第七十二話
ル「戦いになると思ってるのか?」
私「99%君が勝つだろうね。」
ル「そう思っているのに我に戦いを挑むのか?」
私「ところで、君の戦力って後どれくらい残ってるの?ブネとフェネニクスと天使だけ何じゃないの?」
ル「何故そう思う?」
私「君は、バベルの塔に置いていた戦力、スライムやドライアドを根こそぎ奪われた。それだけならよかったけど原初の竜まで奪られてしまった。そして、滅ぼすことが出来ない悪魔や頑張って支配した桜竜に辺境の地へと追いやった妖魔まで仲間にしてしまい、私を純粋なる駒として扱えなくなってしまった。だから消すことにした。こう考えて、綿密に計画を立てて氷織が今実行中だ。君は後五時間は体を保っていられる。しかしそれは戦わなければの話だ。私は別にここで勝つ必要はないんだよね。時間だけは稼がせてもらいましょう。君は、この世界を崩壊させたいと思っている。だから天使に取り入ってまで戦力の確保に勤しんでいる。ご苦労なことだ。」
ル「何故分かった?」
私「人間の国にあった昇った悪魔の肖像画と陽魔境のルシファーの肖像画が同じだった。」
ル「必要な情報さえ手に入っていればかなりの確度で正解にたどり着ける。そんな貴様を殺さなくてはならないなんて残念だ。」
私「感情がこもってないぞ。」
ル「フラッシュバースト」
雷属性の爆発とバカ強い光を発する魔法だ。本来であればここまでの威力は出ない。
私「クリスタルナイトメア」
より弱い魔法で属性の相克を考え相殺する。
ル「グランドロア」
これもかなり厄介だ。副次効果でこちらが動けなくなる。
私「アメジストクリスタルピラー」
壁を作って直接的な影響を抑える。
ル「忌々しい。本来であれば貴様など生きて要られないものを。」
私「であればさっさと私を殺してみせろ。出来ないのだろう。貴様は弱いからな。」
ル「矮小なる貴様等に言われたくない。」
私「そんな矮小なる存在に良いように扱われてるくせして何言ってるの?魔力の消費量なら貴様のほうが上だ。」
ル「それでもかなり差があるようだがな。」
私「魔力量の差で強弱を振り分けるなど弱者のすることだぞ。」
ル「仕方ない。久方ぶりに本気を出すとしようか。」
私「お胸をお借りするつもりで行かせていただきます。」
ル「かかってこい。ニンゲン。」
梅花と新月を抜く。二刀流のスタイルだ。そして魔力を流し各種属性を付与する。魔力の回復量は全員同じだから、相手の魔力量が私を下回った所が勝負どころだ。ルシファーの魔力は推定で約千万。そう簡単に埋められる差は開いていない。一周回って私と同じ立場にいる。そう考えれば彼の立場は低い。仮初の肉体でこれだけの魔力量を誇るとはあっぱれだね。そして、何よりも剣技は私の方が上だが魔法を併用することでその差を埋めようとしてくる。ルシファーは、この世界屈指の剣士になれるはずだ。魔剣士としてだけ見るなら最強だろう。本来であれば絶望するような状況下なのに何故か楽しく感じてしまった。
私「君より、アスモデウスのほうが強いって完全にガセだな。」
ル「一番強いと公言すると厄介事に巻き込まれるからな。」
私「それもそうだね。」
ル「ところでお主手を抜いているな?」
私「なぜ?」
ル「二刀流のくせして一本しか使っていないではないか。」
私「二刀流苦手なんだよね。」
ル「では何故二本も持つのだ?」
私「保険かな?」
ル「そうか。」
着実に時間を稼がねば。そろそろだと思うが。
私「そういえば、ミカエルって何処にいるの?」
ル「さて、何処だろうな?」
私「後五分。」
ル「後五分立っても助けは来ないぞ。」
私「分かってるよ。ただもうすぐ十分だ。」
ル「そのようだな。」
私「ミカエルを私が倒せば君の障壁は一つ減るだろう。ミカエルは私に任せて人間をどうにかこっちに誘導してよ。」
ル「その約束を貴様が守るという証拠がないから駄目だ。」
私「あら残念。」
ル「話は終わりか?」
私「最後に一言だけ、ロンギヌス。」
ル「何!」
その瞬間ルシファーの脳天に白い閃光が突き刺さった。
ル「これは、勇者にしか使えないはず。」
私「光が勇者だと教えたのは貴方だけど。」
ル「ここの空間は封鎖されているではないか。」
私「時は封鎖されてないよ。」
ル「それがどうしたというのだ。」
私「火や水、光とか基本属性と聖、魔の二属性は、空間封鎖や空間固定によって動ける範囲が制限されてしまうが、時だけは時空間封鎖や時空間固定を使うことでようやく行動を制限できる。つまり、外で光が使用したロンギヌスを直撃前にこちらに時空間転送してしまえば君に当てることが出来る。私が時間を稼ぎながら君を特定の位置へと誘導する。結構頑張ったんだよ。さて、君の魔力は私と同等程度まで減ってしまったね。いくら天使のふりをしているとはいえ君は魔属性だ。不浄なるものを全て浄化する神聖なる槍、ロンギヌスはさぞかし痛かっただろうね。」
ル「忌々しい。ニンゲン如きが。」
私「勇者にしか使えない神聖魔法。勇者として覚醒していなければならない神聖魔法。勇者ではあるが、覚醒していない光。この三つだけを見れば、おかしな点があるが、光が覚醒してれば話は別だ。さて、そろそろかな?」
ル「次は何をしようというのだ。」
私「三…二…」
ル「馬鹿な。ブネとフェネにクスが負けただと。」
私「最後まで言わせなさいな。」
ル「今日の所はここで引いてやる。」
私「さようなら。楽しかったよ。次は勝つから。」




