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家電メーカーの技術担当が異世界で  作者: 神の恵み
第1章 カルバン王国
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第66話 鉱山町イワノフ


今度はアリスに向かって


「アリス、まだまだ開発や製造をしなけりゃいけない物があるんだけど、それはアリスに分担してもらいながら進めたい。」


アリス「わかりました。精一杯頑張ります。」


「そうか、じゃ~開発に行こう!」


アリス「えっ?」


そう言って、2階の部屋の鍵を見せた。アリスはにっこり笑って、『はい!』と返事をして私の腕にBカップの胸を押し付けてきた。




2階の部屋はごく普通の2人部屋だが、部屋風呂があるので貴族向けの高級な部屋という分類なのだろう。なんとなく新婚旅行気分だ。


「アリス、ごめんね。どうも体が大きくなったせいか、アリスを見ていると我慢できないんだ。」


アリス「えっ、そんなに溜まってるの?」


「いや、そういう意味じゃない。例えばマリリンの胸は大きくて形もきれいだけど、僕はもっと張りがあって、僕の手のひらにぴったり収まるアリスの胸が好きなんだ。」


「例えばおしりは、アリスの腰からおしりまでの曲線部分が大好きなんだ。アリスの明るい声も好きだし…」


アリスが私の胸に飛び込んできた。アリスを受け止め、そして包み込むように抱き締める。


「このアリスの耳も好きだ…」



このあとはムードも何もなく、2人とも急いで服を脱いで、パンツ1枚になって、ふたりで慌ててベッドに潜り込み、抱き合った。落ち着いてからゆっくりとキスをして、アリスの胸を触らせてもらった。アリスの胸にキスをしてから、2人でお風呂に入り、体を洗い合って、感じ合った。



そしてこの夜、初めて2人は1つになった。




翌朝早くに宿を出た。今頃の日の出は5時半ごろ。この時間に起きて顔を洗い、歯を磨き、朝食は取らない。車に酔うと困るからね。


6時過ぎには厩舎横の軽装甲車に乗り込んだ。アリスが運転したいそうだ。


アリス「なんでふたりとも後ろに行くのよ。誰か隣に座ってよ。」


私もエリオットも、後部席で『どうぞ!』と譲り合っていたら、『もういい』とか言う声が聞こえて


『キキキッ』


というタイヤ音をさせて、急発進した。でも、少しすると安全運転に戻った。湖の町バルナからオルゲイに行く途中まで、左手には湖が見えるのだ。助手席に誰も乗らない方が、アリスにとっては景色はいい。(昔ここは海だったんだ。だから貝殻も綺麗なのか…)


1時間も走ると湖は遠くなり、イワノフ山脈から湖に流れ込む大きな川に景色は変わり、次第にそれも見えなくなって、内陸の景色だ。アリスの運転で約4時間。10時ごろ200km走ってオルゲイの廃村に到着した。ここは、馬車の休憩地になっているが、人は住んでいない。


農作物もほとんど取れないらしい。村から南西方向に歩きながら、所々でゴーレム魔法を使って、ゴーレムを出現させる。分析によると地表近くは塩分濃度が低いが、深い所は濃度が高い。元は海岸だったのだから当然だ。岩塩の鉱脈って無いのかな?



昨夜に続いて、カップ麺。30分ほど休憩して、11時に出発した。山に近づくと川がある。王都周辺は全く川が無いから新鮮な景色だけど、石の橋は幅が狭くて片側通行になる。内陸には所々小さな集落がある。これも川があるからだろう。


運転を私からエリオットに交代しながら、午後6時過ぎには鉱山町イワノフに到着した。恐らくだが、300kmも無かったのだろう。次回までには、もっと正確に後輪の回転数が距離メーターに反映されるようにしたい。


地形から考えて、イワノフの手前、標高が上がるまでの地点に駅は作りたい。このまま町が発展すると、もっと下へ町は広がるだろう。駅の場所まで登って来るのはきついからね。

地形を簡単にメモしておく。



この町には軍はいない。警察のように治安維持が目的の人達=イワノフの守備隊本部を探す。フェドラ町と全く同じデザインの守備隊本部。分かりやすくていいが、基本的には領主の管理下にある組織だ。ただ、守備隊幹部は国からの派遣を受け入れている事が多い。治安情報が国に筒抜けになる代わりに、国の予算が付く事も多い。


入口から中に入ると、戦闘服とヘルメットが珍しいのか注目が集まる。カウンターで身分証を見せると、1階の応接室に通されるが、アリスとエリオットは応接室の入口の左右で外に向いて立つ、護衛の体勢だ。やってみたいお年頃なのだろう。(観察もしたいのかな?)


入口でアリスとエリオットの身分証チェックを受けて、隊長と副隊長が入ってきた。


「カール様、ようこそお越しくださいました、私は隊長のマックスです。」

「私は副隊長のハンターです。」


「情報部の依頼で来ました、カールです。」


話の内容は、シンシアの情報と同じだったのだが、『部隊はいつごろ…』という反応で、まさか3人で来るとは思ってもいなかったようだ。


「我々3人で調査しますので、明日、落盤事故があった坑道へ案内頂ければ結構です。」


隊長「承知しました。『調査には関与するな』との命令を参謀本部から受けておりますので、案内しかできませんが、よろしいですか?」


「結構です。では明日9時に再びこちらに来ますので…」


隊長「いえ、明日朝、宿にお迎えに行きますので、9時でよろしいでしょうか?」


「いや、別に迎えに来て頂かなくても…」


副隊長「いえ、宰相閣下から厳命が出されておりまして、どうか、宿でお待ち頂きたく、お願いしたいのです!」


「ああ、では9時に。」


副隊長「はい。よろしくお願いします。では、宿までご案内させて頂きます!」



(うーん…シンシアにとって大切なサポート部隊なのは分かるけど、やり過ぎだよ。報告書には『もっと自由にさせて』と書いておこう。)


この町には出稼ぎの人も多くて、宿はたくさんある。国が管理する鉱山だから、死人が出るようなひどい労働条件は存在しない。だけど例外が奴隷労働だ。でも犯罪奴隷しかいなくて、かつ、一生ではない。ひどい犯罪はそもそも死刑なので、労働刑5年とか7年とか。


軽犯罪以外の再犯は死刑。軽犯罪とは、詐欺、窃盗、過失致傷。不義密通は犯罪ではない。立証が難しいのが強姦罪だが、女性側が貴族ならアウト。偽証しても利が無いとの判断だ。でも守備隊が扱うのは平民だから、実際の運用は時代によって変わって来ているらしい。



副隊長に以上のような話を聞いて歩いていると、宿に到着した。(面白い。)明日もハンターさんが迎えに来てくれるそうだ。宿に入るが、やはり全員車にゆられて、食欲がない。自律神経系の漢方薬を飲んで、お風呂に入ったあと、すぐに寝てしまう。




お読み頂き、ありがとうございます。

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