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HappyHunting♡  作者: 六郎
第15章 マンイーター カタルシス (ロッシ、アンナ、ルーナ、カヤ、セラス)
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8人で移動してゲートを抜けた先に、教えてもらった通り手続き所が有った。

ビブスと引き換えに証明書を発行してもらう。

同時に賞金を受けとった。

300万エナだ。

賭け金の取り分と大公との約束の金はやはり時間が掛かるらしい。


「・・・それでこれからだが。俺達用にホテルが用意されてるらしい」

『へぇ』

「8人まで泊まれるらしいから、バイヨ達も一緒にどうだ」

「いや。有難いんだけどあたし等は故郷だろ?」

「実家が有るのよ」

「そうなの」

「そうだったな。じゃぁ家族に顔を見せるのか」

「そのつもりだよ」

「分かった。じゃぁ何か有ったらホテルにロッシを訪ねてくれ」

「分かったよ」


バイヨ達とはそこで分かれた。

ホテルに泊まる手続きを済ませて残金の連絡はホテルにしてもらうようにした。

コロシアムを出る。

既に人は疎らだった。

あれだけの熱狂が嘘のようだ。


「何か、あっという間に終わっちまったな」

「大公選抜祭?」

「あぁ」

「カズ兄ぃは特にそうだよね。無理やり連れてかれちゃったんでしょ?」

「あぁ。気が付いたらコロシアムの控室だった」

「お疲れさまでした。早く宿に行って休みましょう」

「そうだ。旅の疲れも有るだろう」

「旅の疲れも有ったのに良くバトルロイヤルに勝ち残ったわね」

「ホントに疲れたよ」




冒険者ギルドに預けていたラドニウスを引き取ってホテルに向かった。

国が用意したとあって豪華なホテルだ。

部屋に入って一息つく。


「ふー!あー疲れた!」

『お疲れ様ー!』

「ニャウ」

〈クァー!〉

「あっ、窓の外にレイヴ達が居るわよ」

「入れてあげようよ」

「えぇ」


レイヴとオランドさんから預かってる鳩も入って来た。

燻製肉と穀物を食べさせる。


「じゃぁ明日にでもオランドさんの所に帰ってもらおうかな」

「クルッポー」

「じゃぁ僕達も夕食を摂ろう」




夕食を部屋に運んでもらって食べている。


「じゃぁカズ兄ぃには火魔法は効かないって事!?」

「うーん。短時間ならね」

「凄いね!」

「でも多量の魔力を消費するから疲れるんだよね」

「それでも火を防げるのは凄いぞ」

「そうですわ」

「電磁バリアだっけ?」

「あぁ。《EMP》の強化版って感じ」

「へー!索敵スキルなのにねー!」

「使いようって事だね」

「そういえばカズ兄ぃは新しい魔法とか習得しないの?」

「《神経強化》や《EMP》が有るけど」

「それは他のスキルとの複合スキルでしょ?純粋に雷魔法のだよ」

「フリーエさんみたいなの?」

「そう!」

「《ライトニング》だっけ?」

「そう!スキル大全には基本の《サンダーボルト》を習得したら次に広範囲スキルの《ライトニング》を習得するのが一般的って載ってるけど」

「うーん。俺がその必要性を認識していないからかなぁ」

「必要性?」

「あぁ。特に広範囲スキルは要らないかなぁって」

「なんでよ!有ったら便利じゃない」

「対多勢の相手は君等に任せるって思ってるからね」

「弓って事?」

「そう。んで単体に一撃必殺みたいな強力な魔法をって考えだね」

「確かにワイバーンも倒したしね」

「古くはドレッドベアやロブゴブリンも居ましたね」

「アーチデーモンも居たな」

『・・・』

「だから僕は《雷撃》さえ有れば良いんだよね」

「習得しようと思えば出来るんじゃないの?」

「魔法はイメージって言われてるじゃない」

『うん』

「僕は《雷撃》さえあれば良くて、《雷撃》をもっと強くって思ってるんだけど」

「その意識が反映されている?」

「と、思うんだけどね。ワイバーンも倒せたし」

『なるほどー』

「じゃぁフリーエさんみたいな広範囲スキルは習得無理かぁ」

「でも電気なら複数に通電して広範囲攻撃出来ちゃったりするんじゃないの?」

「最初の奴にダメージが集中して、拡散しても大分弱くなってると思うよ」

「そっか」

「フリーエさんの《ライトニング》を見たけど、あれだと通電して拡散していくんだろうね」

『へー』

「その分、1発の威力は《サンダーボルト》より大分落ちてると思う」

『へー』

「じゃぁ魔法の習得は自分の望む方向をイメージすれば良いって事?」

「うーん。自分に合ってる方向をイメージって感じかな」

「無理なものは無理と」

「そうそう。自分を知る事。それが《魔力検知》と《魔力操作》の限界を突破する秘訣だと思うんだよね」

『ほほー』


彼女達にはまだ言えないが、魔法陣にも分かった事が有る。

色々なスキルや魔法の魔法陣を視て来たがどうやらLvの高低で面体数の多寡が決まってる訳でもないという事だ。

軍人はスキルを公開している者が多い。

それを調べると、例えば弓兵が持つ《弓術》のLvは同じでも彼女達の方が面体数は多い。

最初は習熟度や理解度といったものが関わっているのかと思ったが、恐らく《魔力操作》が大きく関わっていると思う。

《魔力操作》によって一般的な魔法陣に新たな要素を加えた為に面体数が増えたのではないだろうか。

それであれば俺の《神経強化》や《EMP》なんかも説明が着く。

雷魔法に《魔力探知》や《魔術昇華》が関与して新たな要素となり更には新たな派生スキルとなった。

そんな所じゃないだろうか。


「・・・ったわね!」

「ん?」

「何、聞いてなかったの?」

「あぁ、すまない。ボーっとしちゃって」

「まぁ疲れてるしねぇ」

「大公相手によくもったわね、って話してたのよ」

「そうだぞ!大公はカズヒコ以外全て瞬殺しているんだ!決勝ですらな!」

「あぁ。1分もったら500万エナくれるって言うから頑張ったよ」

「あの時そんな約束してたの!?」

「そうなんだよ。でもあいつ。試合後に報酬は無しだって言いやがって」

「それで喧嘩をしてたんですね!」

「500万エナも懸かってるんじゃ喧嘩もするよねぇ!」

「だろー!」

「でも大公相手よ!」

「子供みてーな奴だ」

『・・・』

「それは良いとして良く1分ももったなと思ってな」

「あぁ。奴には秘密が有る」

『秘密!?』

「あぁ。奴は光魔法使いだ」

『!?』

「マジで!?」

「あぁ、マジだ。最初の1撃目に恐らく《ミラージュ》を使う。それで幻惑させてから本物の1撃を与えるって寸法だ」

『へー』

「相手が幻影に引っ掛かってる所に死角から一撃を与え意識を奪う。相手は幻影にやられたと勘違いするだろうな」

「でも詠唱・・・は試合開始当初は離れてるから気付かれないとして、スキル名詠唱は?《ミラージュ》なんて至近距離で言えば分かるでしょ!」

「俺達と同じでスキル名を変更してた。《ミラージュ》は《袈裟斬り》だった」

『!?』

「何て事!」

「スキル名変更してたんだぁ」

「《袈裟斬り》では武技スキルかと思いますね」

「しかもスキルとして一般的ではないから固有スキルのな」

「よく分かったわね」

「視えてたからな」

「でもそれだったら勝てなかったの?」

「勝つって、ベオウルフに?」

「そう」

「無理無理無理無理無理無理!絶対無理!」

『そんなに!?』

「1分が限界!あれ以上は殺されてた」

「・・・確かにあの後休み無しで2回闘って優勝してたわね」

「2回とも瞬殺だしねぇ」

「戦闘は何より体力だよ。負けても逃げられるしね」

『うーん』

「【VIT】を上げる?」

「筋トレとか走ったり?」

「少しでも上げてれば助かる場面も有るかもしれませんしね」

「そうだね」

「鍛えましょうか」

「「「おー!」」」


これまたまだ彼女達には言えないが、魔法の詠唱。

子守唄、あれは恐らく暗号、パスワードだ。

詠唱を視ていると詠唱が進んでいく毎に魔法陣の幾つかの面のある部分が反応していくのが分かった。

そして無詠唱の俺の面は、魔法陣が発動した段階で既に反応した後の状態なのだ。

パスワード、アクセスキー。

詠唱はそういった物なのだと思う。

だから言い間違いは不可能なのだろう。

そしてある程度の段階を経ているのなら短縮が可能なのだ。

スキル名の変更は可能なのに詠唱文の変更は不可能なのも同様だ。

段階を経ているという事は自分をある程度コントロール出来ているという事。

「コントロール出来るんなら短縮して良いですよ」

そう言われてる様な、何か人為的なものを感じるのは俺の気のせいだろうか。

例えるならLv8以降は門が開いている状態、門が開いて他のスキルに繋がっている。

そういう事ではないだろうか。

俺の複合スキルの発生もその辺が原因だろう。

「魔法はイメージ」

そんな事が言われているがある意味正しいのだ。

自分の望む方向ではなく自分に合っている方向、というのも自分の持ってる才能や隠れた特技を活かす方向に望む。

進化。

そう。

Lv限界を突破して進化させる事でスキルも進化するのだろう。

何か人為的なものを感じるというのは夢で見た事が関係しているのだろうか。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] > そして無詠唱の俺の面は、魔法陣が発動した段階で既に反応した後の状態なのだ。パスワード、アクセスキー。詠唱はそういった物なのだと思う。 だから言い間違いは不可能なのだろう。  文意…
2022/03/26 03:48 退会済み
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