第六十六話
潜水艦の大きさはある程度控えめ。雷鯨程大きくない。内蔵設備はみんなに黙って研究していた成果を注ぎ込んでいた。ディーゼルエンジンの代わりに石炭ボイラーと蒸気タービンを搭載した蒸気潜水艦を模して作り上げた。石炭を燃やしてボイラーを動かす必要がないので魔法で生み出した炎で水を沸かし蒸気として利用している。二酸化炭素が出ないから煙突を付ける必要はないし、一面ガラス張りに作ってるから何処に何があるかわからないし、利点と欠点がたくさんある。海の中にいる魚にイワシやマグロのような回遊性魚類がいない。
サ「マグロはいないの?」
私「私も思った。何処を見ても回遊性魚類がいない。」
ブ「回遊性魚類?」
私「生涯常に移動を行う魚の総称. イワシ,サバ,サンマ,カツオ,アジ,サケなど,多くの魚が含まれ、海水内,淡水内,および両方をまたがって移動する魚がいる。ようは常に泳いでる魚だよ。」
ブ「疲れないのか?」
私「知らないよ。ただ、常に泳いでいないと呼吸が出来なくなって死んじゃうから。」
琉「何匹かとって来るかの?」
私「食べれるかどうかもわからないからヤダ。」
琉「そうか。」
私「魚が食べたいなら刺し身か何か作ってあげるよ。」
サ「お刺身食べたい。」
私「サラちゃん。お酒は?」
サ「あるの?」
私「たまに飲んでるし。」
サ「確か法律で禁止されてなかった?」
私「私の国絶対王政だから。」
サ「ずる。」
私「そういうふうに国造りをしないから。でもお酒は飲めるよね。」
サ「法律上はね。」
私「法律上は?」
サ「実は、酒癖悪すぎて幹部から禁止されて、ちゃんと法律に乗っとてるし、文句も言えないから。」
私「今回ぐらいは良いんじゃない?」
サ「本当に?」
私「ええ。」
サ「有難う。ワインある?」
私「刺し身に合うのは熱燗だよ。」
サ「じゃあ熱燗で。」
私は適当に刺し身と熱燗を用意する。
私「琉圭食べる?」
琉「有難うなのじゃ。」
私「元気なくなっちゃった?」
琉「いや、先程約20m近い魚が隣を横切って少し驚いただけじゃ。」
私「20m。近くに鮫はいた?」
琉「わからないのじゃ。」
私「鯨かな?」
サ「僕の知識にはいないな。」
私「私もだよ。」
サ「探してみる?」
私「別にいいよ。どうせ小魚が集まってただけでしょ。」
そういった瞬間潜水艦が揺れた。そして現れる大きな魚。それは小魚の集合体などではなく、たった一匹の魚だった。
私「サラちゃん、琉圭捕まえてきて。人魚への手土産にする。」
サ「分かった。でも人魚っているかどうかわからないんだよ。」
私「言い伝えしか残ってないからね。」
サ「とりあえず行ってくるよ。」
私「行ってらっしゃい。」
琉「任せるのじゃ。」
そう言って出て行った二人。たった一撃入れただけで簡単に倒れてしまった。そのまんま潜水艦にロープで結びつけ、戻ってきた。
サ「思いの外硬かったよ。潜水艦が壊れなくてよかった。」
私「潜水艦は物質想像で作り出していてその強度は、発動者の魔力量で決まる。」
サ「そりゃ硬い訳だ。」
私「さてもう一杯やりますか。」
そしていっぱい飲んだ。
私「お風呂に入る?」
サ「あるの?」
私「ガラス張りだけど。」
サ「入る。見てるのなんて魚だけだから。一緒に入る?」
私「どっちでも良いよ。」
サ「じゃあ一緒に入って。」
私「いいよ。琉圭は?」
琉「入るのじゃ。」
ブ「では我は見張りをしておこう。」
私「有難う。」
お風呂に着くと琉圭が飛び込んだ。かなりの年月を生きてきたはずなのにどうしてこうも幼い部分があるのだろうか。
サ「体洗ってあげようか?」
私「大丈夫。」
サ「本当に?」
私「本当に。」
サ「じゃあ洗ってあげる。」
私「強制?」
サ「強制。」
私「好きにして。」
サ「ありがと。」
そして体を隅々まで洗われた。そして困る目のやり場。サラちゃんこれでも女性だから。体は幼いけど千年に近い期間魔王として君臨し続けたとなると流石。その実力はブラフラマーなんか目でもないくらい。まあブラフラマーの全力を見たことがないからなんとも言えないけど。浴槽に浸かろうとして止められた。
サ「今度は君がボクの体を洗ってよ。」
私「絶対?」
サ「絶対。早く洗って。」
私「嵌められた。」
サ「触りたくないの?」
私「そう聞かれましても。」
サ「触りたいでしょう。」
私「どちらでもないと申しますか。」
サ「早くして。まさか自分だけ洗ってもらうつもりなの?」
私「分かりましたやらせて頂きます。」
心を無にして頭から洗ってあげた。そして浴槽に浸かって外を見ていると眼の前に大陸らしきものが見えてきたから水氷魔法と大地魔法の応用で浮上を始める。一時間近くかかるからその間にお風呂から出て支度を済ませる。
私「そこまで強くないと良いんだけど。」
サ「戦うの?」
私「そうなるかもしれないよ。」
サ「どうだろうね。一周したのかもしれない。でもそもそもこの星って丸型じゃないからなんとも言えないんだけど。」
私「万が一戦いになって琉圭の絶対防御が破られたりこちらの攻撃が一切通じないと分かったらすぐに撤退しようね。」
琉「それは、魔法で撤退するということかの?」
私「そうなるね。」
琉「それほどの敵が魔法の発動を許してくれるか不明じゃぞ。」
私「そうだね。まあ行ってから考えよう。ベルゼビュート嬢達悪魔はいつでも呼べるから。」
サ「近くには誰もいないみたいだけど。」
私「探してみようか。」
ブ「どちらから探す?」
私「これが私達のいる大陸だとすればこのまんままっすぐ進めば人間の国が出てくる。それを確かめるためにもこのまま行こう。」
ブ「分かった。」
ブラフラマーって無口という設定だからあまり会話に入れないようにしているからたまに存在を忘れてしまう。




