表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/53

-K's side- オレのすべきこと

「ナイスシュート賢悟!」

右足から放たれたボレーがゴール端に鋭く食い込んだ。


放課後のグランドが好きだ。


「よし、もう一本!」


サッカーに没頭している時が一番好きだ。自分が一番、納得の出来る自分でいられる。


呼吸と共にボールを追う。集中すればするほど、自由になれる。

他の事は何も考えず、ただ目の前のゴールに向かう。

幾人もを交わし、突き抜け、前に進む。そうやって風を切り、グランドに舞う。


それとどこが違うというのか。同じだ。

距離を取ることも、避けて通ることもない。


「OK!次、サイドから!」

弧を描いて飛んできたボールが賢悟の脚に吸い付いて止まった。


「よしっ、GO!」


そうだ……信じて突き進めばいい。

迷うことはない。惑わされることも。


立ち止まるのはやめだ。


目に見えることだけに囚われず、そして他の誰でもなく、自分の思いを信じればいい。

ただそれだけ。


賢悟は空白のベンチに目をやった。


もう自分の気持ちには背かない……

そうすることで自分自身も、最高の強者でいられるはずだ。恐れることはない。


(もうアイツから目を逸らすのはやめよう。そして……)


決してその場しのぎの優しさではなく、大切なものは、しっかりとした意思を持って守っていく。


それが、オレのすべきこと。



風が吹いた。

鬣が揺れた。

荒野に佇む孤高の獅子。


誰も寄せ付けず、群れから離れ、ただ一匹。

近づくと唸って、光る眼で人を払う。


でも、その手に守るものが出来た。


今、新たな力を手に入れた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ