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第2話① 幼馴染(男の子)


「――ハル、いつから目が悪くなったの?」


 小学校からの帰り道。

 前を歩く親友に言われた。

 学年で一番、背の高い親友から。


「ウチへ泊りに来た時は良かったよね?」

「そ、それは大昔の話だろ!」

「つい二週間ぐらい前の話だよ?」


 俺の親友、柊緋色は天然だ。

 天然で格好良くて、天然でムカつく。


「でも目が悪くなって良かったね」

「なにが?」

「秋月さんの隣になれたから」

「な、なんで知ってるんだよ‼」


 緋色の言葉に動揺して、尻もちをついた。

 絶対、誰にもバレてないと思ってたのに。


「いや、普通気づくでしょ。親友なんだから」


 転んだ俺に手を伸ばす緋色。

 明らかに無意識でやってる。


「でもうん、あの子ならいいと思うよ」

「……別にお前の意見なんか聞いてない」


 バレた。

 バレた。

 死ぬほどバレたくない相手に。

 こいつの場合、


『そういえばハル、秋月さんに告白した?』


 とか平然と教室で聞いてきそうなのに。


「うん。俺の意見よりもハルの気持ちを優先するべきだから」

「……お前、それ本当に無意識で言ってるんだろうな?」

「そうだけど?」


 流石は三年連続バレンタインデーキング。

 こういう男が女子は好きなんだろうな。

 もしかして秋月も、こういう男が好きなのかな?


「でも当ってて良かったよ。いつもハル、秋月さんの方ばかり見てたから」

「そ、そんなに見てねぇよ‼ その……一日に五……十回ぐらいだ」


 なんなんだ、この公開処刑は。

 秋月の前でもないのに、滅茶苦茶恥ずかしい。


「ハル、顔が赤いけど熱中症?」

「お前の所為じゃ‼」


 なんなんだ、こいつのこのスペックは。

 桐咲のやつはよく――


「そういえばお前、桐咲と帰らなくて良かったのか?」

「いいでしょ。もう子供じゃないんだから」

「そうじゃなくて、今日は桐咲の――」

「うん、覚えてるよ」


 恥ずかし気もなく言う緋色。

 こいつは俺より明らかに格好いい。

 でもそれは見た目とか性格じゃなくて。


「僕が姫の誕生日を忘れるわけないじゃない」


 こういうところが格好良過ぎる。


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