表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
HappyHunting♡  作者: 六郎
第3章 領都ヴィヴィエント (ヴィヴィエント:カーズ、マイキー)
55/706

③-10-55

③-10-55




(ロングソード、ロングソード、短剣、弓。弓は必ず殺せ、あとの1人は任せる)

(分かりました)


ジャン達が急いだ風で森に入って来た。


「くそっ、見失ったか?」


ユラリ


俺は木の陰から姿を現す。


「いよぉ、探しもんか?」


「「「「!!」」」」

「・・・あぁ。だが見つかったよ」

「良かったじゃねーか。どうぞお先へ」

「へっへっへ。余裕じゃねーの」

「あぁ。探しもんは何だ?」

「へっ。ペアの幼虫だ。まだ何も知らねぇガキ共さ。サクッと狩って美味しく頂こうってな」

「2匹の幼虫に4人か~。流石ベテラン、油断しないねぇ~。参考になるよ、Happy hunting 」

「くぅ!」

「護衛依頼でも余裕コイて酒飲んで肉焼いて魔犬呼び寄せてたもんな~」

「てめぇ!」

「待て!ジャン」

「おっ!物分かりのいいお連れさんじゃないですか。またジャン君のお守りですか?」

「くそっ!てめぇ!」

「ジャン!おい、お前!素直にコロリマイタケの狩り方を言え!そうすりゃ苦しまずに殺してやる」

「あれ?幼虫って俺の事だったの?」

「よゆーぶっこきやがって!ブッ殺す!女は犯してから殺す!」

「あらー。苦しまずに殺すんじゃなかったの?」

「ジャン!くそっ、オイ女はどこだ?」

「あぁ。あそこにいるぜ」


俺は指さす。

4人は女を探して指さした方に向いた。

指した手でサインを送る。


ビシュッ


「「「なっ!?」」」


弓使いの目にボルトが刺さっている。


ザシュッ

「ひうっ」


剣士の喉が裂かれた。


「やっ、野郎っ!!」

「今日は酒飲んでねーのか?」

「てんめぇ!」

「やめろジャン!女がどこにいるか分かんねーんだぞ!クロスボウ持ちだ、木に隠れろっ!」


2人は木に隠れようとするが、


「「ぐわぁっ!?」」


どうやら罠に掛かったようだ。

さっきの《風刃》を食らった奴を見れば、

喉を裂かれて必死に血を止めようとしている。

ポーションは持っていないようだ。


「もう出てきても良いよ」

「はい」

「あっ、ジャンに殺さない様にボルト撃っといて」


ビシュッ


「あうっ!?」


俺達2人は短剣使い、ジャンの連れの方に向かった。


「いよぅ!」


ショートソードの腹で頭を殴る。


「ぐわぁっ!!」

「お待たせ」

「たっ、助け・・・」


ショートソードの腹でもう1発殴る。

仰向けに倒れた。


「ぐわぁっ!!」

「情けねぇこと言うなよ」

「たっ、頼む」


離れた所に居る喉を裂かれたヤツを見ると喉を掻きむしっている。

血で窒息しているようだ。もたんな。


ジャンの連れの足にはロープが括られて、ロープの先は木に縛られている。

さっき木の陰に隠れた際に罠に引っ掛かったのだ。

右脇を刺す。


「ぐわぁっ!!」


左手で痛む個所を抑える様に蹲る。

空いた左脇を刺す。


「あぁっ!もっ、もう止めてくれ!」


菊池君にショートソードを手渡す。


「君がやるんだ。腹を刺す。ただ殺すな」

「そんな。それじゃ拷問・・・」

「そうだ。目には目を。君は犯されたあと殺されることになってたんだぞ」

「だからって・・・」

「殺すのは慈悲だ。苦しませなければ罰にはならない。君も苦しむことになるがそうしなければこの先生きてはいけない」

「でも・・・」

「助け・・・て」

「こうなっていたのは俺達だったかもしれないんだぞ」


菊池君は両手で柄を握っている。


「咎人に報いを」

「・・・分かりました」



ブスッ


「あぁぁぁ!・・・」


腹に突き立てる。

俺は菊池君の手を握り更に押し込む。


「うぁぁぁ・・・」


手を捻って剣を回転させる。


「ぐぅぅぅ・・・」



「ジャンは僕がやる。君はこいつらから金目の物とコートを取り上げてくれ」

「・・・分かりました」




「いよぅ!お待たせ」

「ひっ・・・ま、まて」


麻痺毒が効いて動けないようだが会話は出来るらしい。


「たっ、たすけ・・・て」

「酒の飲み過ぎだぞ、ジャン君」

「おね・・・がひ」

「もう飲まないってお兄さんと約束したでしょ」

「たっ、たのむ・・・から」

「お兄さんの言う通りにしたら俺達は殺さないって誓うよ」

「ほっ、ほんと・・・だな」

「嫌なら今殺す」

「いうとおりに・・・します・・・から」

「この襲撃はお前らだけの計画か?」

「ちが・・・ぼす・・・」

「ぼす?ボス?かしらか?」

「はい・・・」

「誰がお前のボスだ?」

「まく・・・ろん」

「マクロン?知らんな。どんな奴だ身なりを教えろ」


マクロンとか言う奴の風体を聞き出す


「今日中に報告するつもりだったのか?」

「はい・・・」

「どこでだ?」

「ぎる・・・ど」

「冒険者ギルドか。お前らは何人だ?」

「にじゅ・・・」

「にじゅ・・・20人か?」

「はい・・・」

「全員集まってるわけじゃなさそうだが。ボスと幹部が待ってるんだな?」

「はい・・・」


幹部連中の風体も聞きだす。


「よし。こんなもんかな」

「たす・・・けて」

「あぁ。約束は守るよ」


ジャンを漁り金目の物を頂く。

ロープを解きジャンを担いで背負子に降ろし、背負って森の奥に向かう。


「ちょっと奥に行ってくる」

「わっ、私も行きます。こんな所に1人にしないで下さい」

「そうだった、すまんね」

「そう言えば確かめたいことが有るって言ってましたね」

「あぁ」


しばらく歩いてマイタケを見つけた。


「よし。ちょっと行ってくる。君はここで周囲を警戒しててくれ」

「えっ!?こんな時に狩り?」


マイタケも俺に気付いたようだ。


「な・・・なに・・・を?」

「苗床にしてやるよ」

「!?や、やく・・・そく」

「俺達は殺さない。約束はそうだったな」


マイタケがやっぱり優雅に近づいて来る。


「ま・・・まて・・・」

「女は犯す?んな奴生かしとく訳ねーだろ。キノコになっちまえ」

「ちょ・・・まて・・・」

「大丈夫だ。ちゃんと向こうから見ててやるから。お前のキノコがキノコになるところ」

「たの・・・む」

「分かった。しっかり見届けてやる」

「ち・・・ちが」

「血?いやマイタケは出血させるような攻撃しないと思うぞ」

「ちが・・・」

「血が騒ぐ?ふふふ、俺もだ。おおっと来たぞ。じゃぁな」

「うううぅぅぅぅぁぁぁぁぁぁぁぁ」


俺は菊池君の元に戻りマイタケがどうするのか観察する。


(ちょっと!何ですかこれ!)

(しー!静かにするんだ、菊池君。折角マイタケの生態が観察できるチャンスだ。見逃す手はない)

(いや、でも)

(君を凌辱しようとした奴は苦しませて殺す。必ず殺す。絶対殺す)

(でも)

(俺がやったんだ。君が罪に思うことはない)


彼女を守ると誓った。

それは俺が死んだとしても彼女が死なないようにすることでもある。

彼女に嫌われたとしても彼女が無事生きていける様にすること。

それが守るということだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 敵をしっかりと殺す。良いね。とても大事なことです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ