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赤龍と青龍

ここドラゴン学園には

今日も学生のドラゴン達が

制服を着て通って来る。


このドラゴン学園、

偏差値はかなり低く

いわゆるFラン高校と呼ばれており、

昔ながらのヤンキー

いわゆる不良が多く、

評判もあまりよろしくはない。



そんなドラゴン学園の

一年D組には

赤くんと呼ばれている赤龍と

青くんと呼ばれる青龍

ツッパリコンビがいた。


「なあ、赤ちゃん、

あの話聞いたかよ?」


「いつも『ちゃん』付けは

やめろっつてんだろっ!

テメェ、殺すぞっ、ゴラァッ!」


「なんだ、やんのかっ?

上等だよっ、テメェ!

殺すぞっ、ボケェ!」


赤龍と青龍は

いつも一緒につるんでいて

仲が良いのだが、

会話の冒頭から

毎度この調子なので

一向に話が進まない。


そして『殺すぞっ』が口癖なのだが、

ドラゴン全般、だいたい不死身なので

よくわからないことになっている。



「だからよぉ、

さっきの話って何よ?」


「今日欠席した紫龍の奴がよぉ」


「なんでもよぉ、

昨日帰りに人間襲いに行って、

返り討ちにされたんだってよっ」


青龍から話を聞いた

赤龍は吹き出した。


「ぷっ、だせぇ、マジだせぇ」


「人間にやられるとか、クソだせぇだろ?

チョーウケるよなっ」


二匹は腹を抱えて笑う。


「なんでもよお、人間の中に

新しい勇者が居たんだってよ」


「クソだせぇな、

勇者ぐらいでよぉ、

俺だったらそんな勇者、

フルボッコにしてやんぜ」


-


「ちょっと、あなた達、

くだらない話ばっかりしてないで、

ちゃんと掃除しなさいよね」


二匹にそう言ったのは、

二匹にとってのマドンナ、

いや学園中の憧れのマドンナ

白竜さんである。


美しく整った顔立ち、

抜群のスタイル、プロポーション、

品があるのにそこはかとなく

漏れ出る色気。


声を掛けられ、

顔を真っ赤にして照れる

赤龍と青龍。


「ちゃんと

真面目にやらなきゃダメよ」


学園一の美少女ドラゴン白竜さんは

そう言うと微笑みを残して去って行く。


その麗しい後ろ姿を

いつまでも見続ける二人。


「マジ、ハクいスケだよなぁ」


思わずため息を漏らす青龍。


「テメェ、

白竜さんだからってハクいとか

おやじギャグみたいなこと言いやがって、

白竜さん馬鹿にしてんのかっ?

殺すぞっ、ゴラァッ!」


「あんだっ?

誰がおやじギャグなんか言うかっつうのっ、

テメェ、殺すぞっ、ボケェ!」


-


「ゾンビ、テメェ、

俺らの分もちゃんと掃除しとけよっ」


赤龍と青龍は

同じ掃除当番のドラゴンゾンビに

自分達の掃除を押し付けて

サボろうとする。


「なぁ、あいつ

何かいつも臭くね?」


「あいつの口臭

すげぇ臭ぇって噂だな」


「だってあいつのブレス、

ロトンブレスとか言って

腐った臭いするんだろ、やばくね?」


「やっぱ、

肉腐り掛けてる奴はダメだよな」


ドラゴンゾンビは

やはりその見た目からなのか

陰気な印象を与えてしまうようで

クラスでもいじめられっ子

ポジションに落ち着いてしまっていた。


-


「よお、今日はどうするよ?

他所の学校がっこと喧嘩でもするか?

それとも人間でも襲って遊ぶか?」


「何か腹減ったしよお、

近くの人間が飼ってる家畜でも

とりあえず襲って食うべ」


まぁこうして

ドラゴン学園のヤンキーコンビ、

赤龍と青龍は

気ままな学園生活を送っている、

人間にとっては

かなり迷惑な話ではあったが。






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