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HappyHunting♡  作者: 六郎
第5章 異世界・オブ・ザ・デッド (フォセン:エチル、マイン、ターニャ)
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⑤-17-93

⑤-17-93




カズヒコ達が数日を休日で過ごしていると彼らはやって来た。


「なっ、何だあれは!?」

「ぐっ、軍隊?」

「軍隊?どこの?」

「分からん!こっからじゃまだ旗も見えん!兵長に知らせろ!」

「りょ、了解!」


西門の櫓から彼方に集団がやって来るのが見えた。

一瞬ゾンビか魔物の群れかと思ったが隊列を組んでやって来るそれは人間である可能性が高い。


「兵長どうします?」

「上官に知らせるも先ず何処の所属か分からねば報告出来ん!」

「はっ!」

「警戒態勢発令!人数を集めて街壁に集合させろ!」

「了解しました!」


やがて一団が近づき掲げる旗が見えてくる。


「伝令!紋章を確認!ソルスキア王国軍です!」

「なんだとっ!?何故王国軍が?・・・いや先ずは上に知らせろ!」

「了解!」


やがて王国軍から先触れの騎兵が走り出してきた。

手に王国の紋章旗を掲げた騎兵が西門に到達する。


「馬上にて御免!我らはソルスキア王国軍盗賊討伐隊である!隊長ファーダネ卿の命により軍を街に入れるよう要請する!もし従わない場合は盗賊に連なると判断するものと心得よ!」


「なっ、なんだって!」

「盗賊だって?どっ、どうする?」

「どうするも何も上官に報告するしかないだろう!」

「そ、そうだな」

「し、しばしお待ちをっ!上官に報告します故!」

「あい分かった!直ぐに上官を壁上に出すように!」

「りっ、了解しました!」




「エチルさん!マインさん!ターニャさん!王国軍が来ました!」


シレナさんが息急き切って宿舎に飛び込んで来た。


「来ましたか!」

「はい!100名程の部隊です!」

「よし!見に行こう!」

「「はい!」」

「シレナさんも行きましょう」

「はい!」




統治官の屋敷の周りに人だかりが出来ていた。

聞けばやって来た王国軍は憲兵隊だそうで、調査する者が大半であとは護衛らしい。

今、統治官の屋敷を家宅捜索しているとのことだ。


「今調査するんですか?」

「逮捕は確定らしいです。他の証拠や資料を探してるみたいです」

「オヴィエドは?」

「確保済みらしいです」

「この後どうなるんです?」

「通常ですとこのまま移送されます」

「移送。王都ですか?」

「先ずは討伐軍の本部でしょう」

「ほほー」

「あっ、出てきましたよ!」


1人の騎士が皮紙を掲げて大声を上げる。


「聞け!王国の民よ!統治官オヴィエドは恐れ多くも王国から預かったその職を利用して不正に蓄財し、あまつさえ王国冒険者ギルドに著しい損害を与えた!国王陛下はたとえ統治官であろうとも王国に仇なす輩は許さない!これから王都に連れて行き裁きを受けることになる!この街の秩序は国王陛下によって正された!安心して己が職務に励むがよい!」

〈〈〈うおおおぉぉぉ!!!〉〉〉


「なるほど。国王陛下万歳って訳か」

「デモンストレーションですか」

「だね」

「?」

「街の人間はアンデッド騒動で、ここんところずっと街に籠ってただろ?」

「はい」

「外の畑にも行けず、補給も満足ではなかったからストレス溜まってたんだろう」

「閉鎖環境に居ると溜まり易いって言うしね」

「はい」

「そのストレスの矛先をオヴィエドに向ける事でガス抜きを狙ったんだろう」

「ついでに王国への忠誠心も上がるように誘導すると」

「民衆にとってはお偉いさん方が捕まるのなんて最高のショーだろうしね」

「ショー・・・ですか」

「時期も良かったな。アンデッドを討伐して街もこれから回復していく頃だし」

「そんな、カズヒコさんとミキさんが討伐したのに」

「いや、これで良いんだよ。僕等は目立ちたくないからね」

「彼らが代わりになってくれるんなら万々歳よ」

「おっ、出て来るぞ!」




拘束された男が周りを騎士に固められて出て来た。


「あれがオヴィエドか。やっぱり知らんな」

「私もです」

「私も」


人だかりは口々に罵っていた。

その中をオヴィエドの一団は過ぎていく。


「オヴィエドと目が合った様なんだが何のリアクションも無かったな」

「えぇ。向こうも知らないんじゃないですか?」

「顔も知らない相手を・・・男は殺して女は連れて来いと。おっかねぇ」

「ホントですね。権力者ってそういうもんなんでしょうね」

「人をモノ扱いですか・・・」

「あぁ。まさに奴隷なんだろう。自分の言う事聞いてりゃいいんだ、っていう」

「唾を吐きかけて・・・いえ。メイスでブッ殺してやりたいです!」

「はっはっは。良いぞ!その意気だ。オヴィエドが怯えとる」

「しらー」




僕達はギルド本館にシレヌさんと向かった。

応接室でギルド長とシレヌさんと対面する。


「良い結果になったんじゃないですかね」

「あぁ、ワシもそう思う」

「これでアンデッド討伐に専念・・ってほぼ終わってますけどね」

「そのようだな。村にも先遣隊をやって今様子見してる所だ」

「期間一杯ゴーストを探しますか?」

「あぁ、悪いがあと1ヶ月ほど森を監視してくれ。その後に冒険者を募って一斉に森狩りをさせる。それで見つけられなければ終了で良いだろう」

「分かりました」

「勿論その1ヶ月は休み休みでいいぞ」

「ありがとうございます」

「街周辺は完全に機能を取り戻した。畑や木の伐採、あとは魔物が戻ってくればいいのだが、これは時間が掛かるだろう」

「ゾンビは大丈夫でしょうか」

「ゾンビ程度なら他の冒険者でも大丈夫だ。畑や木の伐採に護衛を付けるしな」

「では今夜にでも出発します」

「分かった、よろしく頼む」




後の1ヶ月は無事に過ぎ去った。

その間、ゴ-ストを3匹ほど殺しゾンビをサーヤ君のメイスの練習で殺す。

1ヶ月が過ぎれば多くの冒険者でもって夜の北西の森を調べて回る。

勿論僕達も付いて行った。

結果、ゴーストは発見されずこれで街の非常事態宣言は解除されることとなる。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ベースとして主人公がちゃんと大人だから、方針決めとか優先順位付けとかそういった状況判断やそれに伴う割り切りなどが素早く出来ていてイライラし辛い。 ちゃんと目の前の特殊な環境にアジャストしよ…
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