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ジェンダーフリー -春-

こんにちは、千彩[チイロ]です。

初の連載小説ですが、ゆっくり、のんびり、書いていこうと思っています。


最後まで、よろしければ後書きまで、読んでいただけると幸いです。

どこかの時代のどこかの東のくに。


そこでは、一人ひとりが生まれた時の性別にとらわれることなく、それぞれが自分の生きていく性別を決めて暮らしている人々がいました。

15歳になった春、自分自身で「男」か「女」どちらかを選択して社会に出ていく、社会の中ではその選択した性別で扱われる、そんな男女選択制度なるものが存在する世界のお話ーーーーーーー














チャイムが鳴った



「はいペン置けよー。」

いつの間にかテストが終わっていたようだ。

埋めるだけ埋めただけの藁半紙が回収されていく。


最近、といっても数年前から、考え事をすると周りの状況が一切見えなくなっている。授業中であろうと、誰かと談笑中であろうと、少し自分の世界へ入るととことん沈んでしまう。

でも、最近はさらに顕著になった気がする。



「ねぇアヤ、どっちにするか決めた?」

チハルが近づいてきた。毎日アイロンを使って、少し茶色がかった髪を、横でひとつにまとめている。

顔が熱い。冷や汗が止まらない。

「いや、アヤメは“女”で決定だろー!」

「うぉぉあら!男子ぃ!!それは言っちゃダメでしょーーが!!!」

「ぅあやっべっ、ちぃが怒ったぞー!」

「待てやコラ!」


4月、新学期になって最初に配られたプリント。一番上には『第一回ジェンダー希望調査』と書かれている。

テスト習慣が終わったら、提出だ。


「ふぅ、話逸れちゃってごめんねアヤ。」

「いいよいいよ、別に。」

「ああいう輩がいるからまーだこの制度は選択の自由がないとかなんとか言われるのよ。」

「あはは…」

「でも珍しいわよね。15歳、義務教育終了時に自分の生きていく性“ジェンダー”を決める制度『男女選択制度』が出来てから、子どもに中性的な名前を付けるのが流行ってるのに。アヤメなんて名前、女として生きろって押し付けてるようなものじゃない。」

「まぁ、でも、基本的にほとんどの人はそのまま自分の生まれた時の性“セックス”を選ぶみたいだし、あまり考えてなかったんじゃないかな。」

「自分の子どもの名前であまり考えてないって問題よ、それ…」

「あー…」


その時、今まで横でもくもくとなにか指先で作業をしていたカオルが口を開いた。

「でもさ、実際“セックス”と“ジェンダー”を一緒にしちゃうことが多いからアヤの言ってることもわかるかな。」

「だよねぇ、カオル。」

「いやお前が言うか」

「へ?」

「いやだから、“セックス”は男で“ジェンダー”は女を希望してて、今も部活の先輩に振り向いてもらおうと爪のデコに勤しんでるお前が言うか!」

「うん!」

「説得力ないわっ!!ねえアヤ!?アヤもなんか言ってあげて!!」

「チハル、いったん落ち着こう?」

「グハッ…アヤにそんなこと言われたら…………生きていけない…」


3人が笑う。

こんな日が、ずっと続けばいいのに。




卒業まであと10か月、季節は夏へ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


 この小説は、自分が「こんな世界に生まれたらなぁ…」という妄想から作り上げられたフィクションです。

LGBTを中心とするセクシュアルマイノリティは、現在、約13人に1人の割合で存在しているといわれています。40人クラスであれば、3人ほどセクマイであるということになります。

にも関わらず「LGBT?本当に存在してるの?」という人が多いのが現状です。それはなぜか。想像に難くないと思われます。


 また、徐々にセクマイが社会の中で認知されようとしている今日この頃、ネット社会の誤った情報やテレビによる偏見(良いものも悪いものもあります)が人々を支配しており、それによって当事者側がより生きづらくなっているという事柄もあります。


 そこで私は、その問題点のうちの一つ「男女二元論」を中心にこの物語を書いていきたいと考えています。「男女二元論」とは、世界には“男”と“女”しか存在しない、それ以外はありえないという考え方のことです。

 えー、長くなってしまったので今回はこのへんで(笑) 気になる方はGoogle先生に聞いてみてください。

その際にも情報の分別は忘れずに。



あ、そういえば、この物語のジャンルって「空想科学(SF)」でいいのでしょうか?

一応架空の制度・理論が出てくるかと思いますが…

間違っていたら、教えてくださいね。




 ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

それでは、また。

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