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勝手に異世界転移させられて許せるわけがないでしょう  作者: 黄菊華
第五章魔王との交渉
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第九十六話

                   〈神宮寺宇宙目線〉

神「わざわざ時間を作ってもらって悪かったね。」

一「別に構わないさ。それで要件は何だ?」

神「君が作ったっていう銃の構造が知りたくてね。向こうの世界にあった銃の発射原理はいくつかあるが殆ど似通っている。例えば、プライマーが圧力を受けて撃発し、弾薬内の装薬、まあ火薬だね。その装薬に引火する。 装薬の燃焼によって高圧ガスが発生し、ガス圧に押されて弾頭が銃身内を加速、発射される。他もだいたいこれと同じだ。けど、ここは異世界だ。魔法を使うことで別の仕組みでも飛ばすことが出来る。研究材料としてはこれ以上ない。」

一「そういうところが嫌いなんだよ。」

一ノ瀬は懐に忍ばせていたのか銃を突きつけてくる。

神「そう。それで?嫌いだからどうするんだ?」

一「殺す。」

神「やってみたまえ。第一それを作れるのが君だけだと思わないほうが良いよ。」

一「どういう意味だ。他の誰かに作る事ができてもここまでの制度には出来ない。」

神「そうだろうね。そこまで下手に作るのは君ぐらいだ。」

一「さっきから何なんだお前。何の為にこの銃の構造を知りたいんだ?どうせ作れないから聞きに来たんだろ。お前より俺のほうが頭の出来が良かったみたいだな。低能のお前に教えてもわからないだろう。」

神「は。さえずるなよ、ゴミが。誰が低能だと。僕がわざわざこんな事をしているのは紛れもなく弟子のためだ。第一銃なんかこの世界に来た当日に作り上げたよ。まだ魔法をどうやって使うのか分からなかったから元の世界の原理だけどね。」

そう言って僕も銃を取り出す。

一「なっ、神宮寺貴様俺を殺してただで済むと…

神「思ってるよ。」

一「俺は、天帝からこれらの武具を作るように命じられているのだ。途中で殺されるなんてことになったら戦力の大幅低下に繋がる。」

神「頭おかしいんじゃねぇの?君が武器を作ることによって戦力強化になったとしても戦力低下に繋がることはない。それに仕事が早いことで評判の君だ。もう全員分作ってあるんだろう。長めの期間を見繕って短期間で終わらせる。そして残りの時間は遊びたい放題。いいんじゃない?」

一「神童と呼ばれたのは伊達じゃないらしいな。だから俺はお前という存在が許せ…

パンッという音とともに崩れ落ちる一ノ瀬。

神「存在の否定はパンドラの箱だよ。この世界では力を得れば簡単に全てなかったことに出来るんだから。取り敢えず君が作った物は一つずつ貰っていくね。」 

                      〈閻魔目線〉

閻「何?主様と同じ名前の冒険者がいた?」

影「はい。ですが、何でも前世の記憶があるようで妹にしか話していないようです。Sランク冒険者で名は緋色。妹は紅蓮です。そして何よりも獣人族のように見受けられました。頭部には明らかに無理矢理切り裂いた傷跡がありました。妹は緋色の事を非常に好いているようです。」

閻「他には?」

影「王宮内部で何やら騒動が起こった模様。出入りが完全に封鎖され警備もかなり厳しくなっています。内部への侵入はかなり厳しそうですが警備の入れ替わりの時間や配置を全てまとめましたので不可能ではありません。」

閻「行きて出られる確証がないから内部への侵入は許可しない。それとこの件は俺から主様に伝えておく。影華達は主様の護衛に向かえ。」

影「御意。」

                     〈主人公目線〉

宿を見つけケルベロスと休んでいたら閻魔が思念を送ってきた。

私『閻魔か。何だ?』

閻『主様にお知らせしたきことがございます。』

私『良いよ。内容は?』

閻『まずはSランク冒険者緋色と紅蓮についてです。まず緋色は前世の記憶を持っていて前世の名前がたなかまさとだと言っているようです。』

私『前世の記憶は少々気になるが万一私達と同じ世界の人間なら別にたなかという姓もまさとという名も珍しくない。たまたま被った可能性もある。』

閻『そしてその緋色の妹にあたる紅蓮ですがその兄のことを非常に好いているようです。』

私『そこはどうでもいい。恐らく伝えたいことはそうじゃないんだろう。』

閻『ご明察通りです。その二人は何やら獣人族だそうです。』

私『は?』

閻『申し訳ございません。』

私『謝る必要はない。ただ、亜人が人と暮らしていないものだと思い込んでいたから。迫害とかされてないのか?』

閻『特徴的な耳はそいだようですし、尻尾は服でごまかせます。』

私『なんとか行きてきた可能性が高いと?』

閻『はい。』

私『今度、というか明日そいつの家まで案内してよ。保護対象だし話を聞いてあげようかと思って。大丈夫そう?』

閻『はい。問題ございません。』

私『他には?』

閻『王宮内部への出入りが禁止され警備が強化されたようです。』

私『理由は?』

閻『外部から見られる情報しかなく、警備の交代時間や人数、配置全て把握しておりますので必要とあれば内部に侵入させますが?』

私『必要ないし、君の部下たちだと神人に勝ち目はない。見つかって無事に帰れる保証はない。無理はさせるなよ。』

閻『心得ております。』

私『ならいい。こっちの方で探りをいれる。高屋敷あたりなら何か分かる可能性が高いだろうし。それと他に紅蓮などと同じ亜人がいないか探っておけ。』

閻『承知しました。』

私『もうない?』

閻『はい。』

私『じゃあきるね。』

閻『失礼します。』

さてどうしよっかな?緋色に紅蓮ね。これが一番の問題だ。

私「ケルベロス、お前亜人のふりできるか?」

ケ「それは人の姿で耳と尻尾を生やし亜人を名乗れば良いのか?」

私「うん。そういう事。」

ケ「それなら容易いことだ。」

私「それじゃあ一日開けたんだから今日はいけるよね。」

ケ「いや、ちょっと無理っていうか流石にもう出来ないっていうか。」

私「いけるでしょう。だって君の要望通りに一日開けてあげたんだよ。」

ケ「やめろ手をいれるな。」

高『魔裟斗っ大変な事がおきた。王宮内部で殺人事件よ。殺されたのは貴族アグニとやらよ。』

私『それで王宮内部の出入り禁止に警備の強化なんかが起こったんだ。』

高『もうそこまでの情報を集めたの?だからちょっと手を離せなくなるかも。』

私『いや、別に構わない。そっちはそっちで怪しまれないように専念して。』

高『了解。』

私『それは目上の人が目下の人にする了承だ。』

高『私は生徒会長よ。』

私『私は国王で君の上司だ。』

高『どうでもいいでしょう。そんなこと。』

私『そうだね。まぁ取り敢えずお休み。』

高『ええ』

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