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この世界の常識


遠くからこちらに向かってくる馬車が見えたので近くに町があるか聞いてみる。



「すみません。付かぬ事をお伺いしますが、この近くに街はありますか?」


馬車の主は奇妙そうな顔で口を開く。

「なんでそんな事を聞くんだ?ここの近くと言ったら王都しか無いだろう、この一本道もそこへ行くための道だ」


よかった、言葉は通じた。意思疎通出来なかったらどうしようかと思った。


「あー。そこの森の奥に住んでて、森から出た事が無かったんです」


馬車の主は少し驚いてから直ぐに気を取り直して言った。


「けったいな所に住んでるんだな。馬車であと少し行けば王都だぞ、乗せてってやろうか?」


「良いんですか?お金持ってないですけど...」


「いいよいいよ。ここで会ったも何かの縁ってやつだ、行き道だからお前さんを乗せたところで何も変わらないしな」


「お言葉に甘ささせてもらいます」


「それにしても珍しいなハーフエルフなんて」


エルフ...やっぱり異世界なのか?ていうか俺はエルフなのか。


「お前さん...その顔の考えようだと何も知らないのか?親はどうした」


「母親は居ましたけど先日亡くなって、父親は物心つく前から居ませんね。母は人間だったので自分も人間だと思っていたのですが...」


とっさに思いつきの設定を口にしてみる。


「そうか、かーちゃんからは何も聞かされなかったんだな...耳は尖っていないがその髪の色だと恐らくハーフエルフだろうな。あとお前さん男か?」


「男ですよ?髪の色ってことはエルフの髪は白髪なんですか?」


おじさんはやっぱりかといった感じで話し始める。


「...やっぱり男だったのか。最初見たときは女かと思ったが、声があれだしハーフエルフだったから男なのかと思ってたんだ」


「あ、やっぱり女にみえます?僕もこれは女に生まれた方が良かったのでは?と思いますね。で、エルフって白髪なんですか?」


話を早く進めたいので性別の話を切る


「あっ、あぁそうだ。エルフの髪は金髪白髪のどちらかになる。逆に人間は黒〜茶が一般的で、それとは別に魔力の高いやつが得意な魔法色の髪になるらしい」


なるほど。魔法はあるのか、そうかそうか。

つまり魔力が高い人間は髪の色で丸わかりって訳なのか。なら面倒ごとに巻き込まれない為にもそういう人には近づかないようにしないと。

魔力高い人と知り合うと面倒ごとに巻き込まれそうという偏見だけど気をつけるに越したことはない。


「そうなんですね、全然知らなかったです。一般常識が備わってない頭なので王都に着くまで色々教えて貰っても良いですか?」


「おぅ、俺の知ってる事くらいなら全然構わないぜ。俺も暇つぶしになるしな」



街に着くまでにおじさんに聞いてわかったことを纏めると。この世界には7つの国があり、細かく分けると3つの人間の国と1つのエルフの国、2つのドワーフの国があるらしく、ワービーストの国もあるそうだが年中種族間の内乱が続きどう呼べばいいかわからないそうだ。



《国の名前》


エルメリア公国 (人間)

ザディウス王国 (人間)

テトラン神教国 (人間)

アールニル共和国 (エルフ)

トルーゲン王国 (ドワーフ)

ギムラ国 (ドワーフ)

ワービーストの国(仮)



ちなみに今向かっているのはエルメリア公国の王都だそうだ。住んでいる国の名前も知らないのかと笑われた。

仕方ないじゃん転生したばかりなのに。と心の中で言えない反論を唱える。


あと国は無いが精霊と呼ばれる種族も居るんだそう。

ハーフエルフなら知っておいた方がいいと言われた。なんでも普通の人間の大体は魔法が使えないが、エルフは魔力保有量が多く精霊を媒介に魔法を使うのだそうだ。でも俺はハーフで人の血が混ざっているから精霊を媒介にしなくても普通に魔法は使えるらしい。



「もっと詳しく知りたきゃ王都の図書館にでも行くといい、貸し出しは出来ないが大銅貨1枚で一日中本が読み放題だぜ」


「そういえばお金持ってないんですよね。お金になりそうなものは持ってきたんですけど」


「そういえば金ないって言ってたなぁ。金になりそうな物ってなんなんだ?」


「住んでるとこの近くにある鍾乳洞で宝石を取ってきました、これです」

鞄から麻袋を出して一つ見せる。


「!?」


何故か驚いた顔をしてから僕の顔を見てそれから何かを考え始めた。


「どうしたんです?そんなに驚くような物なんですか?」


ちょっと不安になってきた。持ってちゃいけないものだった場合はどうしようか。それとも余りにもお金にならない物を売ると聞いたからなんて言おうか迷ってるのだろうか。


もしくは本当に高いものだったりして...でも高いものなら洞窟にあんなに落ちてるのおかしいのでは?



「おい、お前それっいくらかわかってるのか?」


ん〜この反応はどっちなんだろう。


「いえ、森から出たのは初めてなので知らないです。もしかしてお金にならないものなんですか?」


「違う違う、逆だ。それはミスリル水晶と言って巷だと魔性石とも言う。その大きさだと最低大金貨3、4枚にはなるはずだ」


ここの金貨っていくらくらいの価値なのだろうか、小説などだとそれなりの値段にはなっていたはずだが...ていうかこれ高価な物だったのか。マジか。


「ぁーそうか、お前金も見たことがないのか。そりゃそうかずっと山の中に暮らしてたんだっけか」


とりあえずコクコクと頷いておく。


「いいか、お前の今持ってるリンガは王都じゃ小銅貨2枚で買える。まぁ地方だと小銅貨1枚で買えるが...そこはまぁ置いておこう」


このリンゴに似た果物ってリンガって言うのか...

それよりも物価を覚えなければ、と鞄から手帳を出した。



この国には、


小銅貨 中銅貨 大銅貨

小銀貨 大銀貨

小金貨 大金貨

白金貨


と8つのお金があり、


小銅貨10枚で中銅貨1枚、中銅貨2枚で大銅貨1枚。

大銅貨5枚で小銀貨1枚、小銀貨2枚で大銀貨1枚。

大銀貨10枚で小金貨1枚、小銀貨10枚で大金貨1枚。

大金貨10枚で白金貨1枚の価値があるらしい。


銅貨〜銀貨は日常的に一般市民が使う硬貨で、金貨は大きな買い物や行商人同士の取引などで使われるだけで一般市民にはあまり使われないそうだ。

白金貨は価値が高く、国同士の交渉事などで使われる以外は滅多に見かけないそうだ。


たとえば、王都に住んでいる一般市民の一食分は大体多くて中銅貨1枚なので、1ヶ月(30日)の食費は大銀貨3枚なんだそう。


この計算だと一日2食が当たり前なのか...


王都の宿代は高くて小銀貨1枚らしいのでこのミスリル水晶1つで800日くらい、つまり2年2ヶ月ちょっとは雨風に晒されないで済むのだそう。


でもそれだと近くに家を買った方が良くないですか?と聞いてみると。

王都で家を買うならそれなりの金額を出さなくてはならず、最低限人間が住める家を買うなら大金貨10枚はいるのでミスリル水晶1つを売っただけじゃ少し足りないそうだ。それにそんな家を買うくらいならもう少し高い金額を出せばもっといい家が見つかるので無理をして買う様な物でもないらしい。



色々聞いてこの世界の硬貨の価値を大雑把に日本円に直してみた。


小銅貨 50円

中銅貨 500円

大銅貨 1000円

小銀貨 5000円

大銀貨10000円

小金貨100000円

大金貨1000000円

白金貨10000000円


大体こんなところだろうか。世界が違うので誤差や違う部分もあるかもしれないし後で町を散策しながら確認してみよう。



そうこうしているうちに頑丈そうな塀と綺麗な街並みが見えてきた。


「お前さん、森から初めて出たなら身分証持ってないだろ。街に入るには金が必要だが...俺が払ってやろうか?」


身分証無いと通行税的なものが発生するのか、なるほど。覚えておこう。


「いいんですか?まぁ無いので甘えるしかないんですが...後ですぐに返しますね」


「まぁソレを換金するのに時間が掛かるだろうからすぐじゃなくてもいいさ」


「なんか色々頼ってすみません...」


「いーいー。出世しそうなお前に先行投資してるだけだしな!商人とは金の匂いに敏感なんだぞ、気を付けろよ」


「先行投資...」


「それより、ずっと気になってたんだがその硬っ苦しい話し方どうにかならないか?お偉いさんと話してるみたいで居心地が悪い」


「あー、ごめん。初対面の人には出来るだけ丁寧に話した方が良いかなって思って...」


「やれば出来るんじゃないか、これから俺と話すときはそれで頼む」


「りょーかい」



街へ入ってから、おじさんに神殿に行って身分証を作ってこないとギルドで持ってきた物を換金してもらえないと聞き、早速神殿に向かった。

ちなみにおじさんは店に1度帰るそうだ。あとで商人ギルドに行くそうなのでそこで待ち合わせする事にした。


扉を開いたすぐ側に正装のシスターが居たので声をかけた。


「すみません、身分証を作る為に来たのですが...」


「はい、こちらへどうぞ」


シスターに連れられ、広間を抜けて廊下を歩く。

途中で立ち止まり一つの部屋の扉に手をかける。


「こちらへ、そこの椅子にお座り下さい」


言われるがまま椅子について前を見ると、大理石の机の上に大きな水晶で出来た装置が置かれた。


「そちらの丸い水晶部分に手を置いていただくと、水晶がすこし光ります。驚かないでそのまま手を置いたままにしてください」


「はい」


手を置くと水晶玉が淡く光り出し、心地の良い光が体を包んだと思ったら次の瞬間には光が消えていた。


「その水晶玉の上に浮いている指輪はステータスリングと言って身分証です。使い方は指輪をはめて頭の中で能力値や、身分証と念じると視界に自分の能力などが表示されます。視界に映るステータスは他人には見えません」


「えっと、他人には見えないのに身分証になるんですか?」


ふと疑問に思った事を素直に口に出した。


「人殺しをすると即座に自動で殺人歴が指輪に刻まれ、捕縛歴があるものは憲兵が指輪に刻みます。検問などの水晶に指輪を翳すとわかりますのでご心配はございません。その他、冒険者ギルドや憲兵団などではステータスを他人にも見えるようにする道具がありますので問題ないかと」


「はぁ、そうなんですね。説明ありがとうございます」


「お帰りは先ほどの道を戻るだけですので...では失礼します」


シスターは何処かに行ってしまった。忙しいのだろう。



「さて、どんな感じになってるのだろう...」


さっそくステータスを開いてどんな感じになっているのか確かめる。



《ステータス》


名前:白夜〈ビャクヤ〉

種族: ?

HP: 300(1380)

MP:1850(11250)


光.4 闇.2 火.0 水.1 風.1 地.5 雷.0

氷.0 時.0 空間.7 重力.0


ユニーク: 絵画魔法 想像魔法

スキル: 創造 言語理解 適応 夜目 鑑定

加護: 救済 祝福 慈悲



んー...見てもわからない。


「あとでおじさんに聞くかな」


誰も見てないと思うけど遅くなってごめんちょっ⭐︎


タイトル迷走中。内容も迷走中。


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