Episode5
今日は授業がないのでリリと別れ寮に戻って来ていたソフィアたち。
寮は一人一部屋与えられている。
一人部屋にしては広く、二人部屋にしては狭い部屋。
どうせなら二人部屋にしてくれればいいのにとソフィアは初めて寮に来た時思った。
そろそろ日が落ちてくるころだ。
ぼんやりそんな事を考えながら横になった。
「寝るにはまだ早いわよ」
ファンジーはソフィアに気を使ってかそれ以上なにも言ってこなかった。
寮に帰って来てから一言も話さないソフィアをファンジーは気にしているんだろう。そして、気を落ちしている理由も分からなくない。
それは今日会ったリリに関係していることは目に見えていて。
「……ごめんね、ファンジー。私が勝手に嫉妬しているだけだから」
ソフィアは重い重い口を開けた。
だが、顔は枕にうずめたままだ。
「ファンジーも気づいてるでしょう?…リリの周りには沢山の人が集まる子なの。私と違って孤独なんか知らない子なの。私の周りには沢山人が集まるかもしれない……それは見世物として。でも、リリは彼女自身に引き寄せられて彼女の周りは人であふれているのよ」
そう、ソフィアはここにくるまで彼女の周りには沢山の人で溢れていた。もちろん全属性として。
「私は彼女と居るのがつらい」
それは彼女が始めてファンジーに見せた弱みであり、彼女の本心。
ファンジーは慎重にこれ以上彼女を高ぶらせないように口を開いた。
「大丈夫よ。私がずっとあなたの傍を離れないから」
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『ねぇ、ファンジー。彼女もきっと沢山悩んで挫折するときもあると思うのよ』
『だから、お願い。この子をずっと守ってあげて』
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ファンジーはあの人の事を思い出していた。
あの人は言った。
この子を、ソフィアを守ってほしいって。
私はどんな手を使っても彼女を守って見せる。