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家電メーカーの技術担当が異世界で  作者: 神の恵み
第1章 カルバン王国
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第62話 アリス

今日も偶然、少しだけお昼休みにふさわしくない話が書かれています。


周囲環境にご注意を。(ほんとに偶然ですから。)


再びアリスの顔面が迫ってきた。


ちょうどいい高さの鼻筋とかわいい鼻。

そして、やわらかい細めの唇。


「なんて可愛いんだ、アリス」


そう言うと抱きついたまま考え事をしていた私を押し倒し、彼女が上になり、仕返しをされる。


「なんて可愛いんだ、カール」


声真似までしてくる。


そういえば、私にはまだ髭が生えてこない。

秋には12歳になるというのに。

だが、既に性経験はある。

先日、マリリンから指導を受けた成果だ。



アリスの胸を服の上から確かめる。


「触ってもいい?」


「いいよ…」


アリスのウエスト部分から中に手を入れて胸に触れると、スポーツブラみたいな物を付けていた。

どうりで少し服の上から触れても反応が無いはずだ。

このパッドが感触の邪魔をしていたんだ。


こんな行為も、アリスが私の上に乗っかっている体勢だと罪悪感は少ない。


そのしなやかな繊維の中に手を入れる。

やっぱりアリスの胸は12歳としては大きい。

ポッチとの遭遇。柔らかくて気持ちいい。


アリスも『あぁ…』と声が出て来た。


「ねぇ、どうせなら最後までしたい。」


「えー、妊娠したら、どこにも行けなくなるよ?」


「大丈夫。まだ生理が来てないから。」


これが性教育の成果か?アリスが教わった内容を知りたいと思うのは僕だけか?しばらく考えていたら


「そうかー。だったら、したくなった時にしようね。」


そう言って彼女は私の手を引っこ抜くと、さっさと設計作業に戻っていった。



7月第2週に入った。


エンジンの部品は大量には作らない。

1個1個丁寧に作り、丁寧に焼き入れして、一定範囲で組み立てして、再び部品を作る。

エンジンとして1台組み立てて調整して完成させる。

エンジンの修理は、私達でも可能かどうか分からないから、不具合がないように。


7月の終わりごろ、エンジンが8基完成した。


結局アリスの設計で、動力台車はギアだけを駆動する形になった。

つまり、あと考えるのは動力車だけだ。

エンジン2基に前進2速、後退2速のクラッチを取り付ける。

ハンドルはない。


やはり、発電機を取り付け、これでワイパーは動作させる事にした。

ヘッドライトは無し。

制作時間を短縮するため、軽装甲車の部品を外した。

火は厳禁にして、客車の扉3枚に車掌を配置して必要に応じてライトの魔法で室内の照明とした。


8月に入り、北部方面軍の偵察隊10名を使って線路の建設、王都西駅の建設をする。


私は道路をまたぐ場所の鉄橋建設を担当する。

私は意識していなかったが、日に焼けて黒くなったようだ。

『女の子らしくない』と知らない農民たちが言うが、私はうれしい。



一度組み立てて、問題が無ければ車両基地で再び組み立てる。

動力台車を4基組み立てて、今は上に乗せる貨物車をアリスとエリオットが組み立てている。

車輛は焼き入れが必要ないから、鋼鉄を練り練りして床材を成型し、シリコーン樹脂で座席シートを作っている。


客車は221系のデザインを丸パクリして、全長20m、幅3m、高さ4.5mの外観だ。

座席数64定員200名、窓枠機構、荷物棚、移動式背板。

但し、ドアは片面3枚式で手動開閉。

ロックは扉の所にいる車掌がロックを掛ける。

開ける時も同じだが入る時にギルドカードで料金を引き落とす。


貨物車輛は、客車と同規格で座席を外し、窓をなくしただけで、全長20m、幅3m、高さ4.5mと外形寸法は同じだが、3枚の扉は開閉範囲を広く拡張した。


最後が動力車だ。


3200ccエンジン2基を同時稼働して、クラッチ操作は単なるスイッチだ。

今回発電機を最初から搭載するつもりだったので、クラッチ板の離接も、指定ギア位置への移動も、小型モーターで動作させている。

このような電気回路は私カールだけが設計できる独自の知識だ。


「カール様、すてき!」


私はこの言葉欲しさに頑張る単細胞動物だ。

しかし、実際に動力車、客車、貨物車、動力車を連結してみると、やはり色々と改善点が出てくる。


動力台車の燃料は圧力の低いガス状で充填して、切れれば停車駅で再充填の仕様だが、起動セルのゼンマイは手巻きからモーターに改良した。

電灯は採用するつもりは無い。

電球が振動に弱くて、切れやすいからだ。


駅に入るのは、入場料金が必要で映画館のように、入口改札でギルドカードで引き落とす。


到着駅では車輛を出るのは無料だが、出口改札でカード情報を読み取って、駅構内の潜伏、途中からの乗り込み、しがみつきを検知する。


実は有刺鉄線を開発しているので、3mの高さがある線路ではあるが、線路わきを鉄条網で守ろうかとも考えている。

(ケチなのではなく、テロ対策だ。)





8月第2週。早く試験走行に持ち込みたい。


基本はフェドラ町⇔王都西駅⇔車両基地。



車両基地から王都西駅までは線路も完成した。

動力車のエンジン2基を起動する。

正常運転と言ってもタコメーターは付いてない。

音による判断であり、このエンジンを高速回転させるつもりもない。

動力は駆動輪2輪と、アプト式歯型線路に掛かる。


客車と貨物車のセルスイッチを入れ、駆動台車4基がアプト式歯型線路を蹴る。

クラッチを1速にして、始動した。

ゆっくりと動き出す『七曜鉄道』。


慣性力を使って、王都西駅へ進み、駅の1番ホームに入る。

単線での運行だが、車両故障も考え、駅には2番ホームもある。


車輛強度や車掌の事もあり、片側にしか扉がないため、駅は降りる人と、乗る人のホームは分けなければならない。


だが、車両の両サイドに動力車を連結する方式のため、1輌30トンの車輛を2つ繋いでも、直線で水平を心掛けた鉄路は、計画通りに試験を終えた。



宰相に計画書を提出した。

七曜鉄道の運行計画だ。

試運転は第3週まで。

以降は商業運転で2日で1便。


たったの423kmの1区間のみ。

時速60kmだと7時間ほど。

線路わきに鉄条網が完成すれば、時速80km運転も可能かな…。


料金は宰相にお任せしたが、思ったよりも高かった。

馬車輸送がそもそも高いので、比較で高くなってしまうが、いまある産業を潰すのも困るのだ。




お読み頂き、ありがとうございます。

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