どこまでルビを振ったらいいのだろう……
現在、新作の短編を執筆中なのだが、迷っていることがある。
ルビって、どこまで振ったらいいんだろう?
あまり振りすぎると、読者様をバカにしているような気分になってくる。
まったく振らないと、思いもしなかったような読み間違いをされたりすることもある。
中間をとる?
中間をとるにしても、どのへんが中間なのか、よくわからない。
とりあえず『ここを読めないひとがいると困る』というところの漢字にルビを振り、読めなくても支障はないようなところには振らないでみた。
でもやっぱり、あんまり丁寧に振りすぎると読者様をバカにしているような気になってしまう。
それになぜ『肩甲骨』にはルビを振るのに『頸椎』には振らないのか? みたいな問題が発生してしまう。
『爺ちゃん』にはルビを振るのに、なぜ『両親』には振らないのか? とか、色々悩んでしまう。
とってみた。
やっぱりここをもし読み間違えられたら、背景が別の場所になったり、登場人物の姿が想像してほしいものとはまったく別のものになったりしてしまって、困る。
書いている作品の登場人物の名前はカタカナだ。振る必要がそもそもない。
でも『爺ちゃん』をなんか人の名前だと誤読されて、『ちゃんが付くから女の子?』とか思われたら物語に支障が出る。
いや、読者様はそこまでバカではないだろう。
いや、もしかしたら、バカなのか?
ルビの話から少しずれるが、以前、『独りごちる』に誤字報告をくださった方がいた。『独り愚痴る』が正しいのだと思ったそうだ。
確かに読書をあまり普段されない方にとっては聞き慣れない言葉だろう。でも『独りごちる』は本を読む人間なら普通に知っている言葉だ。『独り言を言う』だと目にうるさいから私はシンプルにするために『独りごちる』を使ったのだよ。
それをもしかしたら『普段使わないような文章の言葉を使って、気取ってる』とか思われているかもしれない。
小説はコミュニケーションな部分もある。難しい。
ルビ。振りすぎても、あまりに振らなすぎても、支障が出るような気がしてしまう。
バカにされてる感じを読者に与えてもいけないかもだし、そもそも読んでもらえなかったら爺ちゃんが女の子になってしまうようでは困る。
多くの人に読んでもらいたい作品にはルビを振りまくり、読書人だけに読んでもらいたい作品にはまったく振らないというのが正解なんだろうか?
うーん……。
ひらがなとカタカナだけで書きたくなって来る。