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HappyHunting♡  作者: 六郎
第6章 盗賊団 (領都ロムスコ:エチル、マイン、ターニャ)
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案内してくれた騎士に要望を聞かれて風呂のあるそこそこのホテルを紹介してもらった。

食事も美味いらしい。

騎士が宿主と交渉し半額になるようだ。

この宿は他に軍と契約した冒険者達が泊まっているという。

軍御用達のホテルのようだ。


「サーヤ君!お金を貯めるコツは?」

「はい!固定費を少なくすることです」

「その通りだ。はっはっは」


部屋に着いて今後の事を相談していた。

4人部屋だ。


「これからどうします?」

「先ずは防具屋へ繰り出そう。サーヤ君の防具を僕達のと一緒に出来るかもしれない」

「そうですね!」

「え、あ、あの。私は今のままでも」

「サーヤ君!君は大熊戦を忘れたのかね!?」

「い、いえ!」

「旅を続けたいなら良い装備を纏う。そう言ったよな?」

「は、はい!すみません」

「これから大盗賊団との闘い。僕等にとっても初めての大規模な戦いだ。準備を万全にする。分かったね」

「わ、分かりました!よろしくお願いします!」

「うむうむ。では早速出掛けよう。早めに注文した方が良いだろう。いつ戦争が始まるかもしれない」

「そうですね。行くわよ、サーヤ!」

「はい!」


宿の人に聞いて他に軍御用達の武器防具道具屋を聞いて先ずは防具屋に向かう。


「リガル・サーペントの防具ね~」

「こんなのです」


上着を脱いで現物を見せる。


「なるほどなー。おっ、魔法付与もかよ!?金掛かってんなー」

「出来ます?」

「あぁ、リガルは滅多に手に入らねぇけど買う奴がいなくてな」

「人気無いんですね」

「大体硬いのに集まるな。金属鎧とか、見るからに硬そうだもんよ。魔法付与で更に堅くなるし」

「この子の物なんですけど」

「おぅ!別嬪さんだね。おじさんが採寸しちゃうぞ「あんたっ!」・・・ぐはっ」

「すまないねぇー。妻の私が採寸するから安心してね」

「は、はい」

「よし。じゃぁ、僕も採寸を手伝うか」

「オラァ!」


「はい。お待たせ。採寸終わったよ。ナイスバディで私も見惚れちゃったよ」

「くそっ」

「おらっ」

「ぐっふ・・・そ、それでいつ位に出来ます?」

「魔法付与も同じのだよね」

「はい」

「1週間ってところかね」

「分かりました。では出来たら宿まで連絡をください」

「はいよ。多分早く出来るかもね」

「よろしくお願いします」




「それでこれからどうします?」

「ギルモ・ドゥ=ラ・マージオに行くぞ」

「そっか!」

「ギルモドラ?」

「魔術師ギルドだ」

「魔術師ギルド!?」

「そうだ。綺麗なおね・・・魔物図鑑や戦闘に必要そうなのを見繕いに行くぞ」

「そ、そうね」

「分かりました」




魔術師ギルドはやはり曲線的なデザインの建物だった。


カランカラン


「こんにちはー」


身構えながら入るが鳴き声はしない。


「はい。いらっしゃいませ。依頼でしょうか?」


ギルド内に居たのは40代くらいの男だった。


「お邪魔しましたー」

「待て待て待て」


菊池君に首根っこを掴まれ引き戻される。


「魔物図鑑ありますか?」

「えぇ、御座いますよ」

「お幾らですか?」

「5万エナです」

「買います」

「・・・即決ですか」

「えぇ」

「・・・分かりました。他に入用の物は?」

「他に何か冒険者に必要そうな本とかあれば・・・」

「冒険者ですと・・・このスキル大全という本などは如何でしょう?」

「「「スキル大全?」」」

「えっ、えぇ。冒険者だけでなく生産職や商人、あらゆる人々のスキルを集めて調べた本になります」

「そ、そんな貴重なもの・・・本で売って良いんですか?」

「それは秘密にしておいた方が、という考えですね?」

「えぇ。特に冒険者なんかはスキルで稼いでるようなものでしょ?」

「その通りですね。生産職や商人と違い、冒険者は切った張ったの世界。如何に自分のスキルを隠して相手のを暴き出すか。そういうところでしょう」

「その通りです」

「それは主に犯罪に関わる者か、人に知られたくない者か」

「そうでしょうね」

「人に知られたくない者の考えは様々で分かりませんが、こと犯罪者の事であれば、公にしておいた方が捜査が捗ろうというもの」

「なるほど」

「固有スキルが犯罪に使われれば容疑者の発見は容易になるでしょう」

「なるほど」

「ですので調べられる限りのスキルを調べて世に知らせているのです」

「国や領主だけに売ったりしないんですね」

「えぇ。そもそもこれは奴隷王が始めたことでして」

「「「奴隷王が!?」」」

「えぇ。犯罪に関することもそうですが、他人との協力でも知っておいた方が良いだろうと編纂を始められたと聞き及んでいます。冒険者の交流がスムーズになり被害減少や依頼達成率の向上にも役立ってると言われています」

「なるほど」

「勿論この世の全てのスキルを載せられませんが、出来るだけ集めていますよ」

「買います」

「10万エナになりますが・・・」

「買います」

「そっ、そうですか。お買い上げ誠にありがとうございます」

「いえいえ」

「この売り上げは私共の活動に使わせて頂きます」

「これからもがんばってください!」

「ありがとうございます。そのお言葉で仲間の努力も報われるでしょう」


「そうですか、じゃぁ他にポーションなんかも買います」

「ありがとうございます。こちらのスタミナポーション等がお勧めです」

「「「スタミナポーション?」」」

「はい」

「他のギルドでは売ってませんでしたね」

「そうですか。人気の商品ですからね。売り切れていたのでしょう」

「人気・・・」

「えぇ。文字通りスタミナが回復するので前衛職にはもちろん、後衛にも人気ですよ」

「後衛には魔力ポーションではなく?」

「魔力ポーションだけでなくスタミナもですね。特に最近は大盗賊団の討伐で移動が多いですから。移動は体力が低めの後衛にはきついのですよ」

「疲れが取れる?」

「取れはしません。まだやれる、継戦力増加ですね」

「なるほど。長期戦に、ってことですか」

「はい。盗賊討伐でロムスコには余計に仕入れるよう言われています」

「そっか、では他で買えないかもしれないから余分に買っておきますね」

「あぁ。そうしよう」

「サー・・・君も何か欲しいのが有ったら言うんだよ」

「はい」


「では魔物図鑑とスキル大全、スタミナポーションで20万エナになります」

「はい」

「ありがとうございました。皆さんの御武運をお祈りしています」

「「「ありがとうございます」」」




「思わぬ収穫ですね」

「あぁ、スキル大全!早く帰って読みたいな!」

「子供みたいですね」

「早く帰ってコロコロコミック読もうぜ!」

「私にしか分からんし!」


「この後は・・・」

「冒険者ギルドで登録するか」

「そうですね。明日依頼を受けるのにカードが有った方が良いですね」

「あの、ガルドさんからの紹介って事は名前は・・・」

「だろうな」

「そっかー、そういやそうだったわ」

「宿も防具屋も今までの名前で通してるし、この街はそのままで行こう」

「「はい」」

「少し残念ではあるわね」

「そうですね、考える楽しみが」

「違う自分になれる楽しみもね」


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