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HappyHunting♡  作者: 六郎
第15章 マンイーター カタルシス (ロッシ、アンナ、ルーナ、カヤ、セラス)
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ワァーワァーワァーワァーワァー


騙された!

あの女!

ブッ殺す!


俺の周りはヒト以外の種族だらけ。

しかもガチムチばかりだ。

殆どが俺より背が高い。

獣人、ドワーフ。

そんな奴等が俺を見ている。

殺気が籠った目だ。

まるで仇を見る様な。

この部屋の周りは武器を持った衛兵で囲まれていた。

だから周りの奴等が俺に絡んで来る事は無い。

無い、無い、が。


「もう1度”ロイヤルスクランブル”の説明をする!」

「最初はシードを除いた参加者全員でのバトルロイヤルだ!」

「ルールは簡単だ!」

「死んだら失格!」

「気絶も死んだと見做し失格!」

「死にたくなかったら競技場から降りるか降参しろ!」

「ある程度間引かれたらストップをかける!」

「そこからシードを入れた決勝トーナメント戦だ!」

「現大公ベオウルフ16世もシードに入っている!」

「現大公と戦えるんだぞ!喜べ!」

『はっはっは!』


どー考えても大公選抜祭だろこれ!!

あの野郎!野郎じゃないな、あのアマ!ふざけやがって!

何が閲兵式だ!

コロシアム!?

中で見てる!?

観客だろ!

何がやりたいんだ!


「何か質問の有る者!」

「はい!」

「おま・・・え?ヒトか!?」


この部屋の全員の目が俺に向く。


ザワザワザワ


「ヒトの参加は何十年振りだろーな!」

「いや、楽しみが増えたなこれは!」

「よし!お前!個人的に注目してるぞ!質問は何だ!」

「得物は!?」

「何だ!持って来てないのか!」

『ぶわっはっは!』

「何しに来たんだよおめーは!」

「鍬を忘れて来てるぜ!」

「羽ペンで戦おうってのか!」

『ぶわっはっは!』

「まさかロイヤルスクランブルに自分の武器を忘れて参加したのか!?」


マジか。

模擬武器じゃねー、本物でやんのかよ、死ぬぞ。

あれ、宣誓書ってそーゆー意味?


「相手の武器を奪っても良いのか!?」

「あぁ!構わんよ!奪えればの話だがな!」

『ぶわっはっは!』

「魔法は!?」

「自由だ!」


嘘だろ!?

魔法も有り!?

マジ死ぬぞ!?

死人が出るぞ!


「さぁ!ショーが始まる!精々派手にな!目立てば取り立てられる事もある!」

「観客に気に入られれば女に不自由しないし奢りで飲み食い出来るぞ!」

『うおおお!』

「頂点には大公の椅子が待っている!」

『うおおお!』

「さぁ!金も女も!自分の手で掴み取れ!」

『うおおお!』

「扉を開けろ!パーティの始まりだ!」


ガラガラガラガラガラ


扉が開いていく。


ワァーワァーワァーワァーワァー


扉の向こうから入って来る喚声が凄い。


「ビブスの番号通りに出て行け!」


ビブスの番号?

あ、ホントだ。番号が書いてある。

108番か。

うーん。日本人には微妙な数字だな。

ってか100人以上も参加すんのかよ!?

先頭の方では番号を呼ばれた者が扉から飛び出して行っている。


「13番!13番!居ないのか!良し!14番!」


数人後で13番が慌てて飛び出そうとする。


ボゴォ!


ブッ飛ばされた。

どうやら棄権扱いになったようだ。

怖い。

次々に飛び出して行く。

殆ど男、いや、全員男だ。

男祭りだ。

むさ苦しいったらありゃしない。

何でこーなった。

何か最近良い事無いな。

前世で何か悪い事でもしたっけか?




バイヨ達に誘われコロシアムにやって来たミキ達。


ワァーワァーワァーワァーワァー


スタジアムの熱気に気圧される。


「なっ、何これ!?」

「大公選抜祭に決まってるだろ!」

「「「「えぇー!?」」」」

「ほら!良い席買ったんだから急ぎな!」

「ちょ!どーゆー事!?」


訳も分からずバイヨ達の隣に座るミキ達。

黒猫のジョゼがマヌイに抱えられている。

周りの喧騒にビックリしているようだ。


「ロッシは!?ロッシはどうしたの!?」

「もう直ぐ来るよ!心配しなさんなって!」




「108番!」

「俺!?」

「お前か!お前で最後だ!楽しませてくれよ!」


バンッ


背中を叩かれ扉から押し出された。


ワァーワァーワァーワァーワァー


コロシアム。

サッカースタジアムの様な全周囲観客スタンドに溢れんばかりに居る観客が喚声を上げている。

俺が進む中央には周りより1段高くて広い競技台が有る。

そこに次々と上がって行く参加者達。

えっ、ここでバトルロイヤル!?マジで!?

俺も競技台に上がって行く。

先に上がった者達は円を作って歩いている。

俺も自然とその円の最後尾に加わる。

そこで今まで喚声で煩かったコロシアムも一瞬、


シィ―――――ン


とした後、直後に爆発的な喚声に変わった。




ドゥワァアアアアアアアア


「来たぞ!ロッシだー!」

「「「「えー!?」」」」

「何!?何であそこに居るの!?あれって参加者じゃない!?」

「ロッシ兄ぃ参加しちゃったの!?」

「聞いてませんよ!?」

「大丈夫か!?」

「ってか今の歓声は何!?」

「ロッシ兄ぃに対してだったよね!?」

「ヒトが祭りに参加するのは何十年振りかなんだ!」

「それにリィ=イン教国が攻め込んで来てるからヒトに対して嫌悪感が有るわね!」

「友好的なものじゃないわよ!」

「「「「えー!?」」」」




回る円の中心で警備兵が叫ぶ。


「おら!胸を張れ!番号が見える様にしろ!」

「お客さんに愛想振り撒けよ!」


何だ!?何をやってるんだ俺は?

まるで競馬のパドックの様な・・・

ん?

観客席の前では何か集計してる奴等が居るな。

集計してる奴に向かって観客席から何か投げ込まれている。

・・・金だ。

金が投げ込まれている。

集計してる奴の隣にその金を集金してる奴が居る。

賭けだ。

賭博だ。

俺等は賭けの対象なんだ。

そうか、番号に賭けてるんだ。


「おら!愛想振り撒いて金を集めろ!1%がおめーらの取り分だ!」


1%かよ!

前の奴に尋ねる。


「なぁ!何に対しての賭けなんだ!?大公に勝つ事か!?」

「何言ってやがる!バトルロイヤルの勝ち抜きだ!決勝トーナメント進出だ!」


決勝トーナメント進出!

それ位ならいけるんじゃないか?

何人が残るまでバトルロイヤルをするのかは言ってなかったがその辺適当なんだろう。

考えながら回っているとメインスタンドに差し掛かった。

馴染みの魔力反応が有る。

ミキ達だ!

それに・・・バイヨ!

あのアマ!ブッ殺す!

手を振ってやがる!

完全に祭り気分だな!

テメーが出場しやがれよ!

彼女達の上にドデカい板が掲示されている。

出場者番号の隣に数字が有り、その数字を忙しそうに変えている人間が沢山居る。

ふと他のスタンドを見ると同じような看板があってやはり同じ様に数字を変えている。

観客の前のアリーナで相変わらず集金と集計をしている。

集計をしている奴は手元に何かメモした後、メモを千切って客席に飛ばしている。

職人芸の様にそのメモは客席の1人の手元に飛んで行った。

集計人に魔法陣が視える。

恐らくスキルなんだろう。

どんなスキルだろうか、《ディーラー》とかか?

そして集計人はメインスタンドの方を向いてハンドサインを出している。

なるほど。

集計を教えているんだな。

メインスタンドの中で管理しているんだろう。

そして看板の出場者番号の隣の数字はオッズだ。

俺のオッズが知りたい。

俺の番号は108番。

100番台、100番台、100番台・・・あのスタンドか。

あった108番・・・100倍!?


「ぶふぉー!?」


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