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第十六話:サンティエゴ攻撃②

投稿します

 武御雷神矛の第二斉射は新たに四つの桟橋を木っ端微塵にする。


 既に伊400には数十発の砲弾が命中していたのだが装甲に傷一つ付いていなくその異様な光景に守備隊は得体の知れない恐怖感が襲ってきていたのである。


「おい、傷一つ付いていないぞ!? 命中している筈なのに!」

「見ろよ、航空隊が来るぞ!」


 ノースアイランド海軍航空基地及び付近から緊急発進した全航空機三百機が伊400に向かって行ったのである。


「くそったれ! ジャップめ! いいな、絶対に沈めてやれ、嬲り殺しだ!」


 航空隊司令『キャノン』少将は愛機のF2Aバッファローに乗っていて海上に浮かんでいる大型潜水艦を発見すると咆哮する。


 その様子を見ていた日下は冷静に十五センチ対空MOAB弾装填を命令する。


「二発程度で十分だな、全機撃墜出来るだろう」


 数十秒後、後部十五センチレールガンから対空MOAB弾が轟音を上げて放たれると共に初速マッハ七という高速で編隊の真上で炸裂する。


 炸裂と同時に凄まじい爆風と爆発した圧力が編隊を広範囲に襲う。


 一瞬で百機以上が木っ端微塵になり細かい破片となり海上に墜ちていく。

 続いて第二斉射が放たれるとキャノン少将の真上で爆発した為、彼は一瞬で天に召される。


 彼らにとって幸いだったのは苦痛も何も感じずに命を狩り取られた事である。


 海軍基地では上空を覆っていた友軍機が一瞬で全滅したのを見ると手が付けられないパニックが発生する。


 それをドローンで見ていた日下は武御雷神矛の発射を中止してノースアイランド海軍航空基地を対地MOAB弾で破壊する事を決定する。


「二発を発射後、潜航してこの海域から離脱する! 急げ」


 新たにレールガンから二発続けて対地MOAB弾が轟音を上げて放たれる。

 ノースアイランド航空基地は一瞬で滑走路を始めとして大地をえぐり取られると共に管制塔や本部事務所の建物が吹き飛んで更地状態になる。


 手が付けられない程の大パニック状態をドローンで確認した日下は潜航を命じる。

 伊400は回頭して艦首を出口方面に向けると微速前進しながら艦が動く。


「逃がすな! 逃がすな! 奴を撃沈しろ!!」


 海岸では上級幹部が血相を変えながら口角泡を噴き出しながら喚いているが圧倒的な破壊力を間近にみた守備隊は戦意喪失していたのである。


 伊400はゆっくりと潜航していき海面から姿を消す。


 発令所内で日下は満足そうな表情をすると橋本にこのまま抵抗なしに出してくれるかなと質問すると橋本は分かっているでしょうにと言う表情をしながら答える。


「この付近にいる潜水艦や駆逐艦が総力を挙げてやってくるでしょうね? 最悪、敵潜水艦に体当たり攻撃を仕掛けないといけなくなるかも?」


 橋本の言葉に日下はにやりと笑うと頷く。


 橋本の言葉通り既に米国潜水艦四隻が海中に潜んでいて伊400を待ち構えていたが伊400では既に探知済であった。


「51式で敵潜水艦を葬ろうか! 一番管から四番管に51式誘導魚雷を装填だ!」

「敵のパッシブソナーに探知されました! 距離五千メートルです」

「魚雷発射口開放!」


 伊400の船首魚雷発射口がゆっくりと開いて海水が発射管に流れ込む。

 日下は敵潜水艦迄の距離と伊400の速度等を瞬時に頭で計算して発射タイミングを計る。


 CICスーパーコンピューターで瞬時に計算することが出来るが日下は潜水艦艦長としては自分で計算して発射タイミングを計るのが気持ちいいと言っていた。


 敵潜水艦四隻も魚雷を装填して発射タイミングを計っていた。


 お互いの距離が千メートルをきった時に伊400から四発の51式誘導魚雷が発射されると同時に米国潜水艦からも次々と魚雷が発射される。


「ジャップの潜水艦から魚雷が発射された模様!」


 ガトー級潜水艦“バンガード”のソナー員が叫ぶと艦長は魚雷をやり過ごすために今よりの地点から下降することを命令する。


 他の潜水艦もそれを真似て降下した時、ソナー員の絶望の叫びが聞こえてくる。


「魚雷が方角を変えました! 誘導魚雷です! 正面です!」


 51式魚雷は次々と米国潜水艦の艦橋に命中して爆発する。

 艦橋が吹き飛んでそこから海水が雪崩れ込んで浮上する間も無くそのまま沈降していき全員が溺死する。


 一方、米国潜水艦が放った魚雷は全て伊400に簡単に躱されて無駄になる。


 その時、海上から爆雷が投下されたようで伊400の周囲で爆発するが何の影響もなくそのまま進みながら無事に太平洋に出る。


「このまま、深度を三千メートルまで下降してパナマ運河を破壊する!」


 日下の号令に機関室から返答が返ってくる。

 伊400は悠々と深海深く潜行して完全に米国の追撃を躱してパナマ運河方面へ向かう事する。


 艦内では久々に暴れて皆が上機嫌であった。

 その中、ルーデル閣下と岩本大尉は面白なさそうに食堂でサンドイッチを食べていたのである。


「サンティエゴ海軍基地は壊滅と言っていい程だな、あの映像を見たが流石は伊400と言った所か」


 ルーデルは、ラムネが入ったジョッキを片手に持ちながら岩本に言うと彼も頷く。


「まあ、次のパナマ運河は思いきり暴れさせてもらおうか! 関門だけではつまらないからな」


次話も頑張ります。


よろしくお願いいたします

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― 新着の感想 ―
[良い点] やっぱ暴れるにはチートですね。 当時の米軍は国力チートなので伊号400程度がバランス取れますね。
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