女神の教本(セクシー写真集)
今回の異世界には
数多の神々が存在している、
それこそ八百万と言っても
過言ではない程に。
そしてここでは
信徒の信仰心こそが
そのまま神の力になる、
力の源そのもの。
神は人間を創った筈なのだが
神もまた人間によって創られているという
ズブズブな共依存関係。
もちろん信徒の数が全てではないが、
数が重要な要因なのは間違いない。
後は信仰の熱狂度や
信徒の信仰心の厚さ、深さ
と言うところか。
この世界では
人間の信徒達を奪い合って、
神々による酷く醜い諍い、
信徒の争奪戦が
常に繰り広げられており、
日に日に激しさを増して来ている。
そうは言っても、
今の時代、武力による
宗教戦争など起こそうものなら、
すぐに信徒達は
離れて行ってしまうから、
神々もかなり俗物的な
アプローチを迫られていた。
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たまたま別の依頼で
この異世界に来ていた
いつもの不遜な勇者、
神々の信徒獲得競争が
あまりに熾烈過ぎて
すっかり辟易としている。
今一番勢いがある神が、
この世界のエロス神である
女神エロテロ。
自分がエロスの女神であることを
いいことに、人間男性に
セクシーグラビアアイドル並みの
売り方をして信徒を急増させている。
神認定、公式に発売されている
女神の教本という名の
セクシー写真集では
ありがたくもエロテロ様が
肌の露出が極めて高い衣装を着て、
胸の谷間やハミケツは当たり前
M字開脚やら女豹のポーズやら
煽情的なポーズ、あられもない姿が
惜しげもなく晒されていた。
街の至るところに
女神エロテロのセクシーな
信徒勧誘ポスターが貼られており、
歓楽街に来たのかと勘違いする勇者。
『歌舞伎町かっ!』
煽情的な衣装を着て、
男に媚び売るような
性的なアピールをして
誘惑して、虜にする……
『もうそれ、
サキュバスでいいだろっ!』
確かに肉欲や色欲に人間を導き
堕落させるのは
悪魔や魔族の役目なのだから、
ワザワザ神が
それをやらなくてもとは思う。
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しかしこの世界の男性には
これが大いに受けて
右肩上がりで信徒を増やしていた。
特にエロに興味を持ち始める年頃の
十代男子の人気がすごく、
次いで二十代独身男性となっている。
既に教本という名の下に
セクシー写真集が二冊発売されており、
近々三冊目も発売されるらしい。
「おい、知ってるか?
今度のエロテロ様のセクシー写真集、
いや、教本は、お宝映像特典付らしいぞっ」
「マジかよ、
俺、お布施するわ」
ここでのお布施は、
アニメや漫画、アイドルなどの
サブカルで言われるところの
例えのお布施ではなく、
本来の意味で正しく
神に対するガチお布施なのだが、
あまり違いがあるようには思えない。
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学校でも
エロテロ様のセクシー写真集、
もとい教本を持ち込む
子供達が多発している。
「子供がこんなもの
学校に持って来ちゃ、ダメだろっ!」
普通のエロ本だと思って
教師は叱るのだが、
子供達は胸を張って言い返す。
「教本ですっ!」
「神の教えですっ!」
「魔除けですっ!」
「おっ、おう……」
学校の大人達も、神様が自ら
率先してやっていることなので、
公に子供達を叱ることも出来ない。
確かに子供時代
性に目覚めるきっかけとなったものは
一生忘れない程のインパクトを残すが
やることがえげつないと言えばえげつない。
そんな一世を風靡したエロテロ様ですら
女性からの圧倒的な支持を誇る
フェミニスト派女神のス・イーツ様、
セクハーラ様やフ・リーン様など
他の神々によって足を引っ張られて
人気を落として行く、
そんな神々の癖に魑魅魍魎のような
熾烈な信徒争奪戦が
繰り広げられているのだ。




