿の男子だな」
剛元「阿部じゃない?」
田崎「阿部だな!おーい阿部!」
阿部「あ、ああ、皆さんお揃いで…」
佐伯「阿部の手紙の相手はどこだ」
阿部「さぁ…。どうなんでしょう。もしかしたら僕は手紙を入れる下駄箱を間違えたのかもしれません。あの場所は誰も使っていなかったのかも。ははっ(遠い目)」
全員「ああ……」
佐伯「なんだ、、結局今回の活動も目標達成ならずか…誰一人としてかっ!?」
霜月「目を逸らしたい現実です」
田崎「まだ来ないとは決まっていません!」
剛元「田崎って素直よね」
山田「あ、時間です」
SE花火の音
剛元「わぁ!すごい!」
岩井「雅な…」
田崎「わぁぁぁぁ!(無邪気)」
佐伯「綺麗だな…」
霜月「ええ、とても」
阿部「どうせ…僕なんて…はぁ…」
山田「結局、男7人で花火鑑賞…。むさ苦しいですね!笑」
佐伯「まあ、これはこれで、悪くないだろう」
霜月「その発言はいただけませんね」
佐伯「すまない、我々は四季高校イケ部…だったな」
山田「いいんじゃないですか?今日くらい。花火は綺麗なんですから」
全員「うん」
花火の音
しばらくして
女子「はぁはぁはぁ…、すみません!!遅れちゃって…、浴衣の着付けが手間取って…怒ってます…?」
全員「っはぁ!!!」
始まりと同じ音楽カットイン
しばらく流しフェードアウト
完
どうでしたでしょうか。
クスッと笑っていただけたでしょうか…。
私自身も声優や俳優として芝居をしている身なのですが、演じている側もそれなりに楽しめる作品だったらいいなぁと思っています。
男性の良いはっちゃけ具合が見られたのでは…??
私は佐伯と岩井がお気に入りです。
お気に入り見つかりましたか??
よろしければコメントで教えてください。
また、配信などされている方、アーカイブ等残してありましたらコメントして頂ければ観に行きます。
読んでくださりありがとうございました。