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HappyHunting♡  作者: 六郎
第5章 異世界・オブ・ザ・デッド (フォセン:エチル、マイン、ターニャ)
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「さてと」

「た、助けて」

「このゾンビを何とかしてくれぇ!」

「お前らの仲間はこれで全部か?」

「そ、そうだ!」


ズボッ


「ぎゃあぁぁぁ!」

「これで全部か?」

「あ、あと1人いる」

「何処に居る?」

「しゅくっ、宿舎で俺達を待ってる!」

「名前は?」

「じゃ、ジャン!」

「「!」」

「はぁー、またかよ。菊池君、サーヤ君、顔を知ってるか?」

「「いえ、知らないです」」

「言ったんだ。た、助けてくれよ!?」

「あぁ。俺達は殺さないよ。お前らとは違う」

「カズヒコ様?」

「そっ、そうか」

「ほっ、ホントだな!嘘つくんじゃねーぞ!」

「お前らに言われたかねーよ」

「ぐっ、ぐぅぅ」


「よしっ!1人ずつ下着姿になれ」

「なっ、何の為、ぇぇええ!」


槍を引き抜く。


「ぐうぁぁぁ!痛いぃ」

「余計な事言ったらケツの穴が増えるぞ。先ずはお前からだ」

「ひゃ、ひゃい!」


1人ずつ服を脱がせ両手両足を後ろに回しひと括りに縛る。

最後はゾンビを押さえてる2人が残った。

ゾンビを離して《罠》で拘束し、人間の方も裸にして縛り上げる。


「よし!2人共、もういいぞ!」


菊池君とサーヤ君は緊張から解放されてほっとしたようだ。


「小籠包の饅頭が並んでるみたいだな」

「もう!先輩!こんな時に!」

「誰が噛まれたんだ?」

「お、俺だ!助けてくれ!」

「俺も!」

「俺もだ!」

「3人か。よし、サーヤ君この3人を引き摺って連中から離してくれ」

「分かりました!」


ズルズルズル


「いてぇ!いてぇよ!」

「うああっぁ!」

「いたっぁぁい!」


うっすい下着姿で引き摺られたら痛かろうな。


「こいつらどうするんです?」

「ん、実験しようと思って」

「実験?」

「あぁ。噛まれたらゾンビになるらしい。どうやってゾンビになるのか観察する」

「うわぁ~」

「ちょ!助けるって言ったろ!」

「騙したのかよ!」

「もう1度言うがお前らに言われたくない。が、お前らは噛まれたヤツを助けられるのか?」

「い、いや」

「・・・噛まれたら、もう無理だ」

「じゃぁ俺にもどう仕様もないだろ?」

「ま、まぁ」

「確かに」

「ちょ!助けろよ!」

「見捨てないでくれ!」

「死にたくないぃぃぃ!」

「噛まれたら無理なんだって。諦めろ。ちゃんと看取ってやるから。これがお前らのギルドカードだな」

「どうするんです?」

「俺らを裏切った大罪人としてギルドに報告し、街に晒してやる」

「や、やめてくれ!子供がいるんだ!」

「「えぇ!?」」

「菊池君、サーヤ君。こんなもんだよ、男って。子供がいるんなら最初っからこんな事しなきゃいいのに、って思うだろ?」

「「はい」」

「やっちゃうんだなぁ。女房子供がいるのに女犯して強盗しちゃうんだなぁ」

「ぺっ」


サーヤ君が男に唾を吐く。


「サーヤ君、止めたまえ」

「す、すいません」

「そういうのはある種の男にとってはご褒美になる。別のにしたまえ」

「は、はい」

「相手のプライドを折る、劣等感をつつく、羞恥心を煽る。色々あるぞ」

「はい!」

「あくどいの教えないでー」

「いいか、見てろよ」

「はい!お願いします」

「お前の父ちゃんゴースト倒そうとした冒険者の護衛するのを裏切って後ろから襲って金を盗もうとして女に暴行しようとしたけど返り討ちに遭ってゾンビになった間抜けなヤツぅー、って子供に言ってやる!」

「うわああっぁぁ!止めてくれぇぇぇ!お願いだあぁぁ!」

「どうだサーヤ君、こうやるんだ」

「はい!勉強になります!」

「覚えなくていいから!」


「これからどうするんですか」

「ここでキャンプだ」

「「え?」」

「このまま見守る」

「マジで?」

「マジだ」

「はぁー。サーヤ、テント張るわよ」

「は、はい」

「君等は寝てくれ。僕は観察してる」

「あ、私も」

「いや、サーヤ君も寝てくれ。日中は僕が寝るから交代しよう」

「分かりました!」

「おっ、俺たちはどうなるんだ!?」

「チミ達はそのままそこで反省してなさい」

「そっ、そんな!ゾンビが来たらどうするんだ!?」

「大丈夫だ、俺が守ってやる!」

「ほっ、ホントだな!嘘吐かないな!?」

「・・・お前ホントにブレないな。大丈夫だ、守ってやる。お前らは大事なじっけん・・・捕虜だ。安心して寝てろ」

「よっ、よし。信じたからな!絶対だぞ!」




その後、ゾンビに噛まれたヤツを観察していった。


まず熱が出る。

噛まれた患部が変色し始める。

それが広がっていくと共に体調も悪化。

脈拍や呼吸が少なくなっていく。

そしてそのまま静かに死に至った。


「全員死んだな」

「死にましたね」

「死ぬまでの時間は個人差が有る。これは個体の生前の肉体強度の差によるものだろう」

「なるほど」

「よし。ここからだな」


それからかなりの時間が経った。


モゾモゾ


「せせせ先輩!」

「むにゃ・・・どうした?」

「動き出しました!生き返・・・ゾンビになりました!」

「なんだと!そうか!」


慌ててテントから出て様子を見に行く。


噛まれた3人が3人共ゾンビになっていた。

手足を縛られモゾモゾしている。


「今の所、感染率100%だな」

「えぇ。そうですね」

「3人だと検証としては少ないが、聞いた噂を鑑みても伝染するゾンビからは100%伝染すると考えてよさそうだ」

「感染率100%・・・」

「恐ろしい生物・・・死体兵器だな」

「街に入る時入念にチェックするはずですね」

「あぁ」

「カズヒコさん、この後どうします?」

「よし、残った奴らに噛ませてやってくれ」

「分かりました!」

「ちょ!ちょ、待てよ!」

「どーゆーことだよ!助けるって言ったろ!」

「約束破るのかよ!」

「俺達は殺さない、って言ったんだ。殺すのはゾンビだろ」

「ちょ、ちょっと!え?いや・・・」

「ゾンビから守るって言ったろ!」

「これはお前らの仲間だろ。寂しいこと言ってやるなよ。こいつらもそんな事言われて顔色悪くしてるぞ。なぁ」


3匹はううぅううぅ、唸ってる。


「ちょ、やめて!やめっ、あー!いたあぁぁい!」

「たっ、たすけ!ぐああぁぁ!」


サーヤ君はゾンビを持ち上げ順番に噛ませていった。


「3匹のうち、1匹は首を落としてみよう」

「はい」

「2匹は魔法の経験値稼ぎだな」

「なっ!?」

「魔法使いだ!?」

「おまっ、マジックアイテム持ちじゃないのか!?」

「だっ、騙したな!嘘吐きゃがった!」

「マジックアイテム?防具だけだな」

「「「「え?」」」」

「防具は魔法付与されてるよ。だから嘘じゃなーい」

「ちょ、くそー!」

「うあぁー!」


何に絶望してるんだろうか。


「カズヒコさん!見てください」

「どうした?」

「首を落としたら痙攣しだして・・・」

「なに?」


首のないゾンビは痙攣を終えると動かなくなった。


「魔力反応が消えた。死ん・・・倒したな」

「首落としても倒せるんですね」

「魔石狙っても良いがその際噛まれるのは厄介だ。先ず首落とすのが良いな」

「そうしましょう」


残りの2匹は魔法で片付けていく。




ゾンビに噛まれた4人は徐々に弱っていった。


「この後はどうするんですか?」

「2人は死んだ直後に首を落とそうと思う」

「「?」」

「首を落とせばゾンビにならないか調べるんだ」

「ゾンビになって首を落として死ぬんなら、ならないと思いますけど」

「あぁ、そうだろうな。それの検証だ」

「分かりました」

「後の2人は?」

「燃やしてみるか」

「火で倒せるのか調べるのですね」

「そうだね。人体は水分が多いから燃えにくい。枯れ木などを集めよう」

「「はい」」


実験の結果、

死んだ直後に首を落とせばゾンビにならないこと。

そしてその死体には魔石はないこと。

燃やしても倒せることが分かったのだった。


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