第六十二話
私「私はどちらかと言うと偽悪者だよ。」
サ「嘘吐けよ。」
私「私は上司から君を殺すように命令された。そして君を殺した。始まりと結果だけを見るとこんな感じ。でも私は君の殺害命令を二年間放置していた。そして上司からどちらかが死ぬように言われた。だから君を殺した。自殺しようとしたときなんて言われたか知ってる?残った君がどんな目に合うのか一から説明された。だから組織を全壊して君を殺した。私の暗殺業も四年という短い間で終わるはずだった。そんな中私に声をかけたのが知り合いの社長だった。そしてその人の元で暗殺業を続けて今に至る。」
サ「それが本当だという証拠は?」
私「無いね。ここ異世界だもん。」
サ「君は嘘がうまいね。」
私「そんな事はないさ。」
サ「君確か常に依頼表を持ち歩いてたよね。」
私「今もあるよ。」
サ「それが証拠になるよ。」
私「捏造の可能性は?」
サ「それは考えなかった。でも君は完全犯罪が可能だからそんな事する必要ないよね。それに捏造してあったら流石に分かるよ。」
私「じゃあこれあげるよ。依頼表。」
サ「有難う。そしてごめんね。」
私「別にいいよ。これもあげたほうが良いかな?」
サ「何この壺。」
私「中に君の骨と灰が入ってるよ。」
サ「分かった。頂きます。」
私「壺はこの世界のものだよ。」
サ「なんで?」
私「灰と骨は、程ずっと身につけてたからね。」
サ「お風呂の時くらいは外さないと駄目か。」
私「あと行為中ね。」
サ「何の?」
私「国事。」
サ「相変わらずその舌は。」
私「長いでしょう。」
サ「どうでもいいわ。」
私「しかし、何故この世界にいるんだ?」
サ「記憶を持ったままというのは不思議だよね。お陰で転生しても君を恨み続けてた。」
私「ごめんね。」
サ「意識が完全に消える直前ボクに何したのかだけ教えてくれる?」
私「嫌だ。」
サ「確か、口付けだった気がする。他の人達にも似たようなことしてるの?」
私「殺した中では君だけだね。生きているのだと私今妃が十人いるし、婿は八人いるから。」
サ「多いな。」
私「驚いた?」
サ「ボクもその中に入りたいな。」
私「結婚はしないよ。」
サ「残念。」
私「体の関係だけなら良いよ。」
サ「それならそれで良いよ。」
私「諦めてもらうために言ったのに。」
サ「この関係ができたら何でもお願い聞いてあげるけどどうする。」
私「いや、いっか。具体的には?」
サ「この土地をよこせと言われたらあげるよ。」
私「それなら私達も…」
サ「さっきの国造り諸々は受けてあげるよ。」
私「じゃあ体の関係良いよ。」
サ「今の私女の子だから優しくね。」
私「私はどっちにもなれるけど。」
サ「本当に?」
私「うん。」
サ「じゃあ今日からよろ…」
私「しっかりと契約内容は考えようね。」
サ「はい。」
私「契約内容は、どうするの?」
サ「お願い事に対してランク付けをする。一だったら一回みたいな感じで。回数はストック出来る。どれだけ長くやろうと十時間開けない限りは一回とみなす。こんな感じで良いかな?」
私「良いと思うよ。」
サ「じゃあ早速よろしくお願いしたいかな。」
私「やだよ。特にお願いすることもないし。」
サ「なにかこう小さいものでもいいから。」
私「じゃあサラちゃんって呼ばせて。」
サ「いいよ。一回ね。」
私「そういえば君、昔家の中で…」
サ「ちょっと待って。何を言おうとしてるの?」
私「君がよくやってた語尾と…」
サ「もうやめて下さい。絶対に言わないで。何でもするから。」
私「じゃあサラちゃん呼びでいくから。」
サ「どうぞ好きに呼んで下さい。」
私「ありがと。」
サ「ところでこの見た目になにか言いたいことは無いの?」
サラちゃんの見た目は、可愛らしい男の子という見た目で黒髪、金瞳、ワイシャツにベストという服装、やけに人間に近しい姿をしている。
私「人間に近い?」
サ「流石。ボクは元々人間だったんだよ。」
私「転生前?」
サ「転生前もだけど、この世界に来たときも元々は人間だったんだよ。」
私「へー以外。」
サ「それで魔物と人間の融合生物を作ろうとした皇帝が色々実験してボクが出来たの。」
私「何で君が選ばれたの?」
サ「それは、美人だったから。当時の皇帝はかなりの面食いで、その中でもずば抜けて可愛かったボクが実験体になったの。で、神人を超える力を手に入れたから他者に縛られない魔王になったのが千年前。」
私「時間軸がおかしいよ。」
サ「向こうの世界の千年がこっちの世界の一年って考えれば納得がいくでしょう。」
私「それはそうだけど。」
サ「ボクの全力状態見てみる?」
私「見てみたい。普通に気になる。」
サ「いいよ。」
そう言うとサラちゃんの体の周りに無数の蔦が絡み合うようにして出現。額には二本の角、背中からは二対の紫色の羽。そして手元には一本の剣。そして最後に首元に黒寄りの紫色のチョーカーを付けた。他にも耳には青色の宝石が付いているイヤリング、左手薬指以外には指輪がはめ込まれている。そして一番の驚きが元々ディアに匹敵する魔力量だったのが百倍近く上昇した。今の私の魔力量とほぼ同じだ。ディアを仲間にした頃では勝てなかっただろう。
私「強いな。」
サ「最初の感想がそれか。」
私「悪かったね。」




