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ep.2

「ねぇ、渚さん」

 そう言って俺を覗き込んだのは悠貴だった。至極当然だ。もう、この惑星には俺たち二人しかいないはずだから。俺は考え事で頭を壊そうとしていたのもあって、少しイラついて悠貴に言った。

「なんだ、」

「また嫌な考え事してたんじゃないんですか? 顔色が悪いですよ。」

 彼はそう言って俺の顔を見つめる。彼の瞳の奥は背景の草原が風になびくように揺れていた。そうか、俺の顔色は、もう、傍から見て悪いのか、と少し思った。

「なに、いつもの事だ。心配しなくていい。」

 俺はそう言うとごろり、と彼から目を逸らすように転がった。

「あ、また逃げようとしてますよね! 駄目ですよ!」

 彼はそう言うと子供のように俺の身体めがけてダイブしてきた。

「いでっ、お前、何やってんだよ!」

「つーかまーえた!」

 俺は幼稚園ぐらいの子供を見ているような気分になり、少し笑った。何の気なしに悠貴の頭を撫でると、彼は少し大人しくなる。

「……何を考えていたんですか?」

 悠貴は何かを切り出すように俺に問いかける。そういえば、最近このやり取りを毎日やっている気がする。……もしかしたら、彼は気づいているのかもしれない。一体どうしたものか。

「なにも、って言っても、

 どうせお前は明日も同じくだりをするんだろ?」

 俺は呆れた様に悠貴に問いかけると、悠貴も呆れた様に返答する。

「昨日も一昨日もその前も、同じくだりやりましたからね。」

「やっぱりか。」

 俺が苦笑いすると、嫌に爽やかな風が吹き抜けていった。



 風が囁く。

『悠貴にも、そろそろ伝えなければ、あんたの命が先に消える。  本当の事を知らないまま、悠貴に孤独を与えるのか!』

『また道を間違えたら、どうするんだ!』

『最期まで、お前はこの重荷を背負って誰のためになる?』

『こんな残酷な事を伝えるのはお前のエゴじゃないのか?』



 あぁ、うるさい。

 俺は、一体どうすればいいんだ。

 どうすれば、もう二度と道を間違えない?

 なぁ、どうすれば、どうすれば最善の行動がとれる…?



 そう考えた途端に、俺の身体を耐え難く鈍い痛みが走った。

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