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HappyHunting♡  作者: 六郎
第15章 マンイーター カタルシス (ロッシ、アンナ、ルーナ、カヤ、セラス)
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「くぅおの!大人しくせんかっ!亜人の分際で!」


壮年の男が机に押し倒した少女に圧し掛かっている。


「いやぁあああ!」


男の上半身の服はまだ着ているが尻は丸出しだ。

あとは女の服を脱がすという所らしい。


「閣下!そんな場合ではありません!」

「そんな場合とは何だそんな場合とは!これは浄化だぞ!ワシの精を注入して亜人を清めてやるのだ!」

「南門が激戦の様です!至急応援を送らねば手遅れに!」

「送れば良いだろうが!」

「兵士は何処から出すのですか!住民を抑えている者達から出すと住民を抑えきれず反乱の恐れが!」

「己が何とかせい!ワシは忙しいのだ!獣風情が街主とは片腹痛い!この獣の目の前で娘を浄化してやる!」

「ぐ・・・ぐぅ・・・」


街主と思わしき男は暴力を振るわれたのだろう、顔を腫らして椅子に縛られていた。

隣に妻だろう女も同様に縛られている。


「だから兵士をどこから捻出するかは閣下の許可が必要なのです!」

「何だ貴様その口の利き方は!ワシはリィ=イン教国軍四神将「ガシャァアン」!?」


顔だけ振り返って部下に怒鳴っていた壮年の男の向かいの窓が外から割れた。

壮年の男の後頭部にカズヒコのキックが決まる。


「ぶほっ!?」


報告に来た部下の横をぶっ飛んで行き壁に顔面を強打して倒れる壮年の男。


「なっ!?」


つい今の今まで上司が居た空間にクロスボウを構えたカズヒコの姿を見た部下の男。

あんぐりと開けたままの口を矢が貫通し、倒れる部下の男。


「いったぁ~」

「大丈夫ですか!ロッシさん!」


カズヒコが入って来た窓からハンマーで危ないガラスを割りながらサーヤが入って来た。

顔に刺さったガラスを取るカズヒコ。

カッコつけて窓から飛び込んだは良いが割れたガラスで切り傷や刺し傷が出来ている。


「物理的よりも精神的なダメージの方が大きい・・・」

「窓を全開にしてから入っても良かったんじゃないですか。夏で開いてたんですし」

「奇襲に逸っちゃってね」

「それでご自身が怪我してたら意味有りませんよ」

「痕が残る前にカヤに治してもらわんとな」

「早く用事を済ませましょう」

「そのを頼んだよ」

「はい」

「だ、誰?」


女の子も混乱しているようだ。

ま、まぁ、窓からダイナミック登場したから当然だな。

というかこの子にガラスが飛び散らなくて良かった。


「閣下!?だっ、誰だ!」


衛兵だろう奴等が様子を窺いに部屋に入って来た。


「貴様なに奴らりゃっ」


矢を顔面に受けて倒れた。


「ちょっと行って来るから、多分街主だろう獣人の人達も頼んだよ」

「はい。お任せ下さい」


カズヒコは走って行った。

サーヤが声を掛ける。


「大丈夫?」

「え、あ、あの・・・」


乱れた服を直してやる。


「公国軍大公直属の者です」

〈ぎゃあああ!〉

「ベ、ベオウルフ!?ベオウルフ殿下の!?」

「はい」

「ううう、うあああーん!」

〈ぎゃあああ!〉

「もう大丈夫ですよ。騎士ナイトが来ましたからねー」

「うあああーん!」

〈ぎゃあああ!〉


サーヤは娘を抱きしめる。


「もう大丈夫。私のナイトは強いから。クズ共を皆殺しにしてくれますからねー」

「うあああーん!」

〈ぎゃあああ!〉

「あなたは街主のお嬢さんかしら。お父上は?」

「うあー!あっ!お父様!お母様!」


娘はサーヤの下を離れて駆け出した。

椅子に縛りつけられた男と女の下に向かう。


「お願い!お父様とお母様を助けて!」

「大丈夫よ、安心して。ポーションを持って来ているから」


サーヤは収納袋からポーションを取り出して傷だらけの2人を治療する。

しばらくするとポーションが効いて2人の傷は治っていった。

2人共意識を取り戻す。


「お父様!お母様!」

「「う・・・うぅ・・・」」

「様子はどうだい?」

「ロッシさん!はい。大丈夫そうです」

「そうか。じゃぁしばらく親子水入らずにさせてあげよう。隣の部屋に行くよ」

「はい。お嬢さん。私達は隣の部屋に居ますからね」

「あぁー!お父様!お母様ぁー!」




サーヤが閣下と呼ばれていた男の髪を掴んで隣の部屋まで引き摺って来た。


ブチブチブチ

「いだぁ!いだぁ!やべろぉ!やべろぉー!」


その辺に投げ捨てる。

ドサッ


「ぎじゃまぁ!タダでは済まさんぞぉ!何処の所属だぁ!」

「ベオグランデ公国軍大公直属だ」

「・・・はっ!?」

「ベオグランデ公国軍大公直属だ」

「・・・はい!?」

「ベオグランデ公国軍大公直属だと言ってんだ!お前いい加減にしろよ!」

「公国・・・軍?」

「砦は落ちたぜ。お前がサカってる間にな」

「落ち・・・盛・・・は?」

「あぁ!もう!」


口の中に爪先蹴りを入れる。


「ぎゃぶぅあっ!?」


口の中から赤黒いドロッとした物が床に流れ落ちた。

血溜まりの中に数本の歯も見られる。


「性的興奮状態の上に頭を強打したから混乱状態だったんだろう。可愛そうに」

「これで目が覚めたでしょうね。ロッシさんはお優しいですわ」

「仮にも総大将だからな。扱いには気を使わんと」

「ばぶばぶあ~!」

「幼児退行だと?もう1発いっとくか」

「まっちぇ~!まっちぇ~!」


男が手を上げて訴える。


「状況を把握したか?」

「はい~!」

「お前はリィ=イン教国軍の総大将だな?」

「ぞうでずぅ~!」

「象?教国独自の役職か?」

「そう、ですわ。ロッシさん」

「あ?・・・あぁ。ハッキリ喋れ。情報は正確に伝えろ。分かったな」

「びゃい~!」

「ふん!」


バゴッ


「ぎゃっ!」

「正確に伝えろと言っただろ。聞こえなかったのか」


顔を左右にブンブン振る男。


「住民はもう国に送ったのか?」

「ばい~。ずごじじか送ればぜんでじだ~」

「少ししか送れなかったんだな」


コクコクコクと、急いで首を縦に振る男。


「流石ロッシさんですわ」

「共感力って言うのかな。相手の気持ちになるのが大切なんだよ。そうすれば相手の言いたい事も分かる」

「住民の事を考えてらっしゃって、お優しい」

「貴族じゃないしね。同じ一般人。しかも北部から逃げて来てここに居付いた人達も居るんだろう。溶け込もうと必死に働いた人達だ。尊敬に値するよ」

「そこまで想いになって・・・(羨ましい)」

「ん?なんて?」

「恨みがましい顔をしているこの男に反吐が出そうですわ」

「全くだな!自分は被害者って面だ。少女を犯そうとするケダモノが生意気だぞ」

「きゃっ!きゃみに与えられた権利だ!」

「きゃみ?きゃみぃぃぃ・・・神!」


当りと言わんばかりにビシッと俺を指さす男。


「俺を指さすな」

パキッ

「!!」


指した指を折られる男。


「ほぅー!ほぅー!」

「大体で良い。何人の住民を送ったのか言え。あと国境街パルカの様子もだ。兵数、設備、食料状況諸々な」


男は聞かれた事を答えていく。

喋る事で混乱も収まって来たのか、自分が総大将だった事を思い出す。


「こっ、こんな事をしてタダで済むと思っているのか!」

「ん?」

「捕虜の虐待だ!ワシは貴族だぞ!更に国際問題だ!」

「どうした急に。幼児退行は一時的だったようだな、良かったな」

「うむ、一安心、じゃ!なーい!」

「どうしたどうした」

「お前ら殺してやるからな!ワシをこんな扱いやがって!見た所兵士の兵装ではない!冒険者だろう!捕虜交換の時にお前等の身柄引き渡しを要求してやるからな!」

「ほぅほぅ」

「その女もお前の目の前で嬲ってやる!覚悟してろ!」

「その女もって事は、他にもやったって事か?さっきは未遂だったもんな」

「あぁ!亜人の親の前で娘を浄化してやるのよ!親の悔しい表情と娘の絶望の表情がワシの信仰心を篤く!熱く!燃え立たせるのだぁっくぅおん!?」


カズヒコの手に握られた錐が下半身丸出しだった男の玉の1つを貫いていた。


「はぅ、はぅ、はぅ」

「回転させてみるか。キリキリキリと」

「錐だけに、ですか」

「ルーナ君。それは頂けないなぁ~」

「ちょっ、ロッシさん!?」

「キリキリキリ」

「もー!酷いですぅー」

「はぅ、はぅ、はぅ」

「もう一方の玉もいっとくか?うん?」


フルフルフル

顔を振る男。


「じゃぁ別の玉をいっとくか」

「え?」


スク


男の瞳孔に錐が刺さった。


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