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HappyHunting♡  作者: 六郎
第5章 異世界・オブ・ザ・デッド (フォセン:エチル、マイン、ターニャ)
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次の日の夜、ゴースト狩りを再開する。




「《風刃》!」


バシュッ


ゴーストは消滅して魔石だけが残った。


「やはり魔石の位置に攻撃するのが良いみたいだね」

「はい。1発でしたね」

「よし、殺し方は確定したな。遠距離は菊池君。近距離はサーヤ君だ」

「「はい」」

「でだ。次は僕の魔法も試したい」

「射程1mでしょ?大丈夫ですか?」

「菊池君の《風刃》で1発だった。僕の雷でも大丈夫だとは思うが」

「いや、距離的な問題ですよ。近過ぎません?」

「分かってる。しかし僕のアクティブスキルの中で魔法だけレベルが低すぎる。折角周りに誰も見ていないから経験値を稼ぎたい」

「うーん、分かりますけどねー」

「サーヤ君は《吸精》で足を止めてくれ。その間に僕が殺す。どうだろう」

「それでいきましょう!」

「そうしましょう!」

「よし。じゃぁ頼むぞ」

「はい!」




ピカッ


刹那の光が森の一角を照らす。


「どうやら大丈夫みたいだな」

「えぇ。眩しかったですが」

「綺麗でした」

「しかし毎度、ゴーストの出現時には慣れないな」

「そうですね。怖いです」

「今日はもう休むかい?」

「いえ。まだいけます」

「私もです」

「よし。ではこのままいこう。だが精神的負担は身体に出る頃には遅過ぎるから早めに言うんだぞ」

「「分かりました」」

「しかしゴーストの攻撃方法ってドレインだよな」

「そうですね」

「どんな感じだろう。ちょっとだけ食らってみるか」

「絶対ダメ。分かった?」

「・・・サーヤ君、宿でちょっとだけ掛けてくれないか。ちょっとだけ」

「えぇ?」




結局その夜は合計5匹を討伐してキャンプした。


「休みを入れつつ1晩で5匹ですか。まだいける気もしますが」

「無理をする必要はない。3ヶ月契約なんだから」

「そうですね」

「それに案外真っ暗の森っていうのも精神的にくる。余裕をもってやる」

「まぁ確かに《魔力感知》で居ないと分かってるけど変な気しますもんね」

「あぁ。安全安心をモットーにね。サーヤ君も不調は遠慮しちゃ駄目だからな」

「はい!」

「でだ。今後のプランだが。先ず北西の森エリアを幾つかに区切って、次にその区切ったエリアの街道沿いのフォセンに近いエリアから掃除していく。地図で言うとここだ」

「区切りはどうやるんです?」

「昼間に来て印を付けていこう」

「「なるほど」」

「それでそのエリアを掃除終えたら隣の街道沿いエリアをキレイにし、順次街道沿いエリアをキレイにしていく」

「北西の村の掃討ですね」

「その通りだ。何人かゴーストの犠牲になったらしいからね。北西の森の奥は村からの方が近い。街道が安全になったらその村を掃討し拠点に出来る」

「なるほど。統治官の邪魔が入るかもしれない現状、街にいるよりそっちのが逆にのびのび出来るかもしれませんね」

「あぁ。今なら誰も村にいないだろう。《魔力感知》で感知内に何者かが入れば寝てても起きる。それに《罠》を仕掛けとけば良いしね」

「良いですね!誰もいない今なら《罠》仕掛けまくっておけば経験値稼げるじゃないですか!」

「ホントですね!」

「そうだな。ゾンビ退治はそうしようか。掛かったら魔法や弓の経験値になってもらおう。メインはゴーストだしな」

「軍の補給は村に寄らないんでしょうか?」

「村がアンデッドに占拠されてるらしいから違う所で野営してるらしいよ。特に北西の村はゴーストの出る森に近いからね」

「「なるほど」」

「あと、統治官対策だが。森のどこかに《罠》を仕掛けようと思う」

「街の外で仕掛けてきますかね」

「分からんが、もし仕掛けて来ても対処できるように仕掛けておく」

「備えあればってことですね。了解です」


「ところでゴーストって昼間何処に居るんだろうな」

「え?うーん」

「アンデッドは日光に弱いんだろ?」

「はい。そう聞いてます」

「ゾンビでも動きが鈍りますもんね。ゴーストだと?」

「消えちゃうらしいです」

「やっぱりそうか。とすると・・・どこか暗いとこに潜んでる?」

「そうなると活動範囲が絞られそうですね」

「街道には出ないだろうね」

「村でも暗い所は気を付けないといけないかもですね」

「そうだな」


「じゃぁ、そろそろ寝るか。今日で35万エナ稼いだからな」

「良い夢見られそうね、サーヤ」

「はい!」




夜が明けて街に入り護衛されギルド本館へ納品に向かった。

応接室に通されシレナさんとタルバギルド長と対面している。


「一晩で5匹ですか。良いペースですね!」

「あぁ。この調子で頼むぞ!」

「はい。がんばります。ところでご相談なのですが」

「なんだ」

「ゴースト狩りの翌日は休日にしたいのです」

「あぁ。あれは精神的にくるらしいからな。分かった。構わないぞ」

「ありがとうございます。それで今後の事なんですが」

「なんだ」

「街に近いエリアから狩っていこうかと思っています」

「あぁ。それで構わない。ゾンビも減っている今、近いうち護衛を付けて畑に手を入れられるようになるだろう。街の機能回復を優先してくれ」

「分かりました」




本館を出て宿舎の部屋に入って寝る準備をする。


「カズヒコさん。街道から掃除ではないのですか?」

「いや、街道からだ。さっきのは北西の村は後回しって思わせたんだ」

「?」

「村を拠点にするって知られたら人を送って来るかも知れないからね」

「なるほど。私達のやり方がバレる恐れがあると」

「そういうことだね」


「はぁー、夏の夜にゴースト狩りかぁー」

「明日は休みだ。今後も2日働いて1日休みだから」

「っても護衛無しじゃ街中うろつけないじゃないですか~」

「しっかり寝てくれ。僕は笛の練習をするよ」

「あ、新しいの作るんですか?」

「あぁ。次はもっと上手い演奏を聞かせたくてね」

「私もやりますよ!」

「私も教えてください!」

「分かった。3人でバンド、っても全員同じ楽器か」

「ある程度上手くなったら種類が違う笛を使い分けるとかでいいんじゃないですか」

「なるほど。それでいこう」

「スキルも習得したりしてね」

「・・・僕は無理だがね」




その後、1日に2、3匹のペースで殺していった。

やはり街道近くにはそんなに居ないらしい。

だが着実に数は減って行ってるようで、2週間も過ぎれば街から村までのエリアで出会うことは無くなった。

いよいよ村を掃討しようか考えていた頃。


「え?街の外に出る?」

「あぁ」


いつも門までの護衛達だが今日は外に出ると言う。


「あんたらがゴーストを討伐してくれたお陰で街の周辺は出なくなった。俺らもゾンビだけでも狩っておきたいんだよ」

「何も夜にしなくても」

「あんたらが帰ってくる時安全な方が良いだろ?」

「まぁね」


僕等3人並んで歩いてる後ろに彼ら4人が付いてくる。


「先輩」

「あぁ。統治官の差し金だろう。あいつら寝返ったって事だ」

「はぁ。またか」

「サーヤ君は対人戦初めてだが俺達が守る。作戦通りにやってくれ」

「は、は、はい」

「大丈夫。みんな初めは緊張するんだ」

「初めだけじゃないけどね」

「とりあえず罠の地点まで誘導する。俺に合わせてくれ」

「「分かりました」」


しばらく歩くと《魔力感知》に反応が有る。


「向こうから3人来るな。恐らく前もって潜んでいたんだろう」

「合計7人ですか。大丈夫かな」

「大丈夫、大丈夫。作戦通りなら」

「まぁ、ここまで来たらやるしかないんですけどね」

「そういうこと」

「ふぅふぅふぅ」

「任せとけって」


ポンと、サーヤ君の肩に手を置く。




そこに3人が現れた。


「よぉ、見せつけるじゃねーか」


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