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第六十四話:サンティエゴ制圧戦②

 伊400から放たれた50連ドローンロケットミサイルは白い煙を噴き上げながら舞い上がっていき水平飛行に移ると一気に加速してサンティエゴに向かっていく。


 “瑞鶴”“翔鶴”隊の大編隊の上空を白煙を引きながら凄まじいスピードで追い越していくのを見た飛行隊長『江草隆繁』大尉は感嘆の声を上げる。


「あれは……ドイツからの技術供与を受けたロケットかな? 大したものだ」


 今現在、米本土に向かっているところだが不思議な事に恐怖と言うか死ぬかもしれないと言う感情が一切、沸き起こっていないのである。


 ちなみにそれは他の搭乗員たちでも同じだったが彼らは日頃の猛訓練の結果だろうと思っていたのである。


 そろそろ視界の端に陸地を捉える時間だなと思った時、凄まじい爆発音が聞こえて来たかと思うと遥か向こうからあちこちで爆発音が聞こえてくる。


「あの例のロケットか……。よし、俺達も負けずにやったろうではないか!」


 ドローンロケット対地ミサイルは全弾、あらかじめコンピューターによって登録されていた場所に次々と命中して爆発する。


 サンティエゴ基地は突然の攻撃により大混乱状態になったが直ぐに各持ち場を離れずに冷静になれと命令を触れ回り何とか態勢を復活させることができたが何処からの攻撃であるか分からなかったのである。


「航空基地の連中は何をしているのだ!? 早く援護してもらわないとこの基地一帯の制空権がジャップの手に渡ってしまうぞ!」


 その言葉が終わると同時にフィッシャー中将の下に凶報が届けられる。


 それを見たフィッシャー中将は、崩れるように倒れこむと傍にいた参謀達が大丈夫ですか? と寄ってきたが大丈夫だ、あまりにも信じられない内容で力が抜けただけだと言うと凶報の電文を皆に見せる。


「……(;゜Д゜)(;゜Д゜) (;゜Д゜)……」


 その内容は、周辺における8つの航空基地はジャップの新兵器? により甚大な被害を生じて半年から一年は使用不能状態で搭乗員を始めとする人員も数千人規模が亡くなったと等のことである。


 皆の表情は真っ青になって無言状態が数十秒間続いたが新たに凶報が届けられると共にサンティエゴ周辺全域にサイレンが鳴り響く。


 フィッシャー達が建物の屋上に出ると海の方からくっきりと日の丸が描かれた航空機の大編隊が確認できる。


「あれは……空母からか! なら、水平線のかなたにはジャップの艦隊が迫ってきている筈」


「司令! 基地内の対空砲火設備の八割が破壊されて使用不能です!」


「うろたえるな! 基地内には3個師団が駐留している。ジャップの上陸部隊が来たらそこからが始まりだ! ジャップはこの基地を制圧してそのまま使用する事を考えているから重要な施設は攻撃されない筈だ」


 フィッシャー中将は的確に的を得ている発言であった。

 一方、サンティエゴに侵入した“瑞鶴”“翔鶴”隊はそれぞれ二手に分かれて攻撃をしてくる。


「撃て撃て!! 砲身が焼き切れるまで撃て撃て!」


 僅かであったが生き残った対空砲台座からポンポンと撃たれるが練度が低くて全然当たらなく反対に99式艦爆の急降下攻撃により台座が吹き飛ばされていく。


「クソッタレ!! 何故、当たらないのだ!?」


 米兵たちの叫びが聞こえたかどうかわからないがゼロ戦のパイロットの一人がそれは未熟だからさ! と独り言で呟いた。


 一方、魚雷を抱いている97式艦攻は湾内の艦艇を目標として攻撃を仕掛けるが巡洋艦以上の艦はいなく駆逐艦等の小型艦艇のみで搭乗員たちは落胆するが次々と駆逐艦へ魚雷を発射していく。


 湾内にいるので駆逐艦も回避行動が鈍くなるので次々と命中して轟沈していく。

 命中率90%という驚異的な数値であった。


 サンティエゴ司令部の下には次々と報告が来るが全てが凶報で何処どこが壊滅した、通信途絶等である。


 30分間程、暴れまわると日本機は去っていきフィッシャー中将は次の攻撃まで色々とやらねばならないと思った時、参謀の一人が転がるように入ってくる。


「お……沖合に……ジャップの艦隊が出現しました!」

「!?!?!?」


 フィッシャー中将が転がるように外に出て高台に行き双眼鏡で沖合を覗くと水平線上いっぱいに艦艇が出現するがその中に一際巨大な戦艦を見る。


「あ……あれは……我が最新鋭戦艦5隻を一瞬に葬ったという……モンスターか!」

「し、司令! モンスターが発砲しました!!」

「(;゜Д゜)!!!」


 戦艦“大和”防空指揮所にて艦長『有賀幸作』大佐は双眼鏡を覗きながら砲撃を命令する。


「戦死された石原閣下に捧げる鎮魂歌だ!」


 一番・二番砲塔から轟音と共に46センチ巨弾が放たれる。

 第一撃は唸りを上げて海岸線に展開している陣地に飛び込んで爆発する。


「ギャ~~~~ッ!! グワ~~~~~~ッ!!」


 海岸線一帯に地響きと共に配備されていた重砲や戦車等あらゆる物が紙切れのように吹き飛んでいく。


 兵士も例外なく体の四肢が千切れ飛んで原形をとどめない程、吹き飛ばされる。

 初撃を生き残った徴兵されたばかりの若い兵士は数十秒前には威風堂々としていた強固な陣地が跡形もなく吹き飛んで戦友も一瞬で死体となった光景を見て泣き叫んでしまう。


 その間にも沖合から次々と轟音が発せられるのを聞いた兵士はパニック状態になって逃げるように後退するが“大和”の巨弾による死神の鎌は非情にもその兵士を一瞬で意識を刈り取ると同時に原形をとどめない程、千切れ飛んで肉片となっていく。

 


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