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HappyHunting♡  作者: 六郎
第3章 領都ヴィヴィエント (ヴィヴィエント:カーズ、マイキー)
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「マジックアイテムがあるならちょっと覗いて行きません?」

「そうだな。領都で装備を揃えれば、今後田舎の街では買わなくていいだろうしね」


僕達は武器屋と防具屋に行った。

コローやコンテでは武器防具屋だったが、流石領都。それぞれ専門店に分かれている。


「どうです?」

「うーん。やはりと言うか、マジックアイテムは高いね」

「そうですねー。桁が違ってきますね」

「ゲームとかだと高くても武器を選ぶんだけど」

「そうですね、HPなんて数字だけだったら首刎ねられたり心臓を一突きなんて無いですからね」

「逆もまた言える。安い武器でも殺せるという訳だ」

「安すぎるのも問題ですけど。前の街でそこそこの物買ってますしね」

「だとすると武器にお金は回さず防具に注ぎ込むかー」

「生存率を上げましょう。生き残りさえすれば、また稼げますよ」

「だな。多少の出費はしてもここで揃えていくか」

「生存時間が長くなればスキルも育ちますし強くなるでしょう。急がば回れってことですね」

「ただ、手持ちの金では買えないから後日だな」

「はい」


武器防具も見終え、喫茶店で茶を飲んでいた。


「ところで」

「はい?」

「この街だとバッグのオーダーメイド受けてくれるんじゃなかろうか」

「あっ。それはありますね。作りますか、バックパック」

「あぁ。こういう所じゃないと手に入らんだろうから」

「だったらリオンヌさんに紹介してもらいましょうよ!」

「むっ!そうだね。その方がすんなり事が運びそうだ。そうしよう」




僕達はリオンヌ商会館へ赴き、リオンヌさんと今後の打ち合わせをする。


「それでは明日から始めると?」

「はい。ただ明日はゴブリンを持って帰ります」

「ゴブリンを?何故です?」

「ゴブリンを門衛に確認させ、僕達が持って帰るのはゴブリンだと思わせる為です」

「なるほど。それでそのまま私共の所へ?」

「えぇ。もしギルドの納品館へ行ったらゴブリンはギルドへ、他の素材はリオンヌさんへと思われるかも知れませんから」

「そうですね。ではゴブリンも買い取りましょう」

「よろしいのですか?僕等は魔石さえ貰えればいいんですが」

「なに。ゴブリンも無駄にはなりません。皮は皮紙に、肉は家畜の餌になります」

「そ、そうなんですね」

「はい」


「あとリオンヌさんにお願いがあるのですが」

「何でしょう」

「バッグのオーダーメイドしてくれる店を紹介していただきたいのです」

「ほぉ、バッグの」

「えぇ」

「分かりました。私共の系列の職人を紹介しましょう」

「ありがとうございます。よろしくお願いします」

「いえいえ。では今呼びに行かせましょう」

「あっ、僕達が行くので」

「そうですか?では居るか確認に行かせましょう。シモン、頼む」

「畏まりました」


リオンヌさんは茶を飲もうと左手を差し出す。


「リオンヌさんもパーティリングを着けてるんですね」

「え?えぇ。着けない理由がありませんからな?」

「「?」」

「ご存じありませんかな、パーティ登録をしていれば色々と便利なのですよ」

「色々と?」

「えぇ。私達商人でも護衛と登録しておけば経験値が割り振られるのです」

「「なんだって!?」」

「はっはっは。ですので貴族や商人の多くは戦闘経験が無くてもステータスは上がるのです」

「ずるい!」

「はっはっは。確かに。ですので無駄に高いステータス持ちはおりますな。ただステータス適性は伸びませんのでやはり本職には適いませんよ」

「なるほど」


(ステータス適性?)

(あぁ。アルファベットになってるのはステータス値じゃなく適性値なんだろう)

(どう違うんです?)

(伸び率だろう。適性値が高いほど伸びやすい)

(じゃぁ、実際のステータス値はステータス画面では見られないって事ですか)

(そうなるな)

(っていうか適性が伸びるって事は、やればやるほど強くなるって事じゃないですか)

(恐いな)


「例えば商人用のスキルも上がるんですか?」

「いえ。あくまでステータスだけです。スキルの経験値はスキルを使わなければ得られません。スキルで魔物を倒すと更に加算されるそうです」

「では商人のスキルはやはり商売で上がると」

「そうです」

「例えば職人さんのパーティがいて、1人だけ仕事してたら他の人達も上がったりは・・・?」

「ステータスは上がりません。ただ見たりすれば僅かにスキル経験値は入るようですね」

「ってことは職人さんはパーティの恩恵があまりないって事に」

「えぇ。そうなります。ステータス経験値は魔物などを倒した時に分割されるようです。まぁ、そのステータスに関する事をすれば上がるという事らしいですね」

「分割って事は少人数の方が良いって事ですか」

「はい、そうなります」


「パーティリングってどこで入手するんです?」

「そこらで売っていますよ。ダンジョンから頻繁に入手出来ますからな」

「ダンジョンアイテム!?」

「そうです」

「ってことは古代文明の・・・」

「えぇ、御存じでしたか。リングは触媒なので、失くして誰かが装着しても元の持ち主のステータスが見られるということはありません。超技術ですな」

「パーティリングってパーティ機能だけですか?」

「いえ。リングが無いとステータスが見れませんね」


(そうか。じゃぁ多面体の時も最初っから着いてたのか)

(でしょうね)



ノックノック。


「旦那様。今は大丈夫との事です」

「ありがとうシモン。今は大丈夫らしいのでご案内しましょう」

「いえ、教えていただければ2人で行きますのでお気になさらず」

「そうですか、申し訳ありません、それではそのように」

「はい。ありがとうございました」




商会の人に案内され職人区にやって来た。

リオンヌ商会系列の職人さんを紹介され、商会の案内人は帰っていった。


「よろしくお願いします。カーズとマイキーと言います」

「あぁ、こちらこそよろしく。なんでもバッグを作りたいとか?」

「えぇ。僕らの案を伝えますので作っていただければと」

「分かった。とりあえず聞こうじゃないか」


僕らのバックパックの案を細かく伝える。


「う~ん。結構細かいな。それだとかなりの金額になるぜ」

「えぇ。構いません」

「そうか、後は簡単に安い革で型を作って、それを見てもらいながら詰めて本番って感じだな」

「分かりました。僕達はリオンヌさんの系列の宿にいますからそちらに言付けて貰えれば」

「分かった。じゃー、とりあえず型を作ってみるよ」

「よろしくお願いします」


とりあえずの手付金を払ってその日は宿に帰った。


「いや、ハードな1日でしたね」

「収穫の多い日だったね」

「先ずは魔法図鑑ですか。読むだけでも経験値もらえそうなので読んでみましょう」

「うん、そうしよう。ポーションも貰ったけどこの瓶、ガラスなのかな」

「みたいですね。バッグに無造作に入れてたら割れちゃうかもしれませんね」

「ポーション専用のポケットをバックパックに追加するか」

「それは良いですね」

「あとポーション使ったこの瓶どうするんだろ?」

「?どうするとは?」

「ゴーグル作れないかな。ちょっと重いかもだけど」

「あぁ、良いですね。今冬ですし風が厳しい時は辛いですからね」

「眼鏡やガラス窓があるんだから作れると思うんだけど」

「リオンヌさんに相談しましょう」

「リオンヌ様様だな」

「やっぱ商人は良いですね。私達も将来的には商人で良いんじゃないですか?」

「だよねー。少なくとも商人と繋がりを持っておくのは重要だね」




翌日、背負子を借りて南東門から出た。

来た時に入った門は北西門だ。

ヴィヴィエントには3つの門がある。

あと1つは南門だ。


ヴィヴィエントで初の狩りは魔犬だった。

コローやコンテと同じ様な犬種は様々にいるが性格や攻撃スタイルなどは一緒だ。

ゴブリンも殺した。

やはり他の街と同じようなゴブリンだ。

一応油断せずにいたが安堵したのは当然だろう。

これならコロリマイタケも他のマイタケと同じ様な感じだろう。


僕達はゴブリンを背負い街に帰って門衛にゴブリンを見せ、リオンヌ商会に卸してゴーグルの件を話して職人さんを紹介してもらったのでポーションポケットの件も併せて職人区に行った。


ゴーグル自体は時間はかからないが、皮膚と密着させる部分の素材を吟味する必要があり結構時間が掛かるらしく、宿を教えて進行状況を伝えてもらうことにして帰った。


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