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家電メーカーの技術担当が異世界で  作者: 神の恵み
第1章 カルバン王国
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第13話 フィアナ女神の像

簡単な『あらすじ』を書いて、前回の前書きに記入してしまいました…。ミスばっかり…。


結局、鋼鉄剣は王国騎士団と守備隊隊長、副隊長、小隊長までの支給となった。

あとの兵士には、軟鉄である鋳鉄剣の鉄密度を改良した鍛鉄剣を支給する事になった。


「あー もっと儲かると思ってたのになー」


「充分だろー、鋼鉄剣350本、1本金貨30枚で合計金貨10500枚だぞ」


鍛鉄剣は何本になるのか、最終の数字は分からない。

1本金貨10枚。

こちらは鋳鉄剣からの改良作業で、とりあえず守備隊の人員は3000名くらいは居るだろうか。


旧支給品の鋳鉄剣を素材として回収し、鍛冶屋で叩いて炭素量を減らせば鋼鉄剣の材料になるし、そのまま練り練りして密度を上げれば鍛鉄剣になるのだ。


今月の鋼鉄剣200本を作り終わり、余力で鍛鉄剣を15本作った。

鋼鉄剣の納品をダグザさんにお願いした。




翌日、朝起きて、いつものように冒険者ギルドに行き、ランニング、腕立て伏せ、腹筋をやってから、木剣の素振り、守りの型を練習する。

シャワーを借りて汗を流したあとは、昼食に肉を食べる。

これが最近のルーティンだ。


ダグザ武器店に出勤して、鋳鉄剣を15本練り練りして鍛鉄剣に改良して、サマンサ魔道具店に王都から戻った事を報告に行った。


すると王国魔術師団の人員が町に3人駐在として赴任してきたと聞かされた。

同時に魔術師団のロバート団長から、サマンサさんに手紙を持ってきていた。


失踪の原因は、やはり一人娘のエリカさんとの同居を希望していたのだが、『規則だから』という一言でフェドラ町に戻る事も、娘エリカを王都へ呼ぶ事も却下されていたのだった。


今回の失踪による制裁は無く、個人的な人脈ルートでも、帰還を呼びかける努力がされている。


組織の柔軟な運用を証明するためにも、各町に王国魔術師団の人員を駐在させると共に、伝言鳥による緊急連絡網を構築するためだそうだ。

伝言鳥は魔術師が使う、短い伝言を鳥の形で飛ばせる魔法だ。



「もしかすると、サマンサさんの連絡の手伝いもされるのですか?」


「はい。カールさんが王都へ移住できるように、その準備という事です。」


なるほど…。派遣された魔術師は明るい気さくな人のようだ。


サマンサさんんも笑顔で


「カール君が宰相閣下に、お願いしてくれたんだってね。」


「いえ、私が王都に行きたくないので、断る言い訳として、ナンシーさんとエリカさんを探してほしいと言っただけです。」


「素直じゃないね~。王都へ行って『王立学園』に入学できれば、いろんな事を勉強できるし、第一、宰相閣下に目を付けられれば、もう逃げる事なんてできやしないよ。」


宰相からは逃げられない…か、少し困った。


「そうなんでしょうね。」


「そうだ、ちょっと待っててね。」


そういってサマンサさんが奥に引っ込んで、何かの本を持ってきた。


「これは昔、私が使ってた教科書なんだ。書いてある事は古いけど、歴史みたいなものは変わらないし、今でも通用するものは多いからね。」


「えっ、サマンサさん、王立学園に行ってたんですか?」


「いや、私が行ってた頃は『フリアノン学園』という女子校だったんだよ。今は共学になって庶民だって、試験に合格すれば入学できるんだよ。いい時代だね~」


「あはは。でももうフリアノンという女神さまはいないですよ。」


「なに言ってんだね!罰当たりな。」


「いやいや、今は『フィアナ』という女神さまですよ。えーと、こんな姿の可愛い女神さまです。」


そういって、銀粒を練り練りして鉛をナイフで削り落とし、記憶にあるフィアナ女神の像を錬金で形作った像を見せた。


「えっ!あんた、女神さまに会った事があるのかね?」



「あ、はい。その時に加護を3つ授けて頂きました…」


「なるほど…納得したよ…。確かにそんな事でもなきゃ加護3つも授かるはずがないものね。」


ふと見ると、魔術師団の人があわてて伝言鳥を飛ばしていた…。



これで私には、『フィアナ女神』という後ろ盾があるという都市伝説ができるだろう。

大人になれば、各地の教会に行き、フィアナ像を寄進して教会を味方に付ける計画なのだ。



「ありがとうございます」


「いつごろ王都へ行くつもりだい?」


「10歳になってからのつもりです。ダグザ武器店を王都に移転させないといけないですし、そのためにはもっと資金が必要ですから…。僕は本当に武器店の後継ぎですから。」


魔術師団の人は再び伝言鳥を飛ばしていた。



今夜が魔道具店での最後のお泊りだ。

魔道具はたくさん作っておいたからね。

翌朝、サマンサさんが用意してくれた朝食のスープと硬いパンを食べて、魔道具店を出る。


「サマンサさん、お世話になりました。ありがとうございました。」


「便宜上、武器屋に行くだけ。あんたが魔道具を作るようになったら、またここに泊まりなさい。いつでも歓迎するからね。」



そう言って、見送ってくれた。


この日もいつも通り、冒険者ギルドに到着し、ランニング、腕立て伏せ、腹筋、木剣の素振りが終わったころ、ギルドマスターが訓練場に降りてきて、守りの型を見ていた。


「守りの型、さまになってきたな。ちょっと模擬戦をやってみよう。」


そういって、タイガーさんとの模擬戦が始まる。


確かに守りの型は身に付いているようで、タイガーさんの打ち込みを躱したり、剣を合わせたり、足さばきも自然と動いている。


だけど、剣の速度を上げて切り込まれると、ギリギリで躱す事が怖くて、自然な動きが出来ず、固まってしまう。


「本当に打ち込まれる、叩かれるという事に慣れてないと、恐怖心が勝ってしまうようだね。怪我はさせないから、剣を合わせる事を中心にやってみよう。」


そう言って『必ず剣を合わせる』という目標で、模擬戦を行う。

そして時々、軽く僕の体を木剣で叩く。

痛みより、驚き、恐怖心が強かった。


『明日から、この模擬戦も入れて訓練しよう。』そうタイガーさんは言ってくれた。


王都に行く前までに『恐怖心で体が動かなくなる』そんな事がないようにしたいと心から思う。




今日は先日受け取った350本分の金貨をギルドに入金しておく。

合計残高は金貨10875枚。

ポーションやらの納品で金貨575枚も稼いでいたんだなーと感慨無量。


今日もお肉のランチを食べて、ダグザ武器屋に向かった。


お読みいただき、ありがとうございます。

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