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HappyHunting♡  作者: 六郎
第15章 マンイーター カタルシス (ロッシ、アンナ、ルーナ、カヤ、セラス)
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⑮-02-457

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昨夜は寝る前に胸焼けを起こしていたが朝起きてみると何ともなかった。

ただ大幅なステータスアップは感じられない。

まぁ食べるだけでステータスアップするんだし文句は無いが。

午前中は森で魔石狩りをする。

その間、ジョゼは離れ家に、レイヴは街で散策している。

戦争中、スケルトンの魔石を除いて手に入る機会はあまり無かった。

偵察中に魔物を狩ったくらいだ。

狩れる時に狩っておく。

そしてそれが終われば飛行機の実験だ。

そして午後は離れ家で各々生産の時間だ。

そんな日を2日も過ごした日の午後。

午前の狩りから帰って来た所にキルケさんに呼び止められた。


「バイヨから連絡が?」

「はい。この手紙です」

「どれどれ。キルフォヴァに直ぐ来てくれ。だとさ」

「どうしたんだろ」

「何か有ったのかな」

「急いでいるという事は何か有ったんでしょうね」

「その様だな」

「どうするの?」

「バイヨ達には世話になった。行こうと思うが」

「そうね。なんだかんだ言って結構色々依頼を一緒にやったしね」

「戦争もだしね」

「直ぐ出ます?」

「んー。食料武器弾薬を仕入れてから出発だ」

「そうしましょう。何が有るか分からないから」

「「「了解」」」

「あ、丁度悪魔の鰓を使った装備の改修も終わっていますのでお受け取り下さい」

『ありがとうございます』




僕達はその日の内にオラキアを出た。

いつものラドニウスと改良馬車と帆の御蔭で翌日の夕方ギリギリにはキルフォヴァに入街する事が出来た。

キルフォヴァは3ヵ月ぶりぐらいか。

街の中を探査する。


「どう?」

「いや、居ないな」

「ドゥムルガの街で伝書鳩飛ばしたとして後2、3日掛かるんじゃないかしら」

「じゃぁ宿で待ってる?」

「そうしよう。下手に動いて擦れ違っても嫌だしね」


2日間、キルフォヴァを散策していた。

まだ完全に戦争の傷跡が癒えた訳ではないみたいだ。

街の中は兎も角、街壁はあの戦いで出来た損傷が見えた。

しかし人々は活気が戻って来ているようだ。

あれからフリーエさんが街主の代わりに統治していたからだろう。

冒険者も増えたように感じる。

商人もだ。

順調に復興していってるように感じた。

そして2日後の夕方、馴染みの魔力反応が街の外からやって来るのを感じた。

その門に急ぐ。


「バイヨ!」

「マコル!」


馬車から降りて来るバイヨ一行。


「どうしたんだ?」

「相変わらず早いね」

「呼んだ私達より早いってどーなのよ」

「今更でしょ」

「それもそーね」

「急いでいたようだったが」

「あぁ。頼みがある」

「だろうな」

「実は私達の故郷はベオグランデ公国なのだが」

「あぁ」

「知ってたの?」

「まぁな」

「どうして?」

「今それは重要か?」

「・・・いえ」

「そのベオグランデにリィ=イン教国が攻め込んだと知らせが入った」

『何だって!?』

「今度はリィ=イン教国かよ!」

「また戦争!?」

「僕達を呼んだという事はつまり」

「そうだ!一緒に来て故国を助けて欲しい!」

「ちょ、ちょーっと待ってくれよ」

「あぁ。なにせ戦争だ。じっくり相談してくれ」

「しゅーごー」


バイヨ達から離れて相談する。


「戦争だ」

「またね」

「私は良いよ」

「マヌイ、良いのか」

「うん。リィ=イン教国だもん」

「そうです。ヒト至上主義国家のエリス教国家ですから」

「ヒト以外の種族にとって正に天敵の国家だ。勿論私も異存は無い」

「それ程か」

「むしろベドルバクラ王国の時よりも戦意は高いよ」

「えぇ」

「うん」

「なら構わないかな?」

「えぇ。家族がこうも戦意旺盛なら言う事は無いわ」

「分かった」


バイヨ達の下に戻る。


「金が無い」

「故国に伝手が有る。私達が掛け合ってそれなりの報酬が出るようにする」

「前回の教訓で、依頼達成したら直ぐに払ってもらいたい」

「それも交渉する。任せて欲しい」

「良いだろう。じゃぁまだ街門は開いてるようだ。直ぐに出発するか?」

「そうしてくれるか。早い方が良い」

「分かった。このまま出発しよう」

「助かる」




夕方、街を出た。


ドドドドドドドドド


「マーラ君に仕立て直してもらった夏服!涼しいよ!」

「良かったです!」

「あと手直しをしてもらいたいんだが!」

「何処をです!?」

「脇をメッシュにね!」

「メッシュ!?」

「網目状にね!」

「網目状!通気性ですね!」

「その通りだ!戦争は流石に暑かったからね!」

「蒸れますしね!」

「メッシュは細くなくていいから!」

「耐久性も考えて作りますね!」

「頼むよ!」

「はい!」

「途中ベルバキア公国公都ムルキアに寄る!」

「何故だ!?」

「補給をしたい!」

「分かった!私達も急いで来たから補給したい!」

「ジョゼにも久しぶりのムルキアだな」

「ナーオ!」


ドドドドドドドドド




2日後、公都ムルキアに到着した。

バイヨ達を連れてウリク商会に向かった。

勿論、レイヴの《伝書鳩》スキル地点登録の為だ。


「マルコさん!」

「オランドさん!」

「御無事でしたか!」

「えぇ、この通り」

「ドゥムルガ戦に参戦したと聞いて心配していました」

「心配をお掛けしました。結果は勝利しまして、グデッペン要塞を落とす事に成功しましたよ」

「えぇ!キルカ商会からの伝書鳩で文を貰いました。いややはり伝書鳩だと早いですな!初期費用はかなり掛かりましたが」

「でしょう。今ルンバキアは物資不足ですから食料武器弾薬を送れば儲かると思いますよ」

「はい!それも伝書鳩で教えて頂いて絶賛輸送中ですよ」

「流石ですね」

「商機は逃しませんよ。ただ、少し前から食料武器弾薬の値上がりが始まってますね」

「そうなんですか。隣国の戦争の影響ですかね」

「どうでしょう。まぁ何とかやってますよ」

「頼もしいです。それでこちらは冒険者仲間のバイヨです」

「宜しく御願いします。マルコさんの商人仲間で、オランドと申します」

「バイヨです。そう言えば行商人目指すんだったね」

「そうだ。もう商人カードも持ってる」

「「「はっや!」」」

「結構金が必要だったろ」

「そうだよ。それで今手持ちが、ってそんな場合じゃない、オランドさん」

「はい」

「今度はリィ=イン教国がベオグランデ公国に攻め入ったらしいんですよ」

「何ですって!?」

「彼女達の故国から連絡が来たらしくて確かな情報です」

「ムルキアにはまだ情報は来てませんね」

「そうですか」

「でもベルバキア公国は戦争の準備をしている様なのですよ」

「え?」

「戦争関連の物資を買い集めています。物資の値上がりはそれも有るようです」

「ふーむ。国は情報を掴んでるのかも知れないですね」

「諜報員を放ってるだろうからね。どの国もだが」

「援軍を用意してるんだろう」

「それで僕達は彼女達を連れてベオグランデ公国に向かいます」

「そうでしたか。また戦争に」

「えぇ。対北部の戦争ですからね」

「・・・そうですね。分かりました。物資の補給ですね」

「流石オランドさん、話が早い」

「調達しましょう」

「お願いします。ベオグランデ公国からの物資が途絶えるかもしれません。その辺も商機ですよ」

「分かりました。南から調達しましょう」


「そうだジーナさん」

「はい?」

「木彫り。評判が良く売り切れましよ」

「えっ!」

「やったな、ジーナ君」

「ジーナ姉ぇ。凄いじゃん!」

「やりましたね」

「嬉しいな!」

「また卸して頂きたいですね」

「わ、分かりました!また作っておきますね!」


その日はウリク商会系列の宿で一泊して翌日公都ムルキアを出発した。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「また卸して頂きたいですね」「わ、分かりました!また作っておきますね!」 木彫りが幾らで売れたのか、気になりますね。
[良い点] まあやっぱり敵をガンガン倒すのは読んでて気持ちがいいです 今後の活躍も目が離せません。 [気になる点] 報酬なしは読んでいて苦痛です あれだけ苦労したのにパーティとしては何もいいことがなか…
[良い点] 淡々と物語が進行するとこがいいですね。 下手に色恋沙汰を持ち込まず、男女模様は軽いおふざけやおちゃらけ程度なので安心して読めます。 カズヒコが何かセクハラしてオラァ!→「ぐふぅ」の掛け合い…
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