第114話 ポルトランド制圧
王国歴 263年6月第1週
ポルトランドに戻り、オリビアにリチャード家を、アイにチャールズ家のようすを探るように指示をして、ムサシには単騎、東方方面軍に置いてきた装甲車を取りに行かせた。
3日後、装甲車に保管してある戦闘服に着替え、38式改造自動小銃+38式実包弾を装備してリチャード家の屋敷に突入。
音響閃光弾で動きを制し、当主は拘束、それ以外は全員射殺。
別邸の周辺隊(全5名)を旧王都フエキの屋敷に逃げるように指示した。
所要時間は1時間。
次いで、チャールズ家の屋敷に突入。
既にほぼ眠っていたため、当主は拘束、それ以外は全員毒殺とし、旧王都フエキの屋敷経由、鉄道で王都のアリス邸に行くように指示を出した。
リチャード家の周辺隊には、フローレンスの周辺の面倒をみてもらい、チャールズ家の周辺隊にはアリスの面倒を見てもらおうという考えだ。
はっきり言って、無能な3男一族に彼らを返すつもりは無い。
苦労してこの帝国で虐げられた生活に耐えてきたのだ。
これからは七曜商事の一員となって、将来展望が開ける生活を送ってもらいたい。
それと、私の一族に加わってほしいという本音がある。
どちらの周辺隊も人員構成は同じで、妾、メイド×2、下働き女、執事兼護衛の5名体勢だ。
執事兼護衛に御者をさせて、幌馬車に4名が乗る。
お尻の痛い行程だが『慣れている』との回答だった。
これで一件落着。
通信設備はポルトランドは中継機能を果たせば良いので、今回、オリビアも一緒に帰る事になる。
宿は2人で仲良く経営してもらおう。
フランキーとイブリンにオリビアが戻る事を伝えて、任務は引き続きよろしく頼むと言っておいた。
途中で周辺隊を追い越し、フエキの屋敷に戻り、周辺隊5人が屋敷で、もう1組はショコラに行く事を伝え、屋敷の敷地から少し離れた場所に宿泊施設を建てた。
これは私が趣味で使う別邸という事にしてある。
この別邸の地下にシリコーン樹脂の防音室を2室作ったのだ。
そこにリチャード家当主とチャールズ家当主を別々の防音室に閉じ込めて、昼はセバスが
「なぜ帝国の貴族だと偽ったのか」
「なぜ北の国の女性達を妾に要求したのか」
「なぜ北の国の女性達を騙したのか」
「なぜ反省もしていないのか」
この質問をしたあと回答の有無、内容の如何に関わらず、体のあちこちに電気ムチを押し当てる。
気絶をすると水を掛け、火であぶり、起こすのだ。
これを時間のある時に、ふらりとやって来ては繰り返す。
私達は昼間に仕事をしている。
急遽、装甲輸送車の製造に取り掛かった。
この車は帝国との貿易に使用するための車なので、後部は貨物仕様だ。
私とアイが部品を作っている間に、ムサシとオリビアは南方方面軍に行き、砂漠地帯のワーム退治をして、タイヤ材料を確保する任務に出ていた。
夜になって、私とアイが風呂に入り、いちゃラブが終わってから、アイとセバスが交代する。やる事は同じ。
1部屋が終わるともう1部屋。
これを見回りや監視モードの合間に朝まで繰り返していた。
オリビアとムサシは装甲車で走る。
旧王都フエキから砂漠の町ボルスキーまで約470km。
昔との違いは、彼らは車酔いをしないし、夜間も走れるのだが、この区間を走るのは2人ともに初めてであり、安全速度50kmで走るため、朝9時に出発して夜6時までが限界だ。
もう少しで砂漠の町ボルスキーに到着するのだが、交通事故を起こさないためにも、夜間走行は禁止されているため、途中の草原でキャンプしながら周辺の状況を監視する警戒モードに入っていた。
特に周辺に異常はなく、警戒モードが解除になるのだが、ともにお茶を頂く習慣も必要もなかった。
そこで、オリビアがあれの練習をしないか?とムサシに迫ってきた。
男性AIはムサシ以外にいない、初めての存在なのだ。
オリビアは教えられた篭絡モードに入る。
甘い声を出してムサシに絡みつき、服を脱がせ始めた。
二人は意識していなかったが、この場所は南方方面軍の電波塔から20kmの距離。
十分に電波が届く。
しかもAIはみんな夜間眠る必要はなく。
各拠点で警戒モードに入っていた。
感覚共有はアイにしか装備されていないため、オリビアとムサシの5感は別々のデータとしてアップされるため、逆に、シルエットとしてCG化が可能であった。
両者ともにそのような行為が可能なように行動プログラムは作られているが、両者ともに相手の反応によって自らの行動の選択肢が決定されるため、両者ともに冷静な表情では、行為開始時から先のステップの感情表現には移行しなかった。
技術的な問題もあり、皮膚表面の触感は忠実に再現できているものの、膣内部の感覚機構は搭載されていないし、ムサシも快感を得る仕組みは無い。
従って、オリビアの分泌液出力とムサシの勃起開始までは正常に動作したのだが、正常な行為終了判定には至らなかった。
この夜の2人の感覚データ(触覚と聴覚)に基づいた行為のCG化によって、2人のシルエットがCGで再現されて、AIには脳内で、カールにはタブレットで鑑賞されていた。
結局AI同士は不可。
片方が人間であれば可能という事が立証されたのであった。
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