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HappyHunting♡  作者: 六郎
第1章 異世界転生 (コロー:カズ、ミキ)
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①-06

①-06




間近で見ると城壁の高さは2m程だ。

門は金属ではなく木製で金属で補強してある。

2人の門番の装備は軽鎧ってやつか?革製かな。一応という感じの頭装備も被っている。

武器は槍だ、柄は木製で穂先だけ金属だ。


「見ない顔だな何処から来た?」

「村から来ました。職を求めて」

「そっちの女もか?」

「はい。幼馴染です」

「何の荷物もないのか?」

「親に反対されて飛び出てきたので・・・うう」

「ど、どんな職に就くつもりだ?」

「とりあえず食えれば・・・うう」

「カズにぃちゃ~ん」

「よしよし、もうちょっと待ってくれな。街でうまいもん食わせてやっから」

「わかったぁ~。待ってりゅ~」

「そ、そうか。街に入るには税金を払わねばならんが持っているのか?」

「これで足りますか?」

「うむ、2人分として2000エナ徴収する」

「良かったぁ。今まで2人で必死に貯めたんですぅ」

「お、おぅ。これからがんばれよ!」

「はい、ところで僕達の他に誰もいませんのでこの街のことで少し聞いてもいいですか?」

「あぁ、少しなら構わないぞ」

「ありがとうございます。初めての土地なので安全で安い宿を教えて頂きたいのですが」

「2人部屋だよな?」

「いえ出来たら1人「2人部屋でいいです」」

「それなら『エルドの宿』がいいだろう。立地も割と安全で2人部屋で1日500エナだ」

「ありがとうございます。あと一つ宜しいですか?この街で職を得るには何処に行けばいいでしょう?」


「見ず知らずの人間がいきなり働くには、そーだな。街壁工事がいいかもな。女の方は手っ取り早いのは娼館だが、そーゆーんじゃねーんだろう?」

「「はい」」

「だったら・・・そーだなー」

「おい、肉屋のパルムがカミさん産気づく前に休ませてぇって言ってなかったか?」

「おぉ、そういやぁそんな事言ってたなぁ。カミさんが働きだすまでの短期だが行ってみるか?」

「はい行ってみます。エルドの宿、街壁工事・・・は誰に話せばいいんでしょう?」

「あぁ街壁工事してるとこ行って頼めばいいぜ。ガルトから聞いたって言やぁ何とかなると思うぞ」

「ありがとうございました。2人で何とかがんばってみます」

「「おう!がんばれよ!」」


「現代日本からいきなり武器持った兵士相手だとビビるな」

「ホントですね」

「まだ昼だけど先に宿を確保しておくか」

「そうですね。しかし税金高いですね!」

「全くな。あれで2000エナってことは持ち金2人で総額1万エナか」

「あと8000エナで1日500エナの宿。16日泊まれますね」

「16日でこの先の人生設計を考えねーと」

「まーそれはこの世界の情報を集めてからにしましょうよ」

「その通りだね。所で2人部屋で良かったのか?」

「1人部屋を2つ借りるより安いですよね?」

「まー、そーだろーな」

「じゃー浮いたお金は大切に使いましょう」

「そうしよう」




街の人に聞いてエルドの宿にやってきた。

木造の宿で2階建て、新しくもないが古くもない。

まだ昼だが泊まれるだろうか。


「すいません今夜泊まりたいんですが」

「あいよ」


応対するのは中年の男性。


「もう借りられますか?」

「大丈夫だよ。2人部屋かい?」

「はい」

「夜朝飯付きで500エナだ」

「風呂はありますか?」

「ウチみたいなとこにゃーねーよ。入りたきゃもっと上のランクの宿だな」


菊池君を見ると頷いている。


「いえ、ここでお願いします」

「水桶は貸してやるからそれで済ませるかい?」

「はい、お願いします」

「じゃぁ、500エナね。はいよ、これ部屋の鍵」

「ありがとうございます。厄介になります」

「よろしくお願いします」

「おぅ、ゆっくりしてってくれ」



2階に上がって部屋に入る。


4畳ほどの広さにベッドが2つ。まさに寝るだけのスペースだ。

布団を叩くと埃が日の光で照らされている。


「菊池隊員。早速出番だ」

「ラジャー!《掃除好き》!」

「「おおお!」」


辺りの埃が消え去った。


「菊池君。これはすごいぞ!」

「ですねっ!いやぁ便利だわー」

「とりあえずこの部屋中を掃除しよう」

「ラジャー!」


菊池君がスキル名を唱えながら部屋中を綺麗にしている。


「しかしスキル名がなぁ・・・」

「えぇ、かわいいじゃないですか」

「スキル名変えて唱えたら効かないかな。クリーナップじゃ駄目か?」

「《クリーナップ》!」

「おお!いけるね」

「じゃ今後それで。あっ、クリーンアップでいきます」

「そうだな、所詮カタカナ英語だからな。しかし固有スキル名は個人の感性で決まるのか?」


「粗方終わったな。よし、じゃー俺の出番だな。《殺菌》!」

「おお!って効果分かんないですよ」

「そーだよなー。目に見える効果が無いのは少し怖いね」

「まー、私のクリーンアップが効果あったので信じましょう」

「そうだね。因みにスキル使用後何か体の中に感じたんだけど」

「あっ、それ私も感じました。魔力消費か何かですかね」

「魔法じゃなくても魔力を消費するのかね?」

「その辺も確認しましょう」

「そうだね。とりあえず夕方までどうするか考えようか」


「あっ、そうだ。宿の人に紙とペン借りてくるよ」

「あぁ、覚えておいた固有スキルですか?」

「そう。ついでに宿の人の名前も聞いてくる」

「ついでかーい」




「エルドだって。ほい、紙とペン」

「あざーす。支配人の名前が店の名前なんですね。おぉ羽ペンか」

「支配人て」

「オーナー?」

「ちょっと上流っぽい?安宿には~」

「ご主人」

「っぽいな。それでいこう」


「じゃー、肉屋のぉ~~~」

「パルム」

「そう!パルムもご主人の名前でしょうか」

「働くの?」

「早くしないと埋まっちゃいません?奥さんの代わりって言ってましたから」

「そうだね。宿も悪くないしガルトさんだっけ?信用出来そうかな」

「面接行ってみてヤバそうなら断りますよ」

「そうしよう。生き残ることが最優先だからな、っても金も重要だが」

「物価や住人の人生設計も調べましょう」

「政治・経済・文化って感じかね」


「そういや道中で魔法試せばよかったな」

「あっ、そういえばそうですね」

「軽口叩いてたけど結構いっぱいいっぱいだったからな」

「えへへ、私もです」

「街中で試すのはさすがに捕まりそうだから一旦街の外で試し撃つか」

「また入るのに税金掛かるんじゃないですか」

「そうか、エルドさんに聞いてみるか」


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