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HappyHunting♡  作者: 六郎
第4章 サーヤ (グンナー:エタル、マキロン)
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ブリトラさん紹介の防具屋で相談する。


「こ、これリガル・サーペントの素材じゃねーか!」

「リガル?」

「あぁ、シーサーペントの一種さ。この辺じゃーなかなか見ねぇ素材だ」

「そうですか。で、直ります?」

「いや、ここに素材はないから取り寄せないと・・・時間掛かるぜ?」

「直せるんですか?」

「あぁ。直すのは問題ねぇよ」

「時間は?」

「1ヶ月は見ねぇと」

「分かりました。お願いします」

「分かった」

「1ヶ月って素材が届くのが時間が掛かるって事ですよね?実際の直す時間はどれくらいです?」

「ん~。3,4日ってところかね」

「では素材が届くまでこのまま着ててもいいですよね?」

「あ?あぁ、構わないがその傷以外に傷が出来ても直せねーぜ。その傷用の素材を取り寄せるからな」

「分かりました。では素材が届いたら知らせてください」

「あいよ!」

「あと大熊の革でマーヤの装備も作ろう」

「いいですね!そうしましょう」

「あ、ありがとうございます!」




次に武器屋に行った。


「先輩、どんな武器使うんです?」

「《カウンター》があるからな。至近距離、短剣を考えてる」

「え、でもカウンターなら長剣の方が良いんじゃ?」

「長剣は嵩張るからやだっ」

「「えー!」」

「そんな理由で!?」

「好き嫌いは重要だろう。合うか合わないか、相性ってそんなもんだろう」

「まぁ、分かりますけど」

「ショートソードは何気に良かったな。藪や小枝を切り拓いていくにも使えたし」

「あぁ、バッサバッサやってましたね」

「解体用ナイフと、多目的小刀と、戦闘用剣と・・・嵩張るわ!」

「じゃ、じゃぁ?」

「あぁ、1本にする!」

「せ、せめて予備でもう1本持ちましょうよ」

「・・・じゃぁそうしよう」

「お願いしますよ」

「ショートソードより小さく、解体ナイフより大きくて解体できる剣くださーい!」


「マチェーテって感じですね」

「そうだね。1本は伐採と戦闘用、1本は少し小さく解体用だね」


「あとオーダーメイドしたいんですけど」

「どんなのだい?」

「図面を持ってきました」

「ふむふむ。クロスボウかな?」

「そうです。組み立てはこっちでやるんで」

「素材は?」

「大熊の骨ってクロスボウにどうですかね?」

「小さな木なら圧し折るくらいだから十分過ぎるよ」

「じゃぁお願いします」

「あいよ!」


他にも鍛冶屋を紹介してもらいクロスボウの部品を発注した。


「新しいクロスボウですか?」

「あぁ。思い付きだけど」




「1ヶ月かぁ」

「ちょっと長いですね」

「もう1年だな・・・」

「え?・・・はっ。そっか、そうですね」

「?」

「あぁ、遠い所からこっちに来て来月で1年になるんだよ」

「そうだったんですね」

「記念に美味いもんでも食べに行こうか」

「そうですね!無事に過ごせたって祝いましょう!サーヤの開放記念も兼ねて盛大に!」

「そうしよう。だが酒は無しだぞ」

「はーい。サーヤは飲むの?」

「い、いえ。お酌するだけで」

「飲んでみるかい?」

「いえ、お2人が飲まないなら・・・」

「そうだな。僕達は酒で失敗しないようにって決めたんだ。サーヤは無理に付き合う必要は無い、って言っても・・・飲まないな」

「はい」

「じゃぁ豪華な料理をブワ~って並べて食べよう!」

「「わーい!」」




装備と部品が出来上がるまでいつもの狩りを続ける。

サーヤ君は大熊との死闘を経て精神的に強くなったみたいだ。

ゴブリンにも果敢に立ち向かうようになった。

多少忌避感は残っているものの冒険者として着実に強くなっている。

《頑健》さんLv7だからな、体の強さだけなら俺より強いみたいだ。


そうして数日後、クロスボウの部品が出来た。

組み立ててハリエット家の庭でお披露目兼試射をする。


「なんでバラバラに発注したんです?」

「バックパックやゴーグルの二の舞を避けるためだ」

「あぁ。利用されないように」

「そう」

「長いですね」

「あぁ。銃床を折りたたみ式にしてある。サーヤ君、銃床の根元を上に引っ張って見たまえ」

「はい。あっ!回転して展開しました」

「そうだ。銃床が更に長くなっただろう。銃床の底を引き金を引く手の肩の根元に当ててクロスボウを支えればブレが少なくなる」

「「おお!」」

「更にクロスボウを支えるところにアタッチメントを垂直に装着してくれ」

「アタッチメント・・・この手の平サイズの棒ですか?」

「そうだ」

「はい。あっ、すごい持ち易いです!」

「そうだろう。そして次のポイントは装填だ」

「装填?」

「サーヤ君、弦をセットしてみてくれ」

「はい・・・か、硬いです」

「うん。《頑健》さんLv7のサーヤ君でも辛いと菊池君はもっと辛いだろう」

「ちょっと引いてみる・・・うーん。はぁはぁ強いわね」

「そこでコッキングロープだ」

「「コッキングロープ?」」

「これを使えば約半分の力で引くことが出来る」

「「ホントに!?」」

「やってみたまえ。先ずクロスボウの先端についてる輪っかに足を入れ固定して、ロープを使って引くんだ」

「じゃぁ力弱いから私が・・・おお!」

「引けましたね!」

「撃ってみなよ」


バシュッ


「「つよっ!」」

「弦を引く力が大きくなった分射程と威力が増したからね」

「サーヤもやってみなよ!」

「はい・・・んしょ」


バシュッ


「「つよっ!」」

「これでボルトの装填に掛かる時間を短縮できるし、装填に係る疲労も軽減できる。継戦能力がアップするんだ」


「そして最後に・・・」

「まだあるの?」

「スコープだ」

「スコープ?」

「まさか望遠?」

「いや、その機能はない」

「なんだー」

「ポーションの瓶を再利用した照準器だ」

「照準器?って何ですか?」

「サーヤ君、これをそこに付けてくれ」

「はい・・・こうですか」

「覗いてごらん」

「あ、十字が入ってます」

「それの真ん中に標的を合わせて撃つんだ」

「はい」


バシュッ


「外れましたね」

「う、うむ。まだ調整してないからな。狙い通りに当たるようにスコープを調節して見てくれ」

「はい」

「意味あるんですか?望遠じゃないんでしょ?」

「まぁ、クロスボウ自体に乗ってる照準でもいいけど、スコープも気分出るでしょ」

「気分ねぇ・・・」

「あれだと射程2、30m以内はクロスヘアの中心を狙えば狙い通りに当たる・・・はず」

「2、30m?」

「それ以上は風とかの影響を受けて狙った通りに飛ばない」

「ふーん」

「そもそも弓の矢とクロスボウの矢では飛び方が違うからね」

「どう違うの?」

「弓の矢は長いからたわんで飛んで行くでしょ」

「たわみますね」

「その辺、射程が長い分計算しないといけないし」

「ふーん」

「まぁ《弓術》で射出後いくらか修正出来る菊池君はいいよね」


「カズヒコさん!出来ました!」

「おっ。試してみるか。貸してくれ」

「はい」


バシュッ


「いいじゃないか!」

「はい!」

「これはサーヤ君も《弓術》習得する日も近くなるんじゃないか!はっはっは」

「やったー!」

「負けてられないわ!」

「でもスコープ無くても良さそう?」

「いえ。カズヒコさんが折角作ってくれたんですから使います」

「でも使い易さを優先した方が良いよ」

「使います」

「ま、まぁ色々試してみてよ」

「はい。ところでさっき何を話してたんですか?」

「あぁ、サーヤ君はたわわだなって話」

「オラァ!」


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