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家電メーカーの技術担当が異世界で  作者: 神の恵み
第1章 カルバン王国
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第60話 ローガンへの疑惑

内容を再度見直ししながら、投稿しています。そのため開始時間がバラバラで申し訳ありません。

今日も、暇つぶしになりましたら、うれしいです。


「次は、軍の組織、研究所に所属して色々開発して儲けていた事だけど、もちろんお金は大切で、今までの行動に間違いはない。でも宰相に睨まれたら逃げられないと言われていた私に、マーガレットが噛みついた事だ。」


「これは大きなチャンスだ。貴族にとって、してはならない侮辱をしたんだ。彼らのルールに従えば、決闘ものだけど、どちらも殺す訳にはいかない。そこで僕は宰相の手から離れる決意をした、という訳さ。」


「だけど、今後のこともあって、改めて契約を結ぶ事で武器を供給しても良い、と言ってある。但し条件は、『私が認める場合に認めた相手に』という条件にする。恐らく、これで決着を付けられるだろう。」


「問題は、このあとの事だ。当面、武器屋としてこの屋敷の一角を使い、お金を稼いで満足しているように見せる。でも安心して暮らせる場所も欲しい。だって私達6人にも家族ができるだろう?」


ジャック「できるかなー?」


「例えば、北の国。そこは3男一族を殺してまで欲しい場所ではない。」


「場所や国で無いなら、組織?国境に縛られず、戦争に参加しない組織。現状では、冒険者ギルドか教会だろう。」


セバス「つまりカール様は、この6人の安寧の地を得ようとしている訳ですな?」


「その通りだよ。あっ言い忘れていたけど、組織の印は、この軸受け印『七曜しちよう』だ。」


「レナは7月中に2年と3年の終了試験を突破して、9月に4年の終了試験を突破できると姫の行く所全てに潜り込む事が可能になるでしょ。それを目指して。」


レナ「はい。」


「僕とエリオットは7月中に2年の終了試験を突破して、9月には3、4年の終了試験に挑戦するから。」


「了解」



とりあえず、この日の打ち合わせは終わった。そして、この後我々が戻った事を防壁の守備兵からの報告で知ったのだろう。宰相からの迎えの馬車が来た。


いつもの執務室での面会だが、人払いがされた。


宰相「娘の失言、申し訳ない。」


「頭を上げてください。マーガレットだから、いつかはこんな日がくると思ってたでしょ。」


「聞かれる前から言っておきますが、鉄道車輛については、総合商社を立ち上げて、開発と販売は継続します。ダグザ武器店は消滅し、商社『七曜』を立ち上げます。これが契約書です。関係部門で書類の確認をして頂き…」


「あー いきなりサインしちゃだめですよ。信用ってそういう事じゃないんですから…」


宰相「せめてもの償いという事だ。それと王太子が随分と大人になってきたみたいだな。侯爵さまが自慢してきてうるさいらしい。王妃さまも『この程度の話しで喜んでどうするのです』と息子に怒られて喜んだそうだ。」


「そういう約束は全部達成したので、辞任しただけですからね。」


宰相「ま~確かに、やるべき事はちゃんとやってるな。さすがだ。」


「少し気になる事があるのですが…」


宰相「なんだ、言ってみてくれ。」


「どうもマーガレットの夫、ローガンという男が気になるのです。」


宰相「で、詳しく。」


「私はフェドラ町の生まれ。幼い頃から父が守備隊にいて、あの町の事はそれなりに知っているのですが、『剣の達人』など聞いた事はなく、突然現れた印象があるのです。しかも父親で王国軍だった軍人ですが、周囲の者の話では、結婚した事はなかったそうです。」


宰相「……」


「ただ、マーガレットに惚れているという事は間違いないでしょう。しかし、マーガレットの救出劇が、あまりに出来過ぎている事。それに…」


宰相「それに?」


「怒りませんか?」


宰相「何だ、急に…怒らんから言ってみなさい。」


「熱心にプロポーズしたまでは良しとして、怪我から復帰した僅か3日後に、礼だからと誘われた食事の日の夜。二人は関係を持ったようです。」


宰相「なに!」


「いかにお酒に酔ったとは言え、公爵家の娘。恐らくは奴が…急がねばならない理由があったはず。そう考えるのが自然なのです。」


宰相「チッ…それで、もう自分は平民になって嫁ぐと言ったのか……」


「閣下の影、イザベラ達に調べさせては如何です?私の推理では、恐らくノロ共和国からの侵入者かと。だとすれば西の海から来たはず。」


宰相「西の海を渡ったと言うのか?」


「さすがに鉱山町イワノフを越えて来たというのは無理があります。だとすれば、海から来たとしか考えられません。元々、南の大きな湖を渡って来たではありませんか。」


宰相「確かに…確かにそう言われればその通りだ。だが目的は何だ。分かるか?」


「いえ、私にもさっぱりです。」


「ローガンに渡ったのは鋼鉄剣。だが彼は砦守備隊の隊長なのに38式歩兵銃を使いたがりませんでしたが、返ってそれも不自然。もしかすると、何挺かが行方不明になるかも知れませんね。急ぎましょう、砦の西側に共和国のアジトがあるかも知れません。」


宰相「わかった。ではこれで失礼するぞ。」


そう言うと、以降の面会を全て中止とし、すぐに伝言鳥を魔術師に指示して飛ばした宰相。

この人とはうまくやって行けそうな気がするのだが…




お読み頂き、ありがとうございます。

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