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HappyHunting♡  作者: 六郎
第15章 マンイーター カタルシス (ロッシ、アンナ、ルーナ、カヤ、セラス)
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ワァーワァーワァーワァーワァー


『100倍!?』

「大した人気だねロッシは!」

「何言ってんのよバイヨ!全然人気無いじゃない!」

「そりゃそーでしょ!ヒトよ!ヒト!人気なんて出ないわよ!」

「時期も悪かったな!戦争中に当たるなんて流石ロッシだね!」

「何これ!賭け!?出場選手に賭けるの!?」

「そうさ!熱狂してる理由も分かっただろ!」

「オッズの数字が人気のバロメーターよ!」

「大公になる賭けなの!?」

「いいや!これはバトルロイヤル生き残りに対する賭けだ!」

「決勝トーナメント出場の賭けよ!」

「バトルロイヤル!?決勝トーナメント!?」

「あんなに出場者が多けりゃぁ一々試合すんの怠いだろ!」

「バトルロイヤルで篩に掛けるのよ!」

「篩!?あの100人が一斉に!?」

「そうだ!スゲーだろ!正に戦争だよ!」

「嘘でしょ!」

「ロッシ兄ぃ!」

「ロッシさん!」

「大丈夫か!?」

「毎回死人が出るよ!」

「「「「えー!?」」」」

「まぁーロッシは大丈夫だろ!」

「何せドラゴンバスターだしね!」

「期待してるわよ!」

「「「「・・・」」」」


呆然と中央競技場を見つめるミキ達。




100倍って何だよ100倍って!

要するに誰も賭けてないって事だろ!

こういうモンは逆張りする奴が少なからず居るだろ!

それさえも無し!?

俺ってそんなに不利なの?

確かに周りの出場者達は半端ない体格の奴等ばっかりだ。

元々細い俺が見劣りするのはしょうがない、にしてもですよ!

誰も賭けないって!

こーなったら意地でも勝ち残ってやる!

・・・とは思いません。

思いませんよ、えぇ。

何せ騙されて参加した口なんでね。

騙されたって分かってテンションだだ下がりですからね。

ヤル気なんて微塵も有りはしません。

誰も賭けてない?

良いじゃない、俺が負けても誰も損しないって事でしょ。

開始早々競技台から降りてやる。

大公選抜祭最速退場の記録作ってやんよ!


「バトルロイヤル勝ち抜きで100万エナが賞金として支払われる!気張りやがれ!」


100万エナか、悪くは無い。

いやいやいや!

割に合わないぞカズヒコ。

100人のバトルロイヤルだ。

しかも殺人上等のルール。

痛い目に遭いたくはないだろ。

100倍ってある種客観的に俺を見てるって事だろ。

客観的に俺は勝ち目が無いんだ。

100倍って数字が・・・100倍か。

100万エナ賭けたら1億エナか。

いや、これ、オイしいんじゃないか?

大公になるんじゃなくバトルロイヤル生き残りで100倍だろ?

1人になるまでじゃないだろう、シードが居るって言ってたしな、恐らく複数だ。

仮にバトルロイヤル生き残りが10人だとして90人程が脱落する。

その10人が1人10人前後蹴落としていきゃぁ良いんだろ。

何とかなるかもしれんな。

・・・イッチョ賭けてみるか。

ルンバキアで報酬取りっパグれたからな。

ここで賭けるのも悪くないかもしれん。

よし!

ミキにサインを送ろう。

おっ、そうする内にまたメインスタンドに回って来たぞ。




「またロッシ兄ぃが回って来たよ!」

「あれ!アンナさん!何かサイン送ってません!?」

「えっ!?」

「ちょっと望遠鏡出して!」

「はい!」

「「「「・・・」」」」

「1本!?」

「みたいだね!」

「賭けろって事でしょうか!」

「そう思えるな!」

「・・・よし!賭けましょう!」

「おっ!賭ける気になったかい!?」

「えぇ!1本、注ぎ込むわよ!」

「よっしゃ!おーい!賭けるよ!」


係員がバイヨに呼ばれて近付いて来る。


「この席はV.I.P.席程じゃぁないけどそれなりの優遇が有るんだ!」

「このエリア専用の係員が配置されてるのよ!」

「そいつに賭け金を渡すのよ!」

「あたし達はロッシに10万エナいくよ!」

「10万!?えらい張るわねバイヨ!」

「当り前さね!あたしゃ買ってんだよあの男を!」

「アンナ達は幾ら賭けるのさ!」

「1000万エナいくわ!」

「「「!?」」」




ドオオオオオオオオ


何だ?

メインスタンドの一角から一際大きな歓声が轟いた。

丁度ミキ達の辺りだな。

震源地はミキか。

100万の掛け金にビビったか庶民共。

賭ける時に大きく賭けるのが金持ちへの道だ。




「「「1000万!?」」」

「正気かいアンナ!?」

「当たり前でしょ!私達のリーダーよ!リーダーが1本って言ったら金大判よ!」

「さっすがあたしが見込んだだけはあるね!こうなりゃ意地でも勝って貰わないとね!」

「みんなも応援するわよ!」

「うん!」

「はい!」

「そうだな!」




何だと!?

倍率が一気に13倍にまで下がった!?

いやそれでも高いんだけれども!

100万エナでそんなに下がるかな?


バァーンバァーンバァーン


銅鑼が打ち鳴らされる。

賭けの締め切り間近を知らせているのだろう。

駆け込みの賭けが一気に増えていく。

場内の熱気も更に上がってゆく。

賭け終えた連中が俺達に発破をかけている。

拳を振り上げて何か叫んでいる。

必死の形相だ。

その顔で必死に働けよ。賭け事なんかやらずにさ。


バアーンンンンン


締め切られたようだ。


「全員止まれ!メインスタンドに向き直れ!」


何だ?

何が始まる?


ブゥォオオオオオ


角笛が鳴らされる。


ドンドンドンドンドン


太鼓が響き渡る。


〈ベオ!ウルフ!〉

〈ベオ!ウルフ!〉

〈ベオ!ウルフ!〉


観客も叫び始めた。

メインスタンド中央に立派な装いの獣人が現れた。


ワァーワァーワァーワァーワァー


ベオウルフ16世だったか?

大柄の獣人男が片手を上げて挨拶した。


ワァーワァーワァーワァーワァー


ドドン!


太鼓が突如止む。

途端に喚声が低くなる。


「殿下の御言葉である!」


アナウンサーの声が響いた。


ゴゥオオオオ


音に驚いて振り返った。

バックスタンドに突風が吹き荒れている。


「殿下の声を聞かんか馬鹿共が!《サイクロン》!」


ゴゥオオオオオ


〈ぎゃああああ!〉


信じられねー!?

客席に《サイクロン》ぶっ放してやがる!?

流石に《エアロエッジ》は付随していないがそれでも周囲の観客は重傷だ。

同じ様な光景がスタンドのあちこちで起きている。

《サイクロン》ってファーダネさんが使う武技との複合魔法だよね!?

それを客席に!?

狂ってる!

この国の連中は狂ってるよ!

分からない。

理解出来ないよ!

日本人の俺にはノレないノリだ!


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