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家電メーカーの技術担当が異世界で  作者: 神の恵み
第1章 カルバン王国
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第4話 武器屋の跡取り候補


そうは言ってもまだ5歳。ものになるのは15歳の成人の頃じゃないかな?と思うのだが、早速5歳の子供に、今は使っていない裏の作業場を見せてくれた。曾祖父のケインお爺さんが武器を手作りしていた工房だが、今や武器も量産できる時代だそうで、兵隊には量産品が支給されるため、主な顧客は冒険者に様変わりしているとの事。



ダグザお爺さんが言うには、鉄の色の変化を理解しなければいけないらしいが、何度ケインお爺さんに教えてもらっても、『鉄の色の変化が自分には見えなかった』と言っていた。人間の目の組織には、明るさを判断する数多くの細胞と、色合いを判断する少数の細胞があって、これらの組み合わせによって、色を判断している。



色合いを判断する錐体すいたいという細胞には、タンパク質の違いによって赤と青と緑を感じる細胞の種類があるのだが、この細胞の働きによっては特定の色が判断しにくい『色弱』という特性が生まれる事もあるらしい。



できれば、目視で鉄の温度を判断するのではなく、センサーが作れればいいのだけど…。

光の波長で表現するなら、赤は700ナノメートル、緑は546ナノメートル、青は436ナノメートルの波長の光なのだから、どの波長の光が出たら、炉から出すとか…波長が分かるゴーグルでもあれば何とかなるのでは?…と思ってしまう。



ダグザ「カール坊…カール坊! 大丈夫か?ぼーっとして…」


(しまった! 5歳の子供が考える事ではなかった…)


「大丈夫です! それよりダグザさん。私も『お爺さん』という言葉をうしろに付けませんから、ダグザさんも『坊』というのは、やめてくれませんか?」



ダグザ「はっはっはっ! 面白い! お前は何者だ?」


「私は鍛冶師です!」


ダグザ「なるほど!確かにそうだな。では、今以降は一人前の鍛冶師として話をする事にする。それで良いな?」


「ありがとうございます」



こうしてお爺さんと孫の関係がスタートしたのだが、さすがに5歳の子供に店番はできない。カールの希望によって、工房の掃除や武器、防具などの名前や価格などを自分でメモを取りながら、体力作りに励む事になった。



曾祖父のケインが愛用していたという槌を振るう事から、と思ったのだが、振るうどころか持ち上げる事すらできない…。どうやらこの工房での体力作りは難しいという事のようだ。


「ダグザさん、体力作りにふさわしい所ってありますか?」


ダグザ「そうさなぁー 冒険者ギルドでさえトレーニングの参加は5歳では無理だろう。2階の資料室で勉強するのと、訓練場の走り込みぐらいなら大丈夫じゃないか?とりあえず登録しにいくか?」


「はい。」


冒険者ギルドはダグザ武器店から5分も掛からない。お爺さんに連れられて、ギルドの受付に行く。



受付嬢「ダグザさん、いらっしゃいませ。お孫さんですか?」


ダグザ「おお、さすがトレーシー。自慢の孫、カールだ。小さいが『鍛冶』の加護持ちだぞ。」


軽く会釈はするが、無口キャラに徹しておこう。



ダグザ「冒険者ギルドに登録すれば、資料室やら訓練場は利用できたかな?」


受付嬢「はい、大丈夫です。それに加護持ちでしたら受託義務免除の優遇もありますから、失効する心配は要らないですね。」


受付嬢「どうされますか? 登録料として銀貨5枚が掛かりますが。」


「加護の内容は見えるのですか?」


受付嬢「はい。加護の内容は、この魔道具に記録されますけど、ギルドカードに記載するかどうか、公開するかどうかは、自由です。」



私は登録をお願いするように、お爺さんの顔を見た。



ダグザ「どうせ大きくなれば登録するのだから、いつ登録しても同じだろう。じゃ、登録料銀貨5枚。」



受付のトレーシーさんから登録用紙を受け取って、カール、フェドラ町、鍛冶師と記入して渡した。


記入内容の確認が終わると、『水晶に手を置いてください』と言われ、トレーシーさんは魔道具を覗き込む。しばらくしてトレーシーさんの目が大きく開き、ダグザお爺さんに目で確認を促したようだ。


ダグザお爺さんも、カウンターへ身を乗り出し、魔道具を覗き込んでから、


ダグザ「カール…加護が3つも表示されておるぞ…」


と小声で訴えてきた。もういいだろうと水晶から手を離し、


「ギルドカードへは、『加護の内容は表示しない』でお願いします。」


受付嬢「わかりました。少々お待ちください。」



私とダグザお爺さんは、ギルドカードができるまでの間、食堂エリアで休憩して待つ事にした。


私「加護を3つ持っているのが珍しいのは分かるけど、訓練しないと結局は何も作れないし、何もできないからここへ来たのに…騒がれるのは嫌だなー」


ダグザ「確かにそうだったな。錬金の加護もあるなら先に薬の調合やポーションの作成やらにも挑戦するのがいいかも知れんな…。」


「ポーション作成って、確か魔力を使うんじゃない?」


ダグザ「魔道具には魔力も表示されてたじゃないか…確か240とか…」


「うわー しっかり見てたんだねー」


ダグザ「自慢の孫だからな…」


「まだ5歳になったばかりなんですけど…」


ダグザ「これからは『錬金術師』として扱うかな?」


「いや、まだ何もできませんって言ってるでしょ?」


ダグザ「そうだったな。忘れておったわ。」



受付嬢のトレーシーさんが、ギルドカードをくれると同時に、『マスターの部屋にご招待』と言って来た。ギルドあるあるだね。


鍛冶と錬金、そして分析という3つの加護持ちという珍しい存在なので、ご招待された訳だが、私は『曾祖父のケインの能力を受け継いだのだろう』という推論で押した。これには皆が納得したのだが、『分析』が何だか分からない。



私は加護の詳細は知らないという事にした。何しろ今は何もできない状態だから、訓練と学習のために冒険者ギルドに登録したのだ。ギルドマスターもそれには同意した。何しろ相手は5歳なのだ。難しい事が分かるわけはない。訓練や学習について最大限の協力をすると約束をもらって、その日は帰った。




お読み頂きありがとうございます。

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[気になる点] 台本書きはなにかこだわりがあってのことでしょうか。 なろうではあまり見かけない形式なので読み辛いです。 [一言] 設定には惹かれたので、一般的な小説の形式であれば読み進めたいです。 軽…
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