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家電メーカーの技術担当が異世界で  作者: 神の恵み
第2章 AIたちの安寧の地
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第155話 憑依の受け皿

お読み頂き、ありがとうございます。


投稿は今回からしばらくの間、お休みさせて頂きます。

元々筆が遅い事もあり、ストーリー展開で5話くらい遡って修正する場合があり、ある程度溜まってから、投稿を再開するつもりです。



王国歴 265年4月第4週


ヒョウゴの住民は、キョウト、オオサカに移住した者達に次いで、最もちからの無い者達であった。


だからこそ1人1日銀貨1枚の公的支援を昨年10月から実施してきたのだ。


石ころパン5個銀貨1枚。

ザワークラウト梅酒の瓶サイズ銀貨2枚。

(容器が銀貨1枚)

夫婦2人だけよりも、子供がいれば楽になるようなセイフティーネットだ。


そして公設市場を中心とした商業力の強化に取り組んできた。


これからは失業対策としての農業従事者の雇用が必要だろう。


これから東西南北の住んでいない家を取り壊し、農地に変えて食糧自給率を上げなければならない。


一方、子供たちには教育が必要だし、自衛のための戦闘力も必要だ。


4歳から6歳:幼稚園のような?

7歳から9歳:読み書き、計算、運動?

10歳から12歳:体術、護身術?


これらの課題を甲賀衆に投げて、考えてもらおう。




いつもそうだが、熱中すると周りが見えなくなる。

私の悪い癖だ。


AIカールとリンクをして、久々に海軍省のセバスに連絡を取った。

なにも問題は無いのだろうか…、船長、機関長、機関士、航海士、網師たちは育ったのだろうか…


「セバス、小型巡視艇の乗組員は、どんな状況かな?」


セバス「昨年9月から半年、ようやく3隻の巡視艇がさまになってきました。」


「そうか、計器類の運用訓練も兼ねて、試験航海を考えてくれ。」


そう言って、連絡を待つ事にした。




さて、残った難題は、地球からセイトに来たという、現在憑依中の魂の救済だ。


まず、どうやって見つけるのか。

セイト市にいるとの情報だったが…



再び、二条城の本丸御殿にやってきた。

私達しかいないが、アイは入口で警戒モードだ。


まずは神に祈る。

正座をして


「神様…神山武志こうやまたけしでございます。」


「神様…地球から来た魂の見つけ方をお教え頂きたいのです……」


「神様……」




男神「いま地球神は、この世界には来ていないようだ…」


「あっ男神様…地球から来た魂の情報は、何かありませんか?」




男神「少し待て……地球から来た魂は……名はイサオ。」


男神「港町セイトで町医者ケネスの義理の息子コルトンに憑依しているようだ。」


男神「王国歴259年生まれ、現在11歳。虚脱状態だった体を強制的に動かしたようだが…」


男神「高次脳機能障害、および、遂行機能障害を起こしているようだ。」



指輪の知識によると、脳の機能には、「一次機能」と「高次脳機能」がある。

一時機能は目や耳で感じた光や音を脳に伝える知覚(入力)であり、脳の命令によって手足を動かす運動(出力)である。


高次脳機能は、一次機能を連合することにより、それまで経験した知識、記憶や言語を関連づけて理解する「認知」。

それを言葉で説明する「言語」。

新たに記憶する「記憶」。


目的を持って行動に移す「行為・遂行」

社会的な行動ができる「情動・人格」



などの能力なのだが、本来の魂が知らぬ「記憶」や本来の魂が望まぬ「行為・遂行」により、高次脳機能に混乱が見られるらしい。


当然、『自分で計画を立ててものごとを実行する』遂行機能も混乱している。


いわば船頭がふたりいる二重人格状態なのだ。


男神「助けるためには魂の入れもの、魂の無い体が必要となる。」


男神「君にピッタリの任務だな…。」



そういう事か…。

魂のないAI人形。


男神「参考だが、フィアナは『生理的に嫌な感じがした』と言っていたよ。」




イサオが操作しても問題がない人形を作らなければならない。


指輪の知識からいえば、脳幹部:呼吸、循環など生命活動の基本的な営みを支配する部分をAIが担当。


小脳:筋や腱、関節からの深部感覚や内耳からの平衡感覚。

運動の強さや力の入れ具合、バランスなどを計算して調節する運動調節機能。

これもAIが担当する。


そしてイサオが、高次脳機能を担当すればいいのだろう。



早速、取り掛かろう。


骨格は、エンジニアリングプラスチックと呼ばれる2液型で混合したエポキシ樹脂を使用した。ICのパッケージに使用される材料だ。


寸法安定性、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性が高いので安心だ。


関節にはモーターを使用せず、シリコーン樹脂の筋肉のみで動かすが、各CPUをつなぐため、やはり骨格内部に配線を通す。


アイたちと違って、より人間に近く作らねばならない。

まずバイタルユニット。

脈拍、血圧、呼吸、体温が測定されても良いようにする。

心臓ポンプから赤色中粘度液を36℃~37℃で血管に送り、胸部隔膜をゆっくり動かす。

この中粘度血液は空気に触れると凝固する。


血管の詳細データは伊賀衆の女の子をスキャンしよう。

心音が必要か…。


毒物をカプセルで排出するわけにはいかないが、消化器系は無し。

摂取した物の分析はできるようにしておく。


摂取した物は、水分と固形化したものに分離し臀部で保持するが、排出時に固形を水分で押し流す、鳥方式。

これだと、便秘の心配はない。


今回はすべての毛を、50ミクロンのタングステンワイヤーに金メッキして、シリコーン樹脂でコーティングしたものを採用。


見事な金髪だ。

本当の人毛に近くするには、ポリエステルやナイロンが必要なのだが、作れない。


途中で大人に変更はできないので、18歳くらいにしておこう。

名前が必要なら、リンダ。

164㎝、47㎏。

86、54、88くらいか…Bカップ。


知的な美人にしておこう。







お読み頂き、ありがとうございます。



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