Episode4
歓迎パーティーが終わり、今日から授業が始まった。
どの授業も今日は初日なので殆どが説明だけで終わっていた。
初日と言う事で、殆どの生徒が一生懸命メモを取っていた。
「熱心にメモを取っているのね」
「みんな取ってるよ、メモ」
ファンジーも少し呆れ気味だ。
なんて言っても、今日は授業の仕方と教科書が配布されただけでメモを熱心にとるほどの話はしていない。
次の授業は魔法の実技なのだが、きっと今日は説明だけだろう。
ソフィアも他の生徒の様にゆっくりと中庭に足を運び始めた。
「おっと」
「きゃっ!」
反対方向から走ってきた女の子がぶつかってきた。
因みにきゃっ!と可愛い悲鳴をあげた方がぶつかってきた人だ。
「えっと、大丈夫?人の通りが多い廊下は走らない方がいいと思うの」
ソフィアはぶつかってきた女の子に手を差し伸べながら注意を促す。
「…ごめんなさい。次から気を付ける」
「そしてくれると、他に被害は出ないと思うわ」
ソフィアは次に被害が出ることを前提で注意を促していたようだ。
ぶつかってきた女の子はしょぼんとして頭を下げた。
「頭を上げて?私はソフィア・クラウド。よろしくね」
「あのね、あたしの名前はリリ・セントリアって言うの。次から気をつけるから、あたしとお友達になってほしいの」
リリは不安そうに私を見ながら友達になってほしいと言ってきた。
正直、ソフィアは女友達はほとんどいなのでとっても嬉しいお誘いなわけで…
「もちろん。これからもよろしく、リリ」
「うんうん。ソフィアと仲良くするの!」
ソフィアはこの学校にきて、初の女友達が出来た。
リリにファンジーを紹介するとすごくびっくりしていた。
因みに仲はすさまじく会わなかったらしく、少し話した途端に口喧嘩が始まっていた。
リリも魔法科で属性は土属性。案の定、ソフィアが全属性であることも知らなかった。
田舎から来たらしく。ここがとっても楽しいと話していたことがとても印象の残る少女がリリ。
ソフィアはすでにリリにあって自分にない物があることに気が付いていた。