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短編とかその他

終焉を呼ぶ魔女

作者: リィズ・ブランディシュカ





 その魔女は世界の終わりを呼ぶ存在だった。


 だから「魔女が生まれたら殺す」。


 それがその世界の常識だった。


 しかし、その行為をためらった者達がいた。






 その夫婦は、やっと授かったその子供を殺す事ができなかった。


 やがて、世界に害をなす存在になると分かっていても、愛を注がずにはいられなかった。


 だから、魔女となる存在はすくすくと育ち、愛らしい女性になった。


 そのまま、普通の人間として生きていけると思うほど、その女性をとりまく日々は平穏だった。


 しかし、彼女は魔女。


 ある日、その体に秘めた魔の力を暴走させてしまう。


 そして、彼女は大切な人も、住んでいた故郷も失ってしまった。




 危険な魔女。


 恐ろしい魔女。


 やっかいな魔女。


 驚異的な魔女。


 憎むべき魔女。


 忌むべき魔女。


 死すべき魔女。




 世界中の人が、その魔女を討伐しようと、魔女の元へ押し寄せた。


 魔女は死にたくないから、それらをすべて叩きのめす。


 涙をこぼしながら、叩きのめす。


 仲良くしたかったと、叩きのめす。


 ただ生きたかったのにと、叩きのめす。


 そうして、最後の一人を叩きのめしたとき、全ての人類が死滅した。


 魔女の日々に、静寂が訪れた。


 危機はもうない。


 しかし、平穏も、もう訪れない。



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