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家電メーカーの技術担当が異世界で  作者: 神の恵み
第1章 カルバン王国
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第99話 諜報活動の開始


王国歴 262年12月



12月まで掛かって、作成を終え、AI人形の知識はAIアリスのデータをコピーした。


今回のCPU-BOXには、感覚共有機能は搭載していない。

オリビア、オーロラ、オフィーリアの3人。

姿形は生徒のデータから標準体型でやや美人。

服が無かったので戦闘服を着せているが、下着が無い。


私が女性下着を買うのは嫌だったので、参謀部のエリオットの所に出頭させたのだが、うかつにも、シンシアに相談したそうだ。


シンシア「この子の下着が無い?どういう事?里には下着が無いの?あり得ない!」


どうやらエリオットが下着無しになった原因を作ったと思われたらしい。


出頭したオリビアには、AIアリスの知識がコピーしてあるので、屋敷にも行けたのだが、忘れていた。


オリビア「シンシア様、エリオット様が原因ではありません。裸で寝ていて、そのまま制服を着てしまったんです。」


と信じられない理由を述べたために、更にエリオットは追い込まれる。


シンシア「あなた…オリビアさん、『エリオット様』とは親しい言い方ですね…」


確かにAIアリスはエリオットと親しい。アリスのコピーなのだから仕方ない。


里から来た諜報員候補の3名がフエキの屋敷に到着した。


宰相に冒険者候補の者と見合いをさせたいとの伝言をオリビア経由でエリオットに送る。

オリビアには通信機能が付いているからだ。


オリビア「エリオット様、母達がフエキの屋敷に到着したようです。お見合いの手配をお願いしたいと申しております。」


エリオット「わかった。シンシア、そういう事だから宰相閣下に連絡をお願いする。」


シンシア「わかりました。でもオリビアさんはお母さんと一緒に来なかったの?」


オリビア「はい。ショコラ屋敷でカール様と面談がありましたので…」


それからシンシアに下着を手配してもらい、普通の服に着替えさせてもらった。



最初にお見合いに登場したのは、東方守備隊のあの偉そうなフランキー隊長だった。

里の女性は選ばれた以上はOKをする手筈なので、娘オリビアとともに帝国へ向け、出発して行った。


旧王都フエキから馬車に乗って、東の森ハリコフへ移動する親子3人。


共和国出身という設定だが、本人の特技によって過去の職業を調理人だったという事にした婦人だったのだが、確かに料理の腕は良かった。


帝国の奉公先では『料理の上手いお嬢様』という設定で送り出したのだが、どうやら相手貴族はおっぱい星人だったようで、お気に召さなかったらしい。


だがフランキーは上品な美しさに惹かれ、彼女を指名したようだ。

そのうえ料理上手なのだから申し分ない。


偉そうに威張る性格は、見事に鳴りを潜め、今はただただ2人を守る決意を固くしていた。


ハリコフに到着し、城壁内の宿舎に泊まる予定のフランキー。

諜報任務の事は極秘事項であり部下だった守備隊員にも言えない。

ただ、『帝国に送り届ける任務』で国境を通すようにと通達されていた。


それにしても冒険者姿のフランキーは人が変わったように終始ニコニコ顔だったため、部下からは『さすが元隊長。任務となると、あれだけの演技ができるのだ』と評価は高い。


東の森には馬車がすれ違うほどの広さの道は無い。

自分が御者であり護衛なのだ。

昼でも薄暗い森の細道をゆく。

半日を要するほどの幅がある森では、狼系の獣が群れで出てくると言われていたが、案の定、5匹の狼が出現し、馬車を囲む。


守備隊隊長のフランキー。

隊長だった事もあり鍛造剣を支給されていたので、狼ごときに負けるとは思わない。

しかし、馬車と言っても幌馬車なのだ。

中の親子が心配でたまらない。


フランキー「イブリン、オリビア!馬車から出るなよ!」


そう叫びながら、狼を1匹、また1匹と切り倒していく。

オリビアは出るかどうか迷っていたのだが、父親役の男から言われた以上、逆らう事はできない。

AIは基本、命令に逆らう事が出来ないのだ。



馬車から出られない以上、仕方が無いが、母役のイブリンが心配そうに祈っている姿がオリビアに戦闘準備を促す。


だが手に持っているのは懐中電灯。

そう、これは非常時のためにカールが考案した魔道具。

強力なライトの魔法で前方を照らし、毒付きの吹き矢を飛ばす。


AIは毒の扱いが得意だ。

毒物を食べればへそからカプセルに入れて出せるし、毒入りの水なら秘部から出せる。


馬車内の2人の心配をよそに、フランキーは5匹の狼を仕留め、証拠の牙を取っていた。


フランキー「イブリン、オリビア。もう大丈夫だ。」


そんな優しい声で幌の後ろから顔を出す。

親子が馬車から降りてみれば、フランキーも左腕に噛まれた傷があった。

左側面から喉元に向かって来た狼を咄嗟に腕で防いだからだ。


オリビア「キュア」、「ヒール」


母役のイブリン、本当の父親に成りたいフランキーの二人が驚いている。


オリビア「優秀な娘で良かったでしょ?」


フランキーは、娘にも惚れてしまったようだ。




お読み頂き、ありがとうございます。

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