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HappyHunting♡  作者: 六郎
第17章 虹の根元 (ウォーカー、ハンナ、ローラ、ヤヤ、セルラ)
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ドドッドドッドドッドドッドドッ


「全員ゴーグルとマスク着用!」

『了解!』

「射程範囲に入ったら自由射撃!」

『了解!』


ヒュヒュヒュヒュン


「撃つの早っ!」

「こっちは先に行ってるからね!」

「追いかける向こうは近付いて来るから射程外からでも当たるんだよ!」

「なーる!」

「悪魔の腱を使って射程も伸びてますし!」

「しかしいずれ追いつかれるぞ!」

「今考えてる!」


はぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

何てこった!

戦争に行かないから楽な仕事だと思っていたら、

あっという間に窮地に居るじゃねぇかよ、

どーなってんだ?

北部戦線は膠着状態、

東も動員されたってだけでまだ攻め込んではいないだろう。

ここがホットスポットじゃねぇかよクソが!

どーしてこーなった!?

日頃の行いが悪かったのか?

俺が・・・

いや!俺は悪くない!あいつ等が悪いんだ!

あいつ等・・・ブッ殺してやる!


「どう!?何か浮かんだ!?」

「まだだ!」


そう簡単に浮かぶ訳ねぇだろ!?

先ず気持ちの切り替えだぞ!

横流ししてる現場を押さえて御用御用とか正義の味方気取りの想像をしてたら!

何で鳥に乗って馬に追っかけられてんの!?

はぁ!?意味分からんわ!

お上の権力を振りかざして鼻高々に悪人をふんじばってる様を想像してたのに!

300人以上に追いかけられてるし!

相手は絶対に逃がさねぇと来てるし、もぅ!

全部あいつ等の所為だ!ブッ殺してやる!


「カズ兄ぃなら良い案考えてくれるよ!」

「そうですよ!カズヒコさんですよ!」

「今までも窮地を切り抜けて来たじゃないか!」

「そうよね!」


プレッシャー!

止めてくれ!余計なプレッシャーを与えるんじゃない!

クソが!現実逃避はこの辺で良いだろう、先ずは生き残る事だ!

あいつ等の方が足は速い。いずれ追いつかれるのは確実だ。

俺達が生き残りつつグンタリ達から逸らす・・・難しいわ!クソったれがっ!

ヘイトを俺達で集めなければ連中はグンタリを追い続けるだろう。


「《風載矢》を撃つ!?」

「いやまだだ!」

「分かったわ!」

「サーヤ!」

「はい!」

「お前が先頭を走って機を見てグンタリの方向から逸らすんだ!」

「はい!私達が惹き付けるんですね!」

「そうだ!《馬術》持ちのお前が先頭を走れ!後のクイールも続くだろう!」

「はい!」

「クイールにも《馬術》は効くよな!?」

「飛行機に効くくらいだもの!」

「当然効くんじゃない!?」


効いて貰わねぇと困るんだよ!

はぁーもー!どーしてこーなった!

海亀に乗ってる連中は50人程か!

あいつ等が本隊だろう!

本隊が海亀を殺す役割のはずだ!

周りの奴等は外部から海亀に近付けさせない役目のはずだ!

周りの連中は恐らく海亀に登って来れない!

馬に乗ってるから近づけないからだ!

だから本隊さえ叩けば海亀を殺す事は出来ない!

そして海亀に乗ってさえいれば周りの1000人程とも戦わなくても済む!

問題はどうやって本隊を叩くかだ!

それにはどうやって海亀に乗る!?

飛んで行かないと乗る事なん・・・て・・・


「ミキ!」

「なーに!」

「リーダーは自分を信じるな!」

「えっ!?」

「自分を信じたら独り善がりの考えに陥ってしまうからだ!」

「何を言ってるの!?」

「自分を信じるあまり自分の間違いに気付かないでいてしまうからだ!」

「何を言ってるのよ!」

「リーダーは自分を信じろ!」

「えぇっ!?」

「例え間違いが有っても間違いだと判断し修正し対処する!自分を信じていなければ出来ない事だ!」

「どっちなのよ!」

「両方のバランスを取りつつ判断しろ!そして仲間の話を聞くんだ!良いな!」

「だから何を言ってるのよ!」

「俺が居ない間お前がリーダーだ!」

「カズヒコ!?」


ジェットパックの結晶魔石に魔力を送った。


ブオッ


「カズヒコォ!?」

「カズ兄ぃ!?」

「カズヒコ様!?」

「カズヒコ!?」




ドドドドドドドドド


騎馬集団の前方に居た5匹のクイールの群れから何か物体が空中に飛び出したかと思うと見る見るこちらに近付いてきた。


『!?』


やがてその物体は大の字になって目の前まで飛んできた。


「なっ!?」


ドゴッ


蹴りを食らって吹っ飛ぶ男。

集団の中央付近に居た男が落馬してそれに足を取られて後続の馬もこける。


ドゴゴゴゴゴ


「なっ!?」


騎馬隊の隊長が呆気に取られていた。

カズヒコはそのまま蹴り落とした男の馬に乗っている。


「ほい!」


カズヒコの左手の手甲から矢が飛び出して左側に居た男の首に突き刺さった。


「ぐわっ!?」


撃たれた男が落馬して後続を巻き込む。


ドゴゴゴゴゴ


「あ、ほい!」


カズヒコが持っていた連射式クロスボウから矢が発射され右側に居た男に刺さった。

落馬して後続を巻き込む。


ドゴゴゴゴゴ


「ちっ!散れ!散会!密集隊形を解け!」

『おぉ!』


ヒュヒュヒュヒュン


『うわあぁぁ!?』


前を走る4人から矢が放たれた。

4人が落馬して後続を巻き込む。


ドゴゴゴゴゴ


「くそっ!何だあの弓は!何故届く!」

「恐らくマジックアイテムでは!?」

「!?くぅ!「ぐわっ!?」!?」


別の男がカズヒコに撃たれて落馬した。


「隊長!どうします!指示を!」

「・・・その男は近接部隊で囲んで速度を緩めて後方に送れ!」

「はっ!」

「弓騎兵は密集隊形に戻って前方の奴等を撃て!」

「はっ!」


判断が早い、この隊長は出来る男だ。

周りから弓を持っていない小盾を持った奴等が俺を囲み始めた。


「くっ!」


そして前の奴が速度を緩めたので仕方なくこちらも緩めるしかない。

俺達は集団から後退していった。


「よぉーし!今の内だ!追いついて密集隊形により矢を集中して放て!」

「ははっ!」




ドドッドドッドドッドドッ


「食い付いたぞ!」

「完全にあたし達を追っているよ!」

「サーヤ!舵を切って!」

「はい!先行部隊と違う方向に逃げます!」

「「「了解!」」」




ドドドドドドドドド


奴等は完全に彼女らに食いついたようだな。

問題はこっからだ!


「ブッ殺してやる!」

「お前等はもう終わりだ!」

「塩は俺達が全部頂く!」

「ソルトレイクもなぁ!」


周りの男共が喚きやがる。


「臭ぇんだよ北の野良犬共が!」

『なんだと!』

「自分達で国の海亀殺して今度は他所の国の海亀殺しか!生きてるだけで罪な連中だなこの痩せ犬どもがっ!」

「この野郎!」

「言わせておけば!」

「殺せ!」

「おぉ!」


右側の男が剣を振りかぶった。

しかし右利きの男が振りかぶったという事は左手に持っていた小盾が俺からズレたという事で、


ピシュッ


「ぐわっ!?」


首に矢が刺さった男は辛うじて落馬は免れたものの、


「おらっ!」

「おうっ」


俺が飛び掛かって結局落馬して後続を巻き込んだ。

俺はそのままその男の馬に乗った。


ドゴゴゴゴゴ


『あぁ!?』

「てめぇ!」

「殺してやる!」

「ブッ殺してやる!」

「ほら!かかって来い!どぎたねぇ北の痩せ犬どもが!かかって来やがれ!」

「死ねっ!」


右側の男が剣を振り上げた。

同じ様に殺してまた同じ様に馬に乗った。


「あぁ!こいつ!」

「もっとだ!もっと密集しろ!」

「撃てなくなるほど密集するんだ!」

『おぉ!』


連中が更に近づいて来る。


「ただでさえ臭ぇのにそれ以上寄って来るんじゃねぇ!」

「うるせぇ!」

「殺してやるからな!」

「切り刻んでやる!」

「アホがっ!密集は俺の間合いだ!」

『なにっ!?』


ドゥッ


左側に居た男が俺の飛び蹴りで吹っ飛んだ。

全衝撃をそいつに与えるように蹴ったのでそいつは隣に居た男を巻き込んで落馬して更に後続を巻き込んだ。


ドゴゴゴゴゴ


俺は蹴った反発力で空中に留まった瞬間、

更に別の男に飛ぶ。


ドゥッ

「ぐほっ!?」


落馬、

更に飛ぶ、

そして落馬、

更に飛ぶ、


「くっ!」


そいつは辛うじて盾で防いだ。

が、


「うあっ!?」


衝撃を受けて吹っ飛んで落馬した。


「なんだぁこいつはぁ!?」

「何でこの密集で飛べる!?」

「馬で走ってんだぞ!?」

「そりゃぁ飛んでりゃ馬だろうが関係ねぇだろうが!」

「てめぇ!」


連中がビビりだした僅かな時間で手甲の弾を補充して《罠》で再装填した。


「次はてめぇだ!」

「ひっ!」


落馬して後続に踏まれれば死ぬ。

その思いが男に小盾を掲げさせた。


パシュッ

ボンッ


小盾に衝突した煙幕弾が破裂して煙が発生した。


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