番外編「レイとディアのサイドストーリー」
知人から熱烈なお願いをされたので一月に出そうと思ったエピソードをなんと今出します。
『ストックないんだけどね。』
デ「最近魔裟様が構ってくれないんだよねー。」
レ「君もかい?この間迷宮守護をしてほしいと頼まれてからあまり話していないんだよね。」
デ「今度デートにでも誘おうかな?」
レ「なっ抜け駆けは許さないよ。だいたいさ、十日に一回はお互い相手してもらってるわけでしょう。それ以外での関わりが減っただけで。」
デ「でもこのままぽんぽんと勢力拡大をしていったらどれだけの人数が隣に立っているかわからないよ。」
レ「なら自分たちがどれだけ役立つか見せなくてはならないよ。」
デ「修行すれば良いんだよ。」
レ「負けないからね。でも魔裟様って何かに興味を持っている所を見たことがないんだよね。」
デ「まあ布団の中以外ではないね。」
レ「あの五名は見たことがあるのかな?」
デ「桜花様ぐらいならあるんじゃない?」
レ「あの五名にそれぞれ聞いてみる?」
デ「おそらく部屋にいるでしょうし、行ってみるのもいいだろうね。」
レ「取り敢えず桜花様の部屋から行ってみようか。」
魔裟様が一つ一つ丁寧に(?)作り上げた建物の内部に入り三階に行き一番最初の突き当たりにある部屋に入る前にノックを二回する。コンコンッという良い音はせず何かがはねているような音が響き渡った。
桜「レイとディアか何?」
相変わらずの無愛想感。見てて楽しいとはならないが魔裟様と一緒にいるときは非常に楽しそうだ。
レ「ちょっと聞きたいことがあってきたんですけど。」
桜「とりあえず中に入ってからにしようか。」
デ「有難うございます。」
桜「ああ、そうだ一番奥の小さな扉の中には絶対に入らないで。覗くのもだめ。その他であれば元あった場所に戻してくれれば好きに触ってくれて構わないよ。取り敢えずそこの椅子にでもかけててお茶淹れてくるから。」
レ「いえ、それくらいやりますよ。」
桜「いや君たちは招いていないとはいえ客だからここは部屋主だからこっちでやるよ。」
デ「有難うございます。」
〈五分後〉
桜「お茶と茶菓子だよ。魔裟が作った八つ橋だよ。頼んだら作ってくれた。」
デ「そんな貴重なものをいただいても宜しいのですか。」
桜「まあまた今度作ってもらうし。それよりなにか聞きたかったんじゃないの?」
レ「はい。魔裟様は僕達から見て興味を持った瞳で見るものはなにもないと思うんですけど実際どうなんですか?」
桜「魔裟が興味を持ったものは殆ど自力で分かるか、参考文献を読み漁って予備知識や似たようなものも一緒に身に着けていったから分からないものなんてほぼないしあるとしたらそれは人の心や心情ぐらいだからね。だから最初はこっちの世界に来てなにか興味を持つものがあるのかと思ったけど魔法すらあっさりと身に着けてみせた。だから彼が分からないのはもう超絶科学の領域なんだよ。」
デ「魔裟様は何が好きなのですか?」
桜「好みか。そうだね、可愛い男の子かな?後は平和だね。温泉も好きらしいけど本当のところは知らないよ。」
レ「平和と温泉ですね。有難うございます。」
桜「いちおう樹とか珠洲と後光と氷織さんに確認してみな。」
デ「そうしてみます。」
玄関から出て立ち去ったふりをする。
桜「さてようやくアレが出来る。」
そう言って奥の扉の中に入っていく。中には試験官の中に入った血液や毛髪、皮膚片など様々なものがおいてあった。そして壁一面に貼られた魔裟様の写真。思わずレイが声が出してしまった。
レ「うっ。」
桜「誰。」
レ「ひぃ。」
そう言ってレイが一目散に逃げその後を追った。しかし、あっさりと後ろから肩を掴まれてしまった。
桜「誰にも言わないでね。」
二人「はい。」
今度こそちゃんと部屋を出る。
レ「なんか他の方々の所もこうだったらって気が気じゃないから行くのやめようか。」
デ「そうしよう。今の情報だけでも有効活用しよう。」
レ「それじゃあどちらが先にデートに誘うか決めるために勝負しようか。」
デ「良いよ。」
〈20分後〉
デ「次の一撃で僕の勝ち。下手したら君、死ぬよ。」
レ「勝てなかったか。闘気で魔力が乱されてなければもう少し戦いようはあったか。」
デ「じゃあデートに誘ってくる。」
レ「体力を回復させておく。」
〈十五分後〉
デ「やっと見つけました魔裟様。何処かの温泉にデートしに行きません?」
魔「ディアか。良いよ。私はエルフがやっているらしい足湯を聞いたんだけどそこに行きたい。」
デ「分かりました。そこに行きましょう。できれば首輪とかしてくれると...」
魔「しないよ。デートって基本的に同格の者同士で行うことだからどちらかを縛ったりどちらかだけが快感を得るなんてあってはならないことだからね。取り敢えず必要なお金は経費で…
そこまで行った途端部屋が凍りつき魔裟様と一緒にいた氷織様の顔が険しくなると同時に魔裟様と一緒にいたベルゼビュート様の眉がつり上がった。
魔「落とせなさそうだから私が全部出すよ。」
デ「有難うございます。」
魔「それじゃあ行こうか。」
デ「はい。」
〈二時間後〉
魔「思いの外来るのに時間かかったね。顔赤いけどのぼせてるの?」
デ「いえ、そんな事はありません。」
素足が綺麗だったことに見惚れていたなんて言えるわけがない。
魔「それじゃあそろそろ帰ろっか。」
デ「はい。」
魔「最近君とかとこういう事ができてなくて残念だよ。これからは増やしていくから。付き合ってね。」
デ「はい。こちらこそお願いします。」
まあ見てくれた人はわかるだろうけど、みてみんにあげた挿絵の画像に多少関連させた物語、ストーリーになってます。次回は流石に氷織かな?ブネとか今更感あるしこの後ていうか明日の午後他の数名高屋敷とか上げる予定です。
こんな感じの短いエピソードを他のペアやカップリングでやっていくので期待していて下さい。千五百文字以上のマジで短いエピソード又はちょっと長めのエピソードのどちらか。
戦争が終われば純粋にいちゃいちゃだったりスローライフを描くことが出来るんだけど戦争というタイムリミットがあるとどうしても動かしにくい。