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HappyHunting♡  作者: 六郎
第5章 異世界・オブ・ザ・デッド (フォセン:エチル、マイン、ターニャ)
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「よぉ、見せつけるじゃねーか」

「ん?見せつけるも何も。お前らが勝手に現れたんだろ?」

「へぇ、言うねぇ」

「お前後ろの護衛が居るから気張ってんだろーが、そいつら俺らの仲間だかんな?」

「えぇ!?そんなバカな!」

「ぎゃははは!」

「いいぜー。そのリアクション!」

「なっ、何の用だ!?」

「ぎゃははは!」

「まだ分かんねーのかよ」

「マジックアイテムに決まってんだろ、バーカ」

「マジック・・・アイテム」

「そうだ。それ渡せば命だけは助けてやるよ」

「ほ、ホントだな!命だけは助けてくれるんだな!」

「ぎゃははは!」

「ひっひっひ」

「あぁ、ホントだとも。だからさっさと寄越せや」

「い、今は持ってない」

「ホントか?嘘ついてるとブッ殺すぞ!」

「武器と背負ってるバッグをその場に置いて下がりな」

「わ、分かった」


武器とバックパック2つを置いて下がる。

男達はバッグを開けて中身を調べる。


「ホントのようだな」

「キャンプ用品と食料と水と普通の魔石。アンデッドの魔石はねーな。金もねーぜ」

「今まで貯めた金はどこだよ!」

「しゅ、宿舎にある」

「宿舎かー。めんどくせぇな」

「マジックアイテムはどこなんだよ!」

「だから今は持ってないって言ってるだろ」

「んだと?じゃぁどこにあんだよ!」

「先に行ったところに隠してある」

「なるほどな。街中じゃ襲撃されるから外に隠してたのか」

「なかなか頭回んじゃん」

「俺らの方が上だったけどな!」

「ぎゃははは!」

「なんだよー、ゴースト狩るくらいって言うから7人も集めたのによー」

「ホントだな。マジックアイテム無きゃただの人ってな」

「よーし。じゃぁそこまで案内しな」

「約束だぞ!命は取らないって!」

「おめぇら次第だよ。へっへっへ」

「わ、分かった」


僕達が先導して森に歩いていく。

月明かりが有るとはいえ、辺りはもう真っ暗だ。


(どうします?)

(プランBだ。君達はランタンだけ狙ってくれ)

((了解))


「統治官の差し金か?」

「へっへっへ。そんなこと聞いてどーすんだよ」

「マジックアイテムは1つしかない。僕達から奪ってもゴーストの討伐速度は変わらないぞ」

「マジックアイテムだけじゃねーからな」

「ひゃっはっは」

「女も連れて来いってよ!」

「な、なんだと!」

「そりゃそーだろ。上玉だかんな」

「命は取らないって言ったじゃないか!」

「だから命は取らないって。女は取るが」

「ぎゃははは」

「統治官も結局はクズだったって訳だよな」

「全くだ。何が街の為なんだか」

「女はついでだ、って言ってたけど。そんな目ぇしてなかったっつーの!」

「普段真面目にしてる奴ほど変態が多いってな」

「真面目にしてなきゃいけねぇ分、欲求不満が溜まるんだろーぜ」

「小せぇ頃から勉強しかしてこなかった奴が、大人ンなって権力と金を手にした時にするのが女ってんなら、俺らと変わんねぇっつーの!」

「まぁ、あいつに回る前に味見はするけどな」

「ぎゃははは!」

「おい見ろよコイツ!震えてるぜ!」

「ぎゃーははははは」


「統治官に騙されてんじゃないのか?統治官が約束守ると思ってるのか!」

「だーいじょーぶ、大丈夫。ちゃんと契約書交わしたからな」

「あいつの魔力サインで言い逃れも出来ねぇ代物んだ。裁判でもなんでもこいだ!」

「おめぇホント頭良いよな!」

「ったりめぇよ!あいつらリスク無くリターンばっか求めやがって!もし使い捨てにする気ならこの契約書であいつも破滅よ!」

「いーねー!スケベな権力者の破滅!見てーぜ」

「おい!まだかよ!」

「あ、あぁ。この藪の先だ」


そう言って僕達は藪の中に分け入っていく。


(《罠》解除)


続いて連中が入って来るが・・・


「ん?なんだ・・・いてぇ!」

「どうした!?」

「なにっ、いてぇ!?」

「どうした?何があった?」


連中は何が起こったか分からず混乱していた。

すかさず俺は左に、菊池君とサーヤ君は右の木の陰に隠れ、2組とも予め《隠蔽》してあった袋を取り出す。


ビシュッ


早いな。これは菊池君だろう。

ランタンに当たった矢はランタンを破壊し光が消える。


「うあ!」

「く、クソ!」


ビシュッ


やや時間があってボルトが同じくランタンを破壊する。

《隠蔽》で隠してあった袋に入れておいた予備の弓矢とクロスボウだろう。


「くそ!ランタンが狙われてるぞ!」

「ランタンを守れ!」

「どーやって!?」

「盾になれや!」

「おめーがやれ!」

「ひぃぃぃ!ゾンビだぁ!ゾンビに噛まれたぁ!」

「なっ!?なんだと!」


バシュッ


最後に何かが最後のランタンを破壊した。

恐らく菊池君の《風刃》だろう。

この距離であれば減衰なく破壊出来た。

何より風魔法は見え辛い。それが素晴らしい。

それに、藪に《罠》で拘束し《隠蔽》で隠しておいたゾンビが上手くいったな。


「くそがあぁぁ!」

「見えねぇぞ!どーすんだ?」

「くそがっ!」

「とっ、とりあえず防御陣けいたぁ!」

「どっ、どーしぃたぁ!」

「うあぁ!」


俺は袋から石を取りだし《魔力感知》で感じる魔力に向かって思いっきり投げる。

投げる。

投げる投げる。


投げる度に悲鳴が上がる。

もっと投げてやる。もっと・・・

くそっ!疲れた。

思いっきり投げるのは結構疲れるな。

落ち着け。

思いっきり投げるんじゃなく、力を抜いて投げるんだ。

腕で投げるんじゃなく体全体を使って投げるんだ。

野球の投手の様に腕をしならせて投げるんだ。

手首のスナップを効かせて投げるんだ。

そうすれば力を抜いてもある程度の速度が出る。

150km/h出さなくても良いんだ、120km/hで良い。


「ぐあっ!」

「や、やめろってい!」

「やめろてぇい!」

「うあぁ!噛まれたぁ!」


暗いから至近距離から投げている。

痛かろう。


おっとそうだ。

連中バックパックを落として陣形をたてようとしたな。

バックパックを回収しておく。

バックパックに入れておいた魔石で暗闇でも居所は分かるので大丈夫だ。

2人の下に向かう。


(菊池君、サーヤ君。無事か?)

(先輩!)

(カズヒコ様!)

(無事のようだね。俺も大丈夫だ)

(良かった)

(ほっ)

(作戦は成功だ。これより無力化する)

((はい!))

(バックパックはここに置いていく。合図が有る迄待機だ)

((はい!))


袋に入れておいた石はまだある。

どうせなら全部お見舞いしてやろう。


「ぐあっ」

「あつっ」

「ぐっ」

「だぁっ」

「噛まれたばぁあつっ」


ゾンビと人間は魔力反応が違うので誤射はしないが、固まってるから面倒なので区別なく無心で投げ続ける。


「や、やめてくれ!」

「ゆる、ゆるしてべぇ!」


俺は連中の周りに3つランタンを点けて置いていった。


「いよぉ。随分男前になったじぇねーか」

「たっ、助けてくれ」


俺は喋りながら付近に落ちていた武器を回収してまとめていく。


「ほらほら。ゾンビ押さえてねーと困るんじゃねーの?」

「だっ、誰か手伝っっってくれぇ!」


俺は連中の持っていた槍で突く。


「ぎゃああぁぁ!?」

「持ってる武器全部捨てろ」

「なにしやが、あぁぁ!」

「もう1度だけ言うぞ。持ってる武器捨てろ」

「はっ、はいぃぃ!」


連中は武器を出していく。

あらかじめ持ってた武器はこれまでに落としていたので小物ばかりだ。

ホイッスルを小さく吹く。


フィッ


菊池君とサーヤ君が武器を構えつつ出て来る。


「妙な真似したら躊躇わず撃て」

「「了解!」」

「さっき言ってた契約書はどこにある?」

「た、たすけ、てえぇぇぇ!?」


喋った奴の腕に槍が刺さる。


「質問だけに答えろよ。契約書だ。どこにある?」

「ばっ、バッグの中・・・」

「どのバッグだ。投げて寄越せ」


連中の1人がバッグを投げる。

中をまさぐると1枚の皮紙を見つけた。

オヴィエドのサインがある。

なになに、


1つ、マジックアイテムの確保。

1つ、女を連れ帰り、男は殺す。

以上2点達成で金、20万エナを支払う。


「俺殺す気だったんじゃん」

「ちが、違うんだ!」

「おめーは森に放って帰ろうと思ってたんだ!」

「ほっ、ホントだ!信じてくれ!」

「俺達の護衛を裏切ったチミ達を信じろと?」

「あぁ、いや、それは・・・」

「護衛対象の女に、股の間の槍をおっ起たせてたチミ達を信じろと?」

「ちが、違う・・・」

「味見って言うのは?」

「いや、それは・・・」

「むーりー!」


ズボッ


「ぎゃああぁぁ!」

「ひいいぃぃぃ!」


契約書に魔力を通すとオヴィエドのサインとこいつ等のリーダーだろうサインが光りだす。

リーダーのサインからリーダーの魔力が感じ取れる。

オヴィエドのサインからも魔力が感じられる。


「なるほど。これがオヴィエドの魔力ね」


顔は知らないが街で見かけても判別できるな。


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