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HappyHunting♡  作者: 六郎
第4章 サーヤ (グンナー:エタル、マキロン)
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④-01-58

④-01-58




領都を出た時の曇天は昼を過ぎて雨に変わった。


国外を目指す。

その間には他の領州の街や村がある。


今日は村に泊まり、次も村、そして違う領州の街に着くという流れだ。


あと数時間で最初の村に着くだろう。


「そういやリオンヌさんが言ってたんだけど、バックパックが領軍に仮採用されたんだって」

「えっ!?」

「今後は正式採用を目指し、ゆくゆくは王国軍にも・・・って息巻いてたよ」

「えぇ!そんなこと聞くと作って良かったのかなって思いますね」

「軍隊に採用されて?」

「えぇ」

「まぁ、あれだ。今後は注意するとして、とりあえず南の国で良かったと思おう」

「北の国よりってことですか?」

「あぁ。南北でどっちが勝って欲しいって言ったら、断然南だしな」

「そうですね」


「で。ここから1番近い国外の街は・・・と」

「ソルスキア王国のグンナーです」

「10日前後で到着・・・と」

「えぇ。途中2つの領州、2つの街に寄ります」

「地図からすると・・・全く分からんな」

「えぇ。この世界の地図はその街その街の地図は見れなくはないんですが全体となると曖昧ですね」

「地図だと街道は西北西を指しているが合っているのやら」




3日後、街に着くまで雨は降り続いた。

村に泊まっていた時に俺も《病気耐性》のレベルが上がってLv2になった。


「村の宿の湿気ヤバいな!」

「臭いも・・・《殺菌》はよう!」




そして2日掛けて村々を泊まり次の領州の街へ。

そして最終行程の5日の旅では流石にもう馬車に乗りたくなくなって徒歩で移動となった。

最初は村に泊まり、2日目は野宿。3日目も野宿ということで野宿の場所を探していたが、どうも良さそうな場所が無い。

どうやらこの辺は国境付近らしく森も深く丘陵もあり適当な野宿の場所があまり無いようだった。

事前に野宿の場所を聞いて地図に書き込んでおけばよかったと2人で反省しながら歩いているのも夕方で、森に太陽が沈もうとしていた。


なんとか薄暮にはテントを張りたいそんな中、その叫び声は森に響いた。


「きゃあああぁぁぁーーー」


「なっ、何だ!?」

「女性の叫び声だったような?」

「魔物じゃないのか?」

「行ってみましょう」

「い、行くの?」

「野営地が有るのかも知れませんよ」

「そ、そうだな」

「叫び声はあっちから聞こえたんですが大丈夫ですかね」

「周りに山とかないから大丈夫じゃない?」


声のする方へ進んでいくと《魔力感知》に反応があった。


「菊池君、魔力反応在り。6つだ」

「了解です。静かに近づきましょう」


僕達は反応のする方へ近づく。暗くて見えにくいが人間のようだ。


「人間だな。あの格好は冒険者だな」

「ですね。隠れながら近づいてみましょう」

「い、行くの?」

「幽霊じゃないですよ!」

「わ、分かってらい!」


近づいて藪から様子を窺うと、どうやら1人の女性を暴行中らしい5人の冒険者・・・いや盗賊か?がいた。

盗賊の傍で火を焚いているから確認はし易い。

全員こちらに背を向けている。


「早くしろって!」

「うるせー!もうちょいだから!もうちょい!」

「見てるだけでも興奮してくらー」

「分かるー!ぎゃははは」

「うううぅ・・・」


「盗賊か?」

「ですね」

「いるんだな」

「殺りますよ」

「ま、待て」

「?」

「作戦を立てるまで待て」

「分かりました」

「先ず罠を設置、君が弓で1人確殺、《風刃》で致命傷。これで残り3人だ」

「はい」

「俺が奴らに正体を現す、1人だと思って突っ込んできて罠に掛かる、俺が殺す。これで残り2人だ」

「はい」

「君は最後まで姿を現さなければ俺が時間を稼ぐ、その間に弓で1人確殺。俺か君の魔法でラストショット」

「それで行きましょう」

「魔法を見られても構わんな?」

「えぇ。仕方ありません」

「よし。じゃぁ取り掛かる。罠はこの辺に仕掛けるから君は狙撃位置を探してくれ」

「はい」

「あっ」

「何です?」

「最初の1撃は1番後ろの奴、俺達から見て手前の奴にしてくれ」

「何故です?」

「少しでも気付かれにくくするためだ」

「分かりました」

「くっくっく」

「な、何ですか?」

「あいつら順番待ちしてる時、下半身全部脱いでやがんの」

「そんな事言ってる場合じゃないでしょ!」


罠の設置を終え菊池君にサインを出す。

菊池君もサインを返す。狙撃位置に着いたようだ。

菊池君に攻撃開始のサインを出した。


ビシッ

どっ


手前の奴の後頭部にボルトが刺さって倒れるが4人は気付いた様子はない。

コトに集中しているようだ。魔物にでも襲われたらどうするんだろう。そこへ、


サシュッ


「がっ」


延髄がぱっくり割れ血が噴き出し2人目が倒れる拍子に血が周りに飛び散った。

そうなって流石に気付いた盗賊たちは周りを見回す。

そこで俺はさっと姿を現し格好よく盗賊たちに叫ぶ。


「そっ、そそそその女性ををををははははなはな放せぇぇぇ!」

「何だてめぇは!?」

「くそがっ!殺っちまいやがって」

「てめぇ!ブッ殺してやる」

「1人でどーしよーってんだ、あーん!」

「声が震えまくってんじゃんかよ!」

「女は後だ。コイツで遊ぶぜ!」


3人は武器を取りこちらに駆け出した。

股の間のモノがプランプランしている。


「くっくくく来るなぁぁぁ!」


ぶんぶんショートソードを振り回す。


「へっへっへ。今行ってやるからそんなに興奮するなって」

「こいつと女で2人分楽しめるな」

「ぎゃーはっはっは。良いねそれ!」


俺は藪に戻る。

その後を追って藪に分け入り俺に近づこうとする2人だったが、


ガシュ


「「うあっ!」」

「何だ?どうした?」


2人が罠に掛かり全体の動きが止まる。

俺はすばやく近づき1人の頭にショートソードを振るう。


ザクッ


「あっ!てめぇ!ちょ、待て!こっち来んな!待てって!」

「《雷撃》」バリバリ

「ぐあっ」

「ちょっ、どーなってんだよ?今の光と音!魔法使いかよ?くそっ!」


下半身丸出しで逃げ出す5人目。


ビシッ


ボルトが膝に突き刺さる。


「ぐあああ・・・ううう・・・くそぅ」

「膝ってマジか!スゲーじゃんマキロン!」

「誰がマキロンだ!」

「いや本名言わない方が良いかなって思って」

「にしても!」

「たっ、たすけ・・・」

「オラ!」


5人目を剣の腹でブッ叩いて気絶させた。

全裸に剥いてフン縛って転がした。

手足首を後ろに回し一緒に縛ったので動けないだろう。


「女の方はどうだ」


俺が剥いて縛る間、菊池君は女性を診ていた。

服は脱がされていたので見つけて掛けてやっていた。

猿轡を外して語り掛けている。

俺達が殺してる間、何が起こったか分からず呆然としていたようだ。


「大丈夫ですか?もう大丈夫ですよ」

「ああぁ・・・はぁはぁはぁ・・・ありがとうござい・・・まし・・・ます」

「菊池君。股から血が出てる、ポーションを使うんだ」

「分かりました」


ポーションを使って傷を治し、鎮静作用もあったのか大分落ち着いた。


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