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起きたら美形になってた


「んっ...」


自分の声が少し高い気がした。でも眠いせいですぐにそんな事どうでもよくなった。


重い瞼を開けつつぼやけた視界のピントを合わせる。 体の節々がすごく痛いし体がだるい、もう少し寝ていたい。


が、そうは問屋がおろさなかった。



「あれ?ココどこ?なんで俺こんなとこで寝てるんだ?」


目の前に広がる青々と茂った森林、耳に囁く鳥のさえずり、そして...ほのぼのとした雰囲気をブチ壊す遠くで聞こえる大型動物の唸り声。


とりあえずここにそのまま居るのはダメだと体が訴えているので移動しながら考えよう。

なんか服が変だし、でも元々着てた服ってどんなだっけ?考えても思い出せない。


そもそも何で森で寝てるの、酔ってたのかな?丁度記憶が曖昧だしなぁ...そうだったら自分バカだな〜。でもこんな森知らないし、酔って迷った線は無いか...

ドッキリ?でも俺ドッキリされるほど有名人でもなければ、そんな事してくれる親密な友達なんていないな〜と冷静になった。


そんな事を考えながら大木を曲がると_____



「ッッッッッッ!!!!!?????」


叫びそうになった口を瞬時に手で閉じた。

大木の裏でよくわからない化け物がムシャムシャと他の動物だったはずの血塗れの肉片を貪っていた。

これはヤバイ、気づかれる前に逃げるべきだ。

じゃないとそこにある肉と同じにされる!


静かにそっと下がろうと、脚を後ろに下げた...(バキッ)


マジ??何してんのよ自分!と恐る恐る前を向くと。


目が合った...化け物が驚いている、俺は固まる。

が目は逸らさない、前に熊に出会ったら目を逸らしちゃダメって聞いたことあるようなないような。でも熊じゃないから効くかわからないけど。


しばらく膠着状態が続き、体感で30秒ほど経った。

あれ?これってこの先どうすればいいんだ?


次の瞬間自体は動く。



(ズズッ)

先に動いたのは化け物の方だった。



「グォォォォォオオォォオォォォォォォ!!!!」



圧倒されて腰が抜ける。


これは死んだ確定だ。そう思った瞬間いつのまにか立ち上がって化け物から必死に逃げていた。



「ハァッハァッハァッ__________ 」


息が詰まる。喉が焼けるなうだ。もう走れない。

そう思いながら足を止める事なく必死で走った。

ズドンズドンと地響きを起こしながら追いかけてくる化け物に恐怖しながら。


限界を超えて走ったのにこれはあんまりだと思った、そう考えるしかなかった。


森を抜けた先は絶壁で行き止まりなのが見えた。

それでも足を止める事は出来ない、止めたら後ろのアレに喰われてしまう。あの肉片のように。


絶壁までたどり着いて考えた。


「なにか、小さい抜け穴でも無いのか、なんでもいい!逃げ道!!!」


すると目を向けた先に50cmほどの小さな洞穴を見つけた。

こんな所に先程まで穴なんてあったか?と少し疑問にも思ったが、そんな考え次の瞬間には忘れて入り口に飛び込んだ。そうしないと次の瞬間には喰われていた、間一髪だった。



(ドンッ!ドンッ!)


洞穴が揺れて砂がポロポロと肩に落ちる。

体が大きくて洞穴には入れない化け物は穴を広げようと体当たりでもしているのだろう。

となるとここに居ても危ない...何処かに抜け道は...考えて目を向けた先に進む道があった。


今にも崩れそうな入り口を背に抜け道を進む。


(ズッドーンガラガラガラ)


後ろが崩れた。

先程まで自分がいた場所が崩れて冷や汗を握るった。少しでも行動が遅かったら潰れて死んでいた所だ。

でも、これでもう化け物が中に入ってくる事は出来ないな。


ホッとしたところで全力で走って喉が渇いた。ここに居ても仕方ないなと進み出した。



しばらく歩いたところで気づいた事がある。この洞窟はライトも持ってないのに当たりが見えるくらい明るいのだ。

周りを見てみると壁が所々光っているし、進むごとに段々と周りが広くなっていく。


「紫外線も無いのに光る石ってあるんだなぁ〜」


自分が知らないだけで光る水晶もあるんだ、などと思いながら、拾える光る石を歩きながら集めていると、洞窟の岩肌が白くなってきた。

この洞窟は鍾乳洞なのかな?と素人目で考える。


先に進む毎に白い石灰の壁と上から垂れる特徴的なつららがやっぱり鍾乳洞だろうと結論付けた。



数分考え事をしながら歩いていると、少し先が辺りより明るいのが目に入った。


出口かもしれないと早足で近づいて息を飲む。


そこには幻想的な地底湖が広がっていた。所々に散らばる光る六角水晶と底に鎮座する巨大な水晶の塊が泉をより一層綺麗に輝かせている。


「すごい...」


しばらく見とれてから唇がカサカサで喉がカラカラな事に気づき水を飲みたいと澄んだ水を見た。


一瞬衛生的にどうなのかと戸惑ったが、これだけ綺麗だったら大丈夫だろっと考えるのをやめて地底湖に足を運ぶ。


「こくこくこくこくごっくんっ...ウッマッッ!!!!なんだこの水すごく美味しい。それになんだか疲れとか色々吹っ飛ぶ感じがするな、パワースポット的な所なのか?なんかラッキーだ...な????」


水面に映る自分の姿を見て固まった。


「え?」


おかしい、僕は黒髪短髪黒目の冴えない男28歳だったはずだが泉に反射する自分は白髪長髪碧眼色白の美女?かと思ったが下はちゃんと付いてるので美青年...18歳くらいの。


おかしいな、夢でも見ているのかな?そもそもよく今まで気付かなかったな素晴らしいほど鈍感だ、笑っちゃうね!


「..................え?マジで?」


おかしいぞ、そもそも21世紀にこんな非現実的な事起こって良いのだろうか。起きたら森の中で歩いてたら化け物に襲われて洞穴に逃げたら鍾乳洞で光る水晶があったって。いや100歩譲ってそこは自分が知らないだけだとしても、日本人離れした美女に見える美青年になってたは無いだろ。


妄想しすぎてついに夢にまでなってしまったのかとも考えたが、夢にしてはリアル過ぎるのでそれは無いなと思った。


「なんだこれ、本当になんなんだ...」



しばらく考えて出た答えは


「これはもしかしなくても世に言う転生なのでは?神様とか会ってないけど、死んだ記憶ないけど。(秋月 白夜は今までの状況から考えて何処かに転生してこういう体になったと考えたのだ!)とナレーションを入れてみたり......1人だと虚しいな」


でもまぁ状況的に転生しか考えられないしなぁ...オタクだからこういう考えになるのだろうけど。

ちょっとワクワクする、物語的になんか色々ありけり進むのかなぁと思うけど物語のようには進まないだろうなぁ。それに転生して俺は主人公!ってモブがイキってバッドエンドする話しもあるし。


「これは慎重に動いた方が良さそうだなぁ...」



まずはお金になりそうなものを集めた方が良いだろうと辺りを見渡すと泉周辺には様々な色の水晶や原石が落ちている。

「いっぱい落ちてるって事はあんまり珍しい物じゃ無いんだろうなぁ。少しの足しにでもなればいいか」


持っていた鞄に入っていた袋に出来るだけ大きめの原石を入れていく。

袋いっぱいになった所で拾うのをやめた。



「さぁ、そろそろ出口を探すかぁ...」


色々あって忘れてたけど入口塞がっちゃったんだよなぁ...でも風が吹いてるから何処かには出れるはず。と、テレビで聞きかじった知識をフル活用する。



地底湖の反対側に水が流れていくのが見えて近寄った。


「あ」


石で塞いであるが崩れて光が漏れているのがわかったので、よし!と塞いである場所を崩すと、そこにはまたも驚くことに神秘的な光景が広がっていた。



そこは崖に丸っと囲まれた1ha弱くらいのほのぼのとした盆地に、鍾乳洞から流れ出る澄んだ水が小川になって真ん中に小さな泉が出来ていた。

周りは花畑や丘になっていて果物の木や小動物がちらほらと居るのがわかる。見ていると癒される。


鍾乳洞の入り口近くの崖には、中で見た水晶と同じ物が所々に生えていて地底湖とは違った絶景感を出している。


「これまた綺麗な場所だなぁ。こんな場所に住めたら毎日心が安らぐだろうなぁ」



はっ、そうか転生したなら暫くここに住める。あ、でも近くに町が無いと不便か。


「先に町を探しに行くか」


反対側に外に出れそうな洞窟が見えたのでまず先に食料確保と木から果物をちぎり、肩掛けカバンに空の水筒があったので泉の水を入れた。


そういえば体や服、持ち物が変わっているのに全く違和感を感じないのは何故だろう。鞄に入っている水筒や袋、ナイフなどは自分の持ち物の様に既視感が湧く。不思議な気持ちになる。

まぁとりあえずは今現在の自分の持ち物を確認しよう。



《秋月白夜の持ち物》


・皮の肩掛け鞄 (リュックにもできそう)

・使いやすそうなナイフ

・水晶のペンダント

・単眼鏡

・メガネ

・空の財布

・木の櫛

・液体が入った小瓶

・白紙の手帳

・水筒 (泉の水入り)

・麻袋 × 2

・宝石が沢山入った麻袋 × 3

・ナシに似た果実 × 3

・リンゴに似た果実 × 3


《着ている服》


・着心地の良い長袖Tシャツ(薄杏色)

・着心地の良いラフな長ズボン(緑)

・履き心地のいいブーツ(茶色)

・マント(茶色)

・軽い膝当て



やっぱりなにか既視感がある持ち物がちらほら...でも気にしてもしょうがないから次へ進もう。


「メガネがあるのは有難いなぁ。少し霞んで見えてて辛かったんだよね」


付けてみて驚いたのだけれど凄く良く見えるし、まるで長年ずっと付けていたかのような親しみが湧いて出た。


あとこの小瓶は何なのだろう。異世界でありがちなポーションとかだろうか。

そのほか諸々も色々謎はあるが何にしても1人じゃ解決しない事が多過ぎるので街に行くに越した事はない。



鍾乳洞の出口から反対側の、人間が1人ちょうど出入りできるトンネルを抜けると最初に目を覚ました時と同じような森が広がっていた。


後ろを見ると出てきたトンネルはツタだらけで余りにもわかりにくいので、近くにあった赤い岩を転がして前に置いた。


「これでまた来る時の目印になるだろ」


近くに町があったら便利だなぁと歩きながら考えていると、ふと気になることを思い出した。



ココが異世界なら物語定番の魔法は使えるのかな?使えるならすごく嬉しい。子供の頃は魔法使いになりたいなぁとよく思ってたからあるなら覚えたい。

それとも勉強しなくても魔法は使えるのだろうか。


物は試しだ、と色々試してみたが何かが出る気配はない。


やっぱりここは異世界ではなく地球なのだろうか、それとも魔法がない異世界なのかな?勉強しないと無理とか?それかあれだ、原住民しか使えないとか儀式や呪文があるから覚えないとダメとか、もしくは魔法は貴族しか使えないとかあるんじゃないかな。


「まぁ出ないものは仕方ないか、全部町に行ったらわかるよね」


20分ほど歩いた所で森を出た。森のすぐ近くに道を見つけたのでラッキーだなと思った。

知ってる森でもあれなのに知らない森なので遭難したらどうしようかと思っていたところだったのだ。


とりあえず木に印を付けながら来たので次にあの場所に帰る時は大丈夫だと思う。



挿絵(By みてみん)


夢で見た内容を細かくしただけなので面白くなくても許してクレメンス

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