Episode7
今日から本格的に授業が始まるのでソフィアたちは急いで教室に向かっていた。大食堂と魔法科の教室は随分と離れているのでそれが適作なんだろう。
「少し早過ぎちゃったね」
「お前がはしゃぎ過ぎなんだろう」
リコウスとナトラの言う通り、少し早目につきすぎた。
先生すらまだ来ていなかった。
魔法科の教室は結界がはってある。
簡単に言えば、何が起こるか分からないからだ。
「でも、先生はあそこにいるけれど…」
ソフィアは窓の外から中央廊下を指さして行った。
確かに先生用のマントを羽織った男性が慌ただしく走っている。
名前はバロナン・ジャッセル先生。通称バロ先生。
一級魔導師の資格を持っている先生なのだが…自身が無い先生?
と、突然教室のドアが開いた。
そこには息を切らしたバロ先生がいた。
「っみなさん。くる…はぁ、のが速かったですね。感心しますよ」
物柔らかないかにも自身がなさそうな先生がいた。
「バロ先生っ!今日は魔法を教えてくれるの?」
リコウスは目を輝かせてバロ先生に迫る。
「落ち着け、リコウス。今日は魔法の旋律についての授業だろ。始めっから魔法を使わせるわけないだろ」
っとナトラが最もことを言う。
「私もそう思うわ。基礎を最初に学ばなくっちゃね!」
ナトラに便乗しておく。
「そうですねぇ。さすがに今日は…」
バロ先生も魔法を使わせる気は端から使わせる気はなかったようだ。
「そっか、残念だなぁ。次は楽しみにしてるね」
リコウスも今日はあきらめてくれたようだ。
すると、次々と生徒が教室に集まってきた。
時間を確認すると、授業開始まであと十分しかなかった。
因みにリリは五分遅れて授業に参加した。