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家電メーカーの技術担当が異世界で  作者: 神の恵み
第1章 カルバン王国
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第2話 女神フィアナ

3作目の投稿なのにサブタイトルはどうするんだ?とか、短編で投稿してしまい削除はどうすれば?と、第1話投稿は大変なドタバタでした。よろしければ、引き続きお読みください。


翌日、私の頭痛は相変わらずであったが、神官も私の状況に関心があって、5歳で確認する『神の加護』を見てみようと、水晶を使った診断をすることにしたようだ。



神官「カール君、この水晶に手を置いて、神に祈ってみてください」


「お祈りは何と言えばいいのですか?」



「心の中で、女神フリアノンさまに加護をお願いするのですよ」


「わかりました…」


そういって水晶に手を置き『女神フリアノンさま…私に加護をお与えください…』そう心で祈ると、目の前の景色が白に変わり…


男神「あーあ……」


女神「違うんですけど……」


と、怒った顔をした女神の姿が見えた。


「フリアノンじゃなくて、フィアナなんですけど!」



「えっ? 失礼しました! 女神フィアナさま!」


そういえば、教会の女神像はもう少し面長な美人顔だったが、フィアナさまの顔はもっと若くて小顔。可愛いタイプだ。


「あはは。可愛いだなんて…嘘のつけない素直な子ね」


「えっ! 私の心を読んでるんですか?」


少し表情が柔らかくなった女神さま。

「いいえ。心を読んでるわけじゃなくて、ここに居れば自然に分かってしまうのよ」


女神の隣にはこれまた完成された姿の男神がいた。

「それはともかく、あなたの一族は以前の世界で神の神託を受け、様々な潜在能力を持っていたようだ。その多すぎる能力のせいで頭痛がしているみたいだね。」


「潜在能力?」


「まー 発現していないのだから本人が気が付いていないのも当然。そこで北方蛮族からの守りの戦闘能力は残し、必要の無い潜在能力を消去して頭痛を解消しようと思うのだが、どうだ?」


「それは助かります。ですが出来れば生前に持っていたエンジニアとしての能力は継承できませんでしょうか?」


それを聞いて、女神は『エンジニア?』と言いながら、何やら機器を操作している…。調べているのだろう。『分析力、コミュ…ニ……ケーション能力?と忍耐力ね?』


「まーそういうものも必要ですが、もっと直接的には、機械を作る能力と言えます」


私は総合電機メーカーのエンジニアだったので、システムエンジニアやソフトウェアエンジニアとは異なる。機械エンジニアに該当するのだろうか…


操作している機械から何かを見つけたように画面を指差す女神。

「あー 分かったわ! 鍛冶ね。」


まー簡単に言えばそうだが、摩耗や金属疲労などの『劣化』という素材に密接な要素知識も持っていたし、制御ソフトや特に自己診断プログラムが得意だった。それを思い出していると、


意識を共有している女神がこめかみに指を当て

「あー かなり高度な技術をお持ちだったのですね…では、錬金と分析のスキルも差し上げます。」



そういって、潜在能力を整理してくれたようで、すっかり頭痛は感じなくなっていた。



「最後に、この魔法陣に関する本が呼び出せる指輪を渡しておこう。だが、体が大きくなるまでは無理に覚えようとする事は避け、考える行為を推奨するよ。脳の発達に役立つからね。それと、その指輪には記憶機能も付いているから利用すると良い。」


この男神さまは、声も声優さんのように低音のカコイイ声だ。


「ありがとうございます。」


でも、この指輪どうやって持って帰ろう?このまま手に握っていれば持って帰れるのかな?と考えていると、


「あっそうね…ではこの便利袋を腰ひもに付けてあげますね。はい、指輪は中に入れておきましょうね。これでも家庭用ゴミ袋ほどは入るのよ。じゃー、元気でね…時々会いましょうね…」


「では、元気でな…」


そう言われて、意識が教会に戻った。現実には時間が経過していないようで、神官の女性がしばらくしてから、私に


「どうですか?お祈りできましたか?」


「はい。鍛冶の加護も頂きました。」


「それは良かったですねー。まー5歳でダメでも10歳のお祈りで加護を授かる場合もありますからね! 顔色も良くなったみたいですね!」


「はい! 頭が痛いのもすっかり良くなりました!」



そんな会話のあと、神官の女性に家まで送ってもらった。

カールの記憶では、家はいわゆる官舎と呼ばれる守備隊の団地で、防壁から近い北東の場所だったはずだ。

教会からは中央広場を経て北大道を30分ほど北へ行った所だ。


大道から1本東側の裏道を、ゆっくりと歩くと2階建ての建物が見えてきた。

建物に扉が4つ付いていて、確か2番目の扉が自宅だ。

記憶によると、各住居に4~5人は住める。

1階は台所、居間、トイレ、お風呂!2階が寝室2つと物入れがあった。



「さあー着いたわよ。」


神官さんは木の扉をノックして家族を呼び出した。中から出てきたのは母エルマだった。


「これは神官さま、ありがとうございます。どうぞ中に入ってください。」


そう言われ、中に入った神官さんは、昨日からのカールの経過と現状の診断結果を母に話して、早々に戻っていった。



とにかく今日は私の5歳の誕生日。

だが、すでに時刻は昼に近くて、朝からスープを少し口にしただけでお腹が減っていた。

簡単な朝食の残りを母からもらい、当分は安静にしているように言われて自分の部屋のベッドで横になった。



時間の経過とともに、神山としての記憶は薄れ、知識はより鮮明になってきた気がする。

バツイチカップルと呼ばれた家内の顔は浮かぶが、娘の顔が出てこない。

私を家族だと認めてくれた時の喜びは蘇ってくるのに…。





あらすじ?…まだ作ってません。

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