Episode8
―バロ先生は思った通りの先生だな。
三人席に腰を下ろしたソフィアは失礼なことを考えてた。
現在リリのお説教中なのだけれど…
ただの注意に見えるのはきっとここにいる生徒全員だ。
本人は説教をしているつもりなんだろうけど挙動不審で見ているこっちがそわそわする。
「あの子凄いよね。お説教中なのにこっち見て手振ってるよ」
「あぁ、いい度胸だが俺はあんまり関わりないな」
「僕も」
ソフィアはばっちり二人の会話を聞いていた。
まぁ、二人とも変わってるからなぁ。
案外ソフィアも失礼なことを考えていた。
「リリ・セントリア、土属性で私のお友達。…私は苦手なんだけどね」
リリを眺めながら彼女の事を説明する。
二人も同意見だと言わんばかりに話を聞いてくれる。
「確かに、世の中舐め過ぎだと思うよ、僕」
まだ、リコウスと知り合ったばかりだけど…
スキキライがはっきりとしてるんだなぁとソフィアは直感で感じ取った。
そして、決して敵に回しちゃいけないと言う事も。
「まぁな。俺らは明るい世界より闇に紛れってたからな。俺らには眩しいつうか、めんどくせー」
リリの説教も終わったようでリリは仲の良い子達の所に座った。
最後にソフィアの方を向いてもう一度手を振ったのでソフィアも手を振り返した。
バロ先生の話しを聞きながら私たちは話を続ける。
「私の周りって人が集まるでしょ。それは私が全属性だから。でも、リリの周りにはリリに惹かれた子達が集まって…私は嫉妬してるのよ」
黒板にはノマ魔法の魔法陣が描かれていた。
ノマ魔法とはどの属性でも共通して使える魔法の事だ。
「それは僕たちも一緒だよ。僕らが出会えたのって案外運命かもね」
「だな」
「だね」
出会って三日四日なのに、ここまで仲のいい友達が出来るなんて思っても見なかったソフィアはとても嬉しそうに微笑んでいた。